雑誌無償購読申込み 最新号 バックナンバー 広告資料請求 EDN Japanについて お問合せ
雑誌無償購読申し込み
メールニュースレター登録
登録内容変更
アナログ IC/ディスクリート
電源/電池/コントローラー
PLD / メモリー
組み込みシステム
コンピュータ&ボード
EDA/IP/CAE/ソフトウェア
電子部品
計測器
ディスプレイ
デジタル家電
通信・ネットワーク
カーエレクトロニクス/産業機器
EDN Japan 記事検索
検索方法の詳細
雑誌無償購読申込み ニュースレター登録 この記事に対する感想/ご意見
2006.4
RF-ICフィルタの回路/レイアウト設計を自動合成する

RF-ICの設計で単調に繰り返されていたフィルタ設計を、電磁界シミュレータで設計手順を統合して、自動化する。
Chaghua Wan, Jian-x Zheng 米ZELAND SOFTWARE社
Advertisement
 RF-ICフィルタは、ICの性能やサイズ、コストを左右する重要な要素である。従来、RF-ICフィルタの設計には大変時間がかかる3つの手順が必要だった。1つは仕様に基づく集中定数素子回路の合成、次に個々の回路素子のレイアウト合成、3つ目に個々の素子の手作業による組み立てと調整、である。しかし、高速で高精度なEM(electromagnetic:電磁界)シミュレータを利用し、この3つの手順を単一の設計環境に統合することで、RF-ICフィルタの設計を自動化できる。
 ただし、この手法には課題がある。スパイラル・インダクタとMIM(metal-insulator-metal、金属‐絶縁体‐金属)コンデンサのレイアウト合成は、使用するEMシミュレータの速度と精度に依存する。スパイラル・インダクタおよびオーバーレイ・コンデンサの自動組み立て/調整には、相互接続や素子の隔離、入出力配置に関する明確な規則の定義が必要となる。


回路、レイアウト合成の自動化

図1 仕様に基づく集中定数素子フィルタの電気的合成には、ローパスフィルタのプロトタイプの合成と、プロトタイプから所望のフィルタタイプへの変換が必要となる。
 まず、仕様に基づいて集中定数素子フィルタを電気的に合成する。ローパスフィルタのプロトタイプを合成し、応答をハイパス、バンドパス、バンドストップのいずれかにするため、そのプロトタイプを所望のフィルタタイプに変換する処理が必要となる(図1)。
 そして、インダクタおよびコンデンサを物理的に合成する。RF-ICのインダクタにはスパイラル型が最適である。ここでは説明を簡潔にするため、方形スパイラルのみを対象とする。フィルタのコンデンサには、MIMコンデンサまたはインターデジタル・コンデンサの2種類が考えられる。自動合成を容易にするため、静電容量の範囲が比較的広いMIMコンデンサを利用する。
図2に、電気素子の物理的レイアウトへの変換を示す。
図2 回路およびレイアウト自動合成の2つめのステップは、インダクタのシンボルからレイアウトへの変換(a)と、コンデンサのシンボルからレイアウトへの変換(b)からなる。
図3 0.125回りずつ2〜2.875回巻かれたスパイラルについて、巻き方別インダクタ配置の例。


 インダクタの配置は、他のインダクタやコンデンサと、できるだけ狭いチップ面積で接続できるようにする。通常は、入出力の配線と同時にインダクタも配置する。図3は、0.125回りずつ2〜2.875回巻かれたスパイラルの8通りの例を示している。
 最後に、個々の素子をレイアウトどおりに組み立ててフィルタを完成させる。ここでは、隣接する部品間の距離dと、部品から信号線やグラウンド線、接合部までの給電線路の長さlを指定する必要がある。図4(a)にローパスのLC部分、図4(b)にハイパスのLC部分を示す。
 バンドパスまたはバンドストップフィルタに変換するには、ローパスフィルタのプロトタイプから1つの素子を、直列または並列のLとCに置き換える。図5において、直列接続の場合は(a)バンドパスフィルタ、(b)バンドストップフィルタのLC回路となる。一方、並列接続の場合、直列の場合とは逆に(a)バンドストップフィルタ、(b)バンドパスフィルタのLC回路となる。
図4 LC部分は、ローパスの場合(a)とハイパスの場合(b)がある。
図5 直列接続のLおよびCの組み合わせ回路は、(a)バンドパス、(b)バンドストップとなる。一方、並列接続では逆に、(a)バンドストップ、(b)バンドパスとなる。


具体的な設計例

 ハイパスフィルタは、RFおよびマイクロ波の周波数帯域に分散した場合に実現が難しい。表1の仕様を満たすハイパスフィルタの回路、レイアウトの自動合成は、図6のようにハイパスフィルタの素子値を集中定数素子の形式で行う。
表1 RFハイパスフィルタの仕様例

図6 表1の仕様を満たすハイパスフィルタの回路およびレイアウト自動合成では、ハイパスフィルタの素子値が集中定数素子の形で生成される。
 集中定数素子の形式で行ったEMによるハイパスフィルタのレイアウトの自動合成により、MIMコンデンサの重複部分の長さが165μm、スパイラル・インダクタの巻き数がそれぞれ4.875回および3.875回であることがわかる。所定の隣接素子間の距離と給電線路の長さを考慮し、すべての素子を自動的に組み立てる。必要な拡張や接続、パッドを加えて、フィルタのレイアウトが完成する(図7)。
 特定の用途、またはチップ面積、あるいはその両方を満たすために、最終的に手作業での微調整が必要な場合もあるが、それでもこの手法によるメリットは大きいといえる。図7に対する調整としては、単に配線を延長する代わりに、グラウンドを信号線に近づけることが挙げられる。
 商用のEMシミュレータ「IE3D」でフィルタをシミュレーションする(図8)。ハイパス応答と、カットオフ周波数のずれを表示し、設計手法の有効性とツールの高い能力を示す。このずれは、相互接続に起因していると思われる。なぜなら、合成では相互接続の距離をゼロとみなしているからである。
図7 指定された隣接素子間の距離と給電線路の長さから、レイアウト合成は自動的にすべての素子を組み立てる。必要な拡張や、接続、パッドを加えて、フィルタのレイアウトを完成する。
図8 商用のEMシミュレータ「IE3D」でフィルタをシミュレーションする。
 
 

雑誌無償購読申込み ニュースレター登録 この記事に対する感想/ご意見
Reed Electronics Group
Electronic BUSINESS Japan | Design News Japan | Semiconductor INTERNATIONAL | DETAIL JAPAN
EDN Japanについて | 広告掲載について | サイトマップ | お問合せ
 Copyright (C) 2000-2007 Reed Business Information Japan K.K. 
個人情報に関する方針 | 著作権・リンクについて | 会社情報