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pulse Q&A
2006.3
Ford Tamer氏
先手、先手でファブレス2位に浮上
米Broadcom社が、通信用スイッチング製品メーカーの米Sandburst社の買収を発表した。Broadcom社は通信向け半導体で高いシェアを誇るファブレス企業だ。今回の買収もこれまで成功を収めてきた戦略の一環という。同社のシニアバイスプレジデントを務めるFord Tamer博士に話を聞いた。
2005年を振り返ってみて。

A
2005年第3四半期の売り上げは6億9500万米ドルにのぼった。毎期コンスタントに15%程度の伸びを記録している。


市場シェアはどうか。

A
ケーブルTVや衛星放送向けセットトップボックス、ギガビットイーサネットのスイッチやコントローラなどの通信向け半導体では圧倒的なシェアを占めており、ライバルはいないと言っても差し支えない状況と思っている。全世界のファブレス企業の売り上げランキングではQualcomm社に次いで2位だ。しかしQualcomm社はその3割近くが知財収入によるものであり、純粋な半導体チップによる売り上げで比較した場合ここでも1位になる。


ここまでシェアを勝ち取った勝因は。

A
素早い方針決定、開発着手で常に他社を先行することを心がけてきたことに尽きる。注力する分野の選定は、ある意味「賭け」だ。決断は早ければ早いほどいいが、リスクも増える。


賭けに勝ってきた要因は。

A
幹部を含むわが社の全従業員における技術者の比率は非常に高い。技術を理解できる者だからこそ、注力すべき分野を正しく、そしていち早く見極めることができる。ターゲットが決まると積極的に投資、開発を行う。賭けといっても他力本願ではなく、強力な製品を投入することで、自ら勝ちに導いていく。
 主力製品の一つであるエンタープライズ向けイーサネットスイッチについては、他社に先駆けて1999年から開発に取り組んだ。その結果、セキュリティ機能の搭載、IPv6、無線LAN対応などを世界で初めて実現した。ギガビットイーサネット向け半導体では80%のシェアを獲得している。
 ブロードバンド向けプロセッサにおいて、マルチコアの必要性に最初に気づき、そして最初に製品化したのも当社だ。早いだけでなく、性能にも自信をもっている。現在提供しているプロセッサの消費電力は1GHz動作時で13W〜23W。これは競合他社の約1/5だ。設計の初期段階から低消費電力を念頭においてきたことで実現できた。


先日Sandburst社の買収を発表した。その目的は。

A
これも他社に先駆ける戦略の一環だ。当社はメトロイーサネット(広域イーサネット)を用いた伝送技術に早くから着目していた。しかし、企業向けと家庭向けの製品には強かったがメトロイーサネット分野の製品は持っていなかった。
 Sandburst社はメトロイーサネットに対応した特殊用途向けLSIに強みをもったメーカーだ。同社の技術を取り入れることで、メトロイーサネットを総合的にカバーできる製品を他社に先駆けて開発できる。メトロイーサネットによりこれまでの時分割多重伝送装置よりインターネット通信を低コストで実現できる。今後ますます需要の高まるトリプルプレイ(データ、音声、映像)の通信において核となる技術だ。現在、この技術に賭けている。


Sandburst社の技術を生かした製品の開発スケジュールは。

A
買収を発表したばかりで、さすがに製品のことまで話せる段階ではない(笑)。ただ、数カ月のうちにSandburst社の技術を取り入れた製品に関する発表ができるだろう。そしてそれは日本市場も強く意識した製品になる。


日本市場についてどう考えているか。

A
売り上げ比率などの具体的な数値は明らかにできないが、日本は重要な市場だ。現在メトロイーサネットおよびGE-PON(gigabit ethernet-passive optical network)関連製品の開発に注力しているところだが、これらのインフラ整備が世界で最も早いのが日本だと思っている。Sandburst社の顧客のなかにもメトロイーサネット関連で1社、GE-PON関連で2社、日本のメーカーが含まれている。
 これらの製品開発に注力していく以上、特にネットワークインフラ分野の、売り上げに占める日本の売り上げの比率は当然上がっていくことになるだろう。
(聞き手:鴨川 学)


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