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DESIGINIDEAS
2006.3
バッテリ動作PWMアンプに適したFET駆動回路
Steve Franks 米Franks Development社
図1 教科書通りのCMOSペア回路(a)は、高速オン/オフ遷移のきれいな出力波形を生成する(b)。
図2 nチャンネルFETドライバ回路(a)の出力は、オフになるときに指数関数的な立ち上がりを示す(b)。
図3 nチャンネルMOSFETに抵抗バイアスと容量カップリングを追加すると(a)、遷移時間は改善されるが、オン期間またはオフ期間に波形がダレる(b)。
 D級オーディオアンプなどPWM(パルス幅変調)アプリケーションの多くは、対称な波形の駆動回路を必要とする。図1は教科書通りのCMOSペア回路で、ゲートとソース同士を接続したnおよびpチャンネルFETの相補型構成になっている。正負どちらの電源に対しても低インピーダンスのパスを提供し、nチャンネルFETを直接駆動することができる。
 このCMOSペア回路は、ロジック・ドライバ回路に直接結合して駆動すると、ロジック回路と電源電圧が同じ場合には、うまく機能する。しかし、ゲートを低電圧のロジック回路で駆動し、出力FETを高電源電圧にしようとすると、電源電圧の差によって、pチャンネルFETがオンのままになってしまう。
 オフにするには、pチャンネルFETのゲートが正電源の電圧に上がらなければならない。CMOSドライバ回路は、アンプ部の高い正電源電圧に対応することができず、市販のFETドライバICや、オペアンプのレベル・シフト回路などを用いたとしても複雑になってコストも上がってしまう。
 そこで、図2のように、高電圧nチャンネルFETを外付けして、pチャンネルFETのゲートを駆動することもできる。しかし、容量性負荷がかかって、駆動波形は指数関数的な立ち上がりになるため、pチャンネルFETはさらに長い期間その線形動作領域に留められ、スイッチング周波数が制限される。その上、カスケード接続のFETの大きな電力損失の原因となる。
図4 バイアス分割回路にツェナー・ダイオードを挿入すると、カップリング・コンデンサの値と、ロジックレベル駆動用のpチャンネル・デバイスのバイアス電圧を最適化することができる。
 一方、最近のPWMシステムは、比較的高いスイッチング周波数で動作するため、図3のように、ロジックレベル・ドライバ回路の出力と、pチャンネル出力FETのゲートの間に、DCブロッキング・コンデンサCBを挿入することができる。
抵抗分割回路R1とR2は、出力FETのゲートに、出力電源電圧と中間レベル・ロジック電圧との差に等しいDCバイアスを印加する。例えば、5Vのマイクロコントローラで駆動される12VのD級PWMオーディオアンプの場合、pチャンネルFETのゲートには9.5V(12V−5V/2)のバイアスをかけるようにする。
 出力デバイスには、ロジックレベル・ゲート駆動用FETを用いる。他のFETは、5V以下のゲート駆動では所望のIDS(ドレイン-ソース電流)特性を示さないからである。
出力段のバイアス回路が抵抗分割式になっているバッテリ動作アンプでは、面倒なことがもう1つある。バッテリ電圧の低下に伴って、バイアス電圧も低下することである。その対策として、基準電圧ICまたはツェナー・ダイオードD1を用いれば、電源電圧に関係なく、一定のバイアス電圧を供給できる(図4)。
 この方法は、単純な抵抗分割回路よりも消費電力が少なく、カップリング・コンデンサの選択がフレキシブルになり、波形のダレも少なくなる。米Texas Instruments社のPWMパワーアンプIC「TPA2010*1)」を使って、D級オーディオ・パワーアンプを構成すると、TPA2010の2.5W差動出力は、8Ω負荷に対して200Wrmsを超える電力を供給することができる(図5)。
図5 このD級オーディオ・アンプは、ドライバICの出力を、48V電源で200Wrmsにブーストできる。

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用語解説 / 会社情報
*1)
TPA2101D1データシート、http://focus.ti.com/lit/ds/symlink/tpa2010d1.pdf.
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