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pulse Q&A
2005.11
ARMのCOOに聞く
―― 2010年にはノンモバイル比率を50%に伸ばす
Tudor Brown氏
 モバイル分野を中心に低消費電力のマイクロプロセッサコアを開発してきた英ARM社は、2010年に向けてモバイル分野とモバイルではない分野の比率を50%:50%にもっていく。次々と新しい高性能プロセッサを発表するARMはノンモバイルを強化するという戦略をCOOのTudor Brown氏が語った。
ARM社の注力する商品分野は。

A
ARMアーキテクチャを搭載したマイクロプロセッサチップの年間出荷数は15億個になる。このうちの2/3の10億個がモバイル機器向けで、残り1/3の5億個がモバイル以外の電子機器に入っている。次の5年間でモバイル向けとノンモバイル向けの両方に注力し、2010年にはこれらの比率は50%:50%にする。トータルで45億個になると見ている。


ノンモバイルの商品で力を入れていく分野はどこか。

A
ノンモバイル分野では大きく三つの領域が成長するとみている。企業向け、家庭向け、さらに組み込み向けである。企業向けには、ネットワーク機器やディスクドライブ、プリンタなどを狙っている。例えばディスクドライブだと、記録容量の増大と共に磁気ヘッドの位置を正確に制御しなければならなくなってきた。8ビットではなく32ビット系などのチップが求められる。


デジタル家電機器はどのようにして市場を広げていくのか。

A
まだこの分野におけるARM製品の市場シェアは小さい。しかし、ゲーム機やHDD内蔵のビデオレコーダ、ADSLハブなどのホームゲートウエイなどから応用拡大を狙っていく。なにせ、地球には68億人もの人が住んでいるわけだから(笑い)、民生用の市場はこれから巨大になる。このために半導体メーカーとの協力関係を築くだけではなく、さらに半導体メーカーにつながっているサプライチェーンとも関係を深め、特にソフトウエア企業との関係も深めていく。ソフトウエア企業とのコミュニティを築き、OSやミドルウエア、ツールなどさまざまなソフトウエアがARMプロセッサには必要になる。ハードウエア・ソフトウエア全体のコミュニティが重要になる。設計をソフトウエアに落としたり、デバッグやEDA関係企業など多くの企業と協力関係を作っていく。


組み込み機器向けといっても、欧米では産業用途が主だが。

A
例えば自動車向けは狙い目だ。いま自動車は1年に5000万台以上生産されている。その自動車に搭載されるマイクロプロセッサは増加の一途をたどっている。エンジン制御からはじまり、車体制御、エンターテインメント、ネットワークなど、さまざまな制御にそれぞれマイクロプロセッサを使う。ARMはまずラジオやエンターテインメント系から入っていく。


携帯機器向けはどう伸ばすか。

A
携帯電話機でこれから大事な分野はセキュリティだ。携帯電話機には、カメラやメール、カレンダ、ページャーなどいろいろな機能が搭載されている。3Gが本格化すると、サッカーの映像や音楽など大きなデータをダウンロードすることになる。このとき、サービスプロバイダへ支払いが発生する。お金の取引の際にハッキングされたら最悪の事態となる。電子商取引はセキュアにしなければならない。セキュアなデバイスや環境を作ることが焦眉の急だ。


セキュリティをどう確保するか。

A
ハッキング防止のために、OS、インターフェース、ミドルウエアといった階層をもう1レイヤー追加して、セキュリティをかけるとその特別なレイヤーに必ずアクセスするようにしておく。


セキュリティ以外の分野は。

A
ソフトウエアの標準化だ。そのためにはアーキテクチャを一本化する必要がある。自動車に入っているマイクロプロセッサにはいろいろな企業の製品が使われている。独自アーキテクチャのマイクロプロセッサを使っていると、プロセッサごとにデザインをサポートしなくてはならない。しかし、一つのアーキテクチャで統一すれば、設計が容易になり開発期間を短縮できる。


日本市場への対応は。

A
アジアでの売り上げは当社全体の35%。日本だけだと20%だが、これからも期待できる。特に共同ファブ構想には期待している。ARMを標準のプロセッサとして使ってもらえれば、共同ファブでも多く使われるようになると期待している。
(聞き手:津田 建二)
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