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pulse
2005.11
無線でHiFiオーディオを楽しむ
ファッションへ進むBluetooth
 英Cambridge Silicon Radio (CSR)社は、ワイヤレスで音楽ストリーミング機能を強化した第5世代のBluetoothハードウエアおよびソフトウエアのソリューションであるBlueCore5を開発した。同社は、次世代のBluetoothヘッドセットには音楽鑑賞向けが不可欠だとみており、これはその市場に向けたBluetoothソリューションである。携帯電話機にはすでに音楽をダウンロードしたり記録させておくことができるが、その音楽をBluetoothを通じてワイヤレスで聞くことができるようになる。
 今回開発した、第5世代のBlueCore5では、MP3着メロや不特定話者の音声認識、ノイズキャンセラなどの機能を、携帯電話機で実現できる。HiFi音質の着メロが可能である上、音声認識により指で電話番号をダイヤルする代わりに、音声でダイヤルできる。もちろん、ノイズキャンセラで周囲の雑音を打ち消し、音声をクリヤーに聞き取れるようにもできる。消費電力も60mWと、BlueCore3の2/3と小さい。同社製品マーケティングマネジャーのJohn Halksworth氏によると、競合メーカーは150mWもあるという。

年率2倍以上で成長

図1 Bluetoothモジュールの全世界の出荷量 倍々ゲームで伸びているが、実は2倍以上の伸びを示している。
図1 Bluetoothモジュールの全世界の出荷量
倍々ゲームで伸びているが、実は2倍以上の伸びを示している。
 なぜ今、Bluetoothか。日本では同じ近距離無線は802.11a/b/gなどのWiFiが普及しているが、実はBluetoothモジュールの全世界出荷量は、毎年倍々ゲームで増えている(図1)。昨年の1億4000万個から今年の見通しは、2005年の4月時点で2億7000万個だった。これがこの9月に上方修正され、それよりも7%増えると見られている。この結果、実は2002年から2005年までは年率2倍を超えるスピードで増えていることになる。
 Bluetoothモジュールの出荷量を牽引する製品は携帯電話機だ。特に、自動車運転中の通話は欧州の大部分の国で禁止されており、米国の各州では禁止はまだ少数だが、日本でも通話禁止が最近、法制化された。欧州ではヘッドセットを使ってドライブ中に通話していたが、これがハンズフリーに変わりつつある。欧州では、GSM携帯電話機の62%、ヘッドセットの86%、自動車の77%にBluetoothが使われているという。
 製品シリーズとして、BlueCore5-Multimedia、BlueCore5-ROM、BlueCore5-FMの3種がある。最上位のBlueCore5-Multimediaには、処理能力64MIPSのDSP(digital signal processor)コアや、156KバイトのSRAMなどを集積しており、ステレオCodecのS/N比は90dBと高い。
 狙う用途としてBlueCore5-Multimedia は、モノラルおよびステレオヘッドセット、車載システム、ミュージック プレイヤーなど、今後高性能化が要求されるBluetoothアクセサリである。このICチップは、最新のClearVoice Capture(CVC)技術を搭載したことで、オンチップ エコー キャンセルとノイズ抑制を改善している。これは雑音の多い環境でもノイズを打ち消し合う。
 加えて、MP3やAAC、WMA3など、幅広いデジタル音楽圧縮/伸張Codecを搭載していると共に、音声認識、テキスト読み上げ、3Dサラウンドサウンドなど新しい機能も搭載した。
 このような音楽機能を盛り込んだのにもかかわらず消費電力を抑えることができたのは、アルゴリズムの工夫による。例えばMP3圧縮フォーマットからBluetoothまでデータを送信するために、MP3からオーディオレベルに変換し、さらにSBCを経てBluetoothに送るという段階をこれまでは踏んでいた。これをMP3からいきなりBluetoothへと送信できるようにアルゴリズムを工夫した。従来は各段階を経るごとに電力を消費していた。
 BlueCore5-ROMは最も低価格なシリーズであり、同社のDSPソフトウエアでいろいろな機能を実現できる。BlueCore5-FMは、FMラジオ機能を内蔵したものであり、日本市場向けには日本仕様に合わせていく。
 BlueCore5-ROMのサンプル出荷は2005年4四半期だが、BlueCore5-MultimediaとBlueCore5-FMは2006年の初め頃になるという。
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 今回のBluetoothソリューションには、EDR(enhanced data rate)仕様の3Mビット/秒のVer 2.0を搭載しているが、ver 3.0ではUWB(ultra wide band)技術を使う200Mビット/秒のデータレートの仕様を標準化団体のBluetooth SIG(special interest group)で議論し始めている。仕様の検証が終われば2007年末にはver 3.0チップは登場すると期待している。
 日本市場でBluetoothが遅れている要因として、Halksworth氏は文化の違いだという。日本は、音楽ファッションをリードする国だと同氏は見ている。無線のステレオヘッドセットでMP3プレイヤーを聞くようなファッションに期待している。
(津田 建二)
 

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