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2005.11
MRAM内蔵マイコンを製品化へ、
米Freescale社が計画
TSPGマイクロコントローラ事業部の副社長兼ゼネラルマネジャーを務めるMike McCourt氏
TSPGマイクロコントローラ事業部の副社長兼ゼネラルマネジャーを務めるMike McCourt氏
 米Freescale Semiconductor社で自動車や民生電子機器、産業電子機器向け半導体事業を担当するTSPG(Transportation & Standard Products Group)は、高速の書き込み/読み出しや大容量化に適した不揮発性メモリーであるMRAMを内蔵したマイコンを開発していく計画である。同社はすでに、最大2Mバイトのフラッシュメモリー内蔵マイコンを供給しており、用途に応じて使い分けできる製品群を品揃えすることでマイコン事業を拡大していく方針だ。
 調査会社のGartner社によると、Freescale社は2004年の自動車向けIC市場でシェアは11.4%、自動車用マイコンのシェアは13%で、いずれもトップシェアにある。同社の自動車用マイコンはPowerPCベースの32ビットマイコン「MPC55xx」や16ビットマイコンの「HC(S)12」、「56F8xx」、「56F8xxx」などがある。
 同社は現在、4Mビットの単体MRAM(Magnetoresistive RAM)をサンプル出荷中で、顧客の評価を受けているところだ。TSPGマイクロコントローラ事業部の副社長兼ゼネラルマネジャーを務めるMike McCourt氏(写真)は「MRAMはエンベデッドDRAMの集積度とSRAMのスピード、そしてフラッシュメモリーの不揮発性といった特徴を兼ね備えている。MRAM技術をマイコンにどのように組み込むか検討している」ことを明らかにした。

フラッシュ内蔵品と棲み分け

 一方で、2Mバイトのフラッシュメモリーを内蔵した32ビットマイコン「MPC5554」も開発中で、2年以内に出荷する計画だ。McCourt氏は「フラッシュメモリーの可能性もまだ残されている。現在は250nm〜130nmプロセス技術でフラッシュメモリー内蔵のマイコンを量産しているが、90nmプロセス技術を使った製品も開発中だ」と述べた。集積度が高く読み出し/書き込みスピードが必要な用途向けはMRAM内蔵品を、その他の用途にはフラッシュメモリー内蔵品を供給していく。
 TSPGはマイコンやアナログ&ミックスシグナルICおよびセンサーなどの製品群を担当している。特に自動車向けマイコンは、1978年にエンジン制御向けの「MC6801」を供給して以来、常に自動車市場で業界をリードしてきた。TSPGの2004年売上高は26億米ドルで、Freescale社全社売上高の46%を占めている。しかも、TSPG売上高のうち、自動車向け比率が65〜70%と圧倒的に高い。

車載半導体額は10年で倍増

 今日の自動車システムは、安全性や快適性、効率などが要求されている。セーフティやボディ、セキュリティ、パワートレイン、シャーシ、ドライバーインフォメーションなどに対し、最新のMCUやアナログ、センサー技術が必要となる。調査会社によると、自動車1台当たりの平均半導体搭載額は2004年で223米ドルとなっている。
 これに対しMcCourt氏は「将来の自動車システムは自律型になるだろう」との見方を示した。自由に走らせたり止めたりするドライバーアシストやクルーズコントロール、白線認識の機能、衝突回避などの部品も新たに自動車に組み込まれる、という。このために、高性能プロセッサやアナログIC、センサーなどが今まで以上に必要となる。この結果、2015年には自動車1台当たりの平均半導体搭載額は400米ドルになると業界団体は見ている。2004年の2倍の金額である。
(馬本 隆綱)
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