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pulse
2005.10
演算速度はPentium4の数10倍、
消費電力は1/20以下
 
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 アイピーフレックスは2005年8月に米国で開かれたマイクロプロセッサ関連の学会「HotChips」において、同社製品「DAPDNA-2」の技術発表を行った。DAPDNA-2は回路構成を瞬時に変更できるダイナミック・リコンフィギュラブル・プロセッサだ。7×7FIRやFFT処理などのベンチマークを行った結果、DAPDNA-2の動作周波数は166MHzと低いにもかかわらず、3GHzの動作周波数をもつPentium4の10〜50倍の性能を実現する。消費電力は1/20以下と小さい。 Hotchipsでは同社がもつ独自の技術について、詳細を明らかにした。
 DAPDNA-2は、32ビットのRISCコアを持つ「DAP」と呼ばれる部分と、376個のPE(プロセシングエレメント)を配置した「DNA」と呼ばれる部分から構成される(図1)。
図1 ダイナミック・リコンフィギュラブル・プロセッサ
図1 ダイナミック・リコンフィギュラブル・プロセッサ
図2 DAPDNA設計開発フロー
図2 DAPDNA設計開発フロー
PEのパラメータ設定、PE間の接続の組み合わせによって回路を自由に構築する。アプリケーションはDAP側で処理され、負荷の重い作業が発生した場合は瞬時にDNA側の回路を呼び出し、回路を再構成する。処理が終わった回路は消去され、次の回路を1クロックで再構成するという。 DNAのアルゴリズムのデザイン方法は3つある。1つは、データフローを記述するための拡張C言語(Data flow C)を使う方法、2つ目はDNA Designerという独自のツールを使ってブロックセットを利用する方法、3つ目はMatlab/Simulinkのモデルを用いる方法である(図2)。
 DNAにある376個のエレメントの構成は図3の通り。様々な用途に特化したエレメントが複数用意されている。データ処理用のEXE、遅延処理を担うDLE、およびRAMなどのデータ処理用エレメントと、カウンターベースのデータ入出力用エレメントから構成される。376を超えるエレメントが必 要な場合は、チップ同士を複数カスケード接続することで、2倍、3倍の処理能力を確保できる。 
 汎用プロセッサの場合、負荷の大きい処理を行なうには、最大ピーク時の性能を保証するため動作周波数を上げる必要がある。DAPDNAの場合は並列度を上げて処理することができるため、166MHzという低い周波数でも3GHzのプロセッサを凌ぐ演算性能を実現できる。
 DAPDNA-2は、2005年8月末現在で20件近いデザイン案件に採用されている。理化学研究所の大型放射光施設Spring-8において、X線の解析装置に使われた例では、これまでPentium4で20分かかっていた解析処理が約1分半に短縮できたと報告されている。
図3 DAPDNA-2のプロセッシングエレメント(PE)
図3 DAPDNA-2のプロセッシングエレメント(PE)
 同社では現在、画像検査装置、バイオ解析、セキュリティ関連をターゲット市場としているが、2006年には次世代製品「DAPDNA-IM」を開発し、イメージング分野を強化していく。2007年頃にはデジタルテレビ、ホームネットワーク市場にも進出し、2009年には民生電子機器、ワイヤレス製品、3.5G携帯電話基地局やデジタル放送向け製品などにも展開していく予定。同社R&Dセンタージェネラルマネージャーの斯波康祐氏によると「当面は、負荷の高いアプリケーションにおいてFPGAやDSPのパフォーマンスに満足していないユーザーを中心に展開していく」という。同社では設計ツールや開発キットを充実させ、ユーザーの開発環境をサポートすると共に、ビジネスの拡大に努めている。
(伊藤 達哉)
 

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