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2005.9
電子機器システムの冷却ファンの評価を迅速に
James Gabel 米Thermo Electron社
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 電子機器システムは正常な動作状態でも発熱し、それを除かないと誤動作や部品損傷の原因になることがある。理想的には、設計の初期段階で冷却要件を精密に評価して、過去に他のシステムで発生した冷却の設計ミスを避けるだけの、時間とリソースを投入する必要がある*1)
 しかし、現実には、システムの冷却方法の評価や提案されたシステムの冷却要件の迅速な見積もりが要求されることも多い。これらに応えるためには、流体力学の高度な計算は不要である。必要な情報すべてを求められる簡単な方法を紹介する。
 図1は典型的な筐(きょう)体実装型の電子機器システムで、電源が2つ、プリント基板は1枚、ディスプレイ1台からなる。これを単純化し、交流電源ラインから入る電力は最終的にすべて熱になり、キャビネット内に放出されるとして良い。システムの交流および直流電力要件を計算すれば、冷却によって排出しなければならない電力量を見積もることができる。
 概算でいって、空気の熱容量は0.569W分/℃/立方フィートである*2)。すなわち、毎分1立方フィートの空気流は0.569Wの熱を排出することができ、温度変化は1℃となる。これは逆に、1Wの電力が発生する熱を放散し温度変化を1℃に保つには、1.757cfm(立方フィート/分)の空気流を導入する必要がある、と表すこともできる。このように、システム内で発生するワット数を求め、許容できる上昇温度を決めると、冷却ファンに必要な送風容量(単位:立方フィート/分)を見積もることができる。

図1 システムの冷却要件を見積もるには、熱モデルを簡略化して、交流電源入力と発熱出力から構成されるとみなす。

 しかし、冷却ファンの最大規格(単位:立方フィート/分)はゼロ静圧、つまりゼロ背圧を条件にしており、そのような動作条件は実際にはあり得ない。ファンの送風能力は、背圧の測定値/見積もりをもとに計算すると、最大規格よりも低くなる(マノメータ型圧力計は、空気圧の差を水柱の高さで測定する。つまり、周囲の空気と筐体中の加圧された空気との圧力差によって支えられる水柱の高さをインチ単位で測定する)。例えば、ほとんど目詰まりしたダストフィルタによる圧力差を0.10〜0.15インチの水柱として表示することだろう。代表的な100cfmファンについて、圧力と空気流の体積の関係をプロットし、この圧力差からファンの空気流体積を見積もると、わずか50 cfmという低い値になる。
図2 ファンの空気流対圧力差曲線から、そのファンが対象アプリケーションにとって適切な冷却能力を持っているか判断することができる。
 一例として、単相AC/DC 400W電源の出力の70%を用い、電源部の動作効率は75%、つまり電源入力の25%が熱になるとする。送風ファン装置は、無駄な熱すべてを外に排出しなければならない。この熱量は、PDISS=400W÷75%=533Wから70%×533W=373Wとなる。システム動作時の最高周囲温度は35℃、排気の温度は最悪でも50℃を超さないようにすると、温度差TDは15℃となる。次に、所要有効空気流量nを立方フィート/分単位で計算すると、n(cfm)=k×PDISS/TDとなる。ここで、k=1.757cfm×℃/Wである。これらの値からnを求めると、n=1.757cfm×℃/W×373W/15℃=43.69cfmとなる。
 そして、ファンを選定し、圧力対空気流体積特性を確認する(図2)。40cfmの空気流に対して、ファンの静圧特性は正常な動作範囲で水柱高0.1インチになる。(ファンの特性に関する詳細は参考文献を参照されたい*3)。)
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用語解説 / 会社情報
*1)参考文献
Kordyban, Tony, "Ten stupid things engineers do to mess their cooling," Electronics Cooling, January 2000, www.electronics-cooling. com/html/2000_jan_a3.html.
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*2)参考文献
"Air cooling and fan technology," Nidec America, www.nidec.com/aircooling/fantech.htm.
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*3)参考文献
Turner, Mike, "All you need to know about fans," Electronics Cooling, May 1996, www.electronics-cooling.com/Resources/EC_Articles/MAY96/may96_01.htm.
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