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designideas
2005年5月号
差動ドライバを利用したRFスイッチ・ドライバ

John Ardizzoni 米Analog Devices社
  12ビットA-Dコンバータ用高速ドライバのAD8137は、単極双投GaAs(ガリウム・ヒ素)FET-MMIC(マイクロ波モノリシックIC)スイッチやPINダイオードRFスイッチを制御することができるので、通常のスイッチ・ドライバに代わる低コストかつ多目的なドライバとして利用することができる。この回路のスイッチング速度の標準値は、ドライバとRF負荷の伝搬遅延を含めて、約7ns〜11nsである。
AdveRTisement
 図1のGaAs FETドライバ回路(IC1)は、0V〜3.5VのシングルエンドTTL信号を相補型の0V〜−4Vの差動出力信号に変換する。50Ωのソース・インピーダンスRSと入力終端抵抗RTから構成される分割回路によって、信号レベルは半分になる。これを補うため、IC1によって約2.3倍に増幅し、出力を4Vp-pという適切なレベルに上げる。これと同時に、出力レベルを−2Vシフトし、適切なGaAs FETバイアスを提供する。出力電圧は次の式@によって決まる。
 出力の振幅を正負対称にするためには、利得設定抵抗R1とR4は同じテブナン等価抵抗になるものでなければならない。図1では、R4はR1より20Ω大きくしてある。これによって、RSとRTが並列になって生じる追加抵抗分25Ωを補償する。つまり、R4を1.02kΩ(1.025kΩに最も近い標準値)として、差動出力利得がほぼ等しくなるようにしている。
 AD8137のVOCM入力(ピン2)は、出力のDC同相レベルをシフトするのに都合がよい。図1で、R2とR3は電圧分割回路を形成しており、DC出力レベルを−2Vに設定する。AD8137の逆相入力を基準電圧1.75Vに接続することにより、入力信号の中点を確定し、AD8137入力段の適切なスイッチングを実現している。
 図2は、GaAs FETドライバがオフ(アイソレーション)状態からオン(挿入損失)状態に切り替わる時間、つまり、TTL入力が50%の時点からRF出力が90%レベルに達するまでの時間が約5nsであることを示す。また図3は、逆に、オンからオフへのスイッチング時間、つまり、TTL入力が50%の時点からRF出力が10%レベルに低下するまでの時間が約11nsであることを示している。
 図4のように、このGaAsスイッチ・ドライバ回路をわずかに変更するだけで、正負両バイアス電流を必要とするPINダイオード負荷を駆動することができる。IC1のVOCM入力はアースに接続され、アースに対して63.5Vの対称出力を提供し、しかも10mAのバイアス電流のシンクおよびソースとなる。帰還抵抗R3とR4を2kΩに変更すると、63.5Vの出力振幅が得られる。抵抗R5とR6は、式Aのように、定常状態のPINダイオード電流ISSを設定する。
 コンデンサC5とC6はスパイク電流ISを設定するもので、PINダイオードの蓄積電荷を取り除く。AD8137の出力スルーレートdV/dtと式Bからスパイク電流を計算する。
 これによって、使いたいダイオード・スイッチの応答時間を最適化することができる。

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