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designideas
2005年5月号
電池残量検出ICの電流スパイク耐性を高める

Herbert Seidenberg 米カリフォルニア州在住
 米Texas Instruments社の電池残量検出IC BQ2010は、ニッケル・カドミウム電池やニッケル金属水素化物電池の残量を判定するのに便利である。しかし、残量がまだ十分あるのに、条件によっては、過渡的なスパイク電流によって、放電した電池と誤った判定をしてしまうことがある。例えば、加熱素子や、大容量の入力コンデンサを持つスイッチング・レギュレータを接続するときや、電池を接続しようとして端子間を瞬間的に短絡したりすると、スパイク電流が発生するのである。
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 電流スパイクが発生すると、電池の電圧において、その内部抵抗による電圧降下と回路の電流検出抵抗による電圧降下の和の分だけの低下が発生する。BQ2010は、この電圧低下を放電のときに発生するような低電池電圧状態と誤った判断をしてしまう。その結果、残量に関するデータがすべて消滅し、さらにアプリケーションによっては、BQ2010のEmpty(空)出力が働いて、負荷を切り離してしまうこともある。こうなってしまうと、バッテリを幾分充電して、BQ2010のEmpty出力をリセットしなければならない。
 これらの問題をどのように解決すればよいだろうか。解決方法の1つが、図1の回路である。この回路ではBQ2010の電流スパイク耐性をさまざまな側面から改善し、有用な機能をいくつか付加してある。
 第1に、3.3V用電流制限型の低電圧損失電圧レギュレータIC4は、IC1(BQ2010)に電力を供給する。
 第2に、LTC1477短絡保護ハイサイドFETスイッチIC5は、電池から負荷への電流を最大2Aに制限する。IC1のSB(単一セル電圧)モニター・ピンが誤ったEmpty状態を検出しないよう、電流補償アンプIC3Bは、SBピンへの電圧が電流に依存しないようにする。IC3Bの負電源側は、アース側を基準とする電流検出抵抗R4の電池側に接続されている。負荷電流がゼロのときにはオペアンプIC3Bの出力が0Vでなければならないが、出力が0Vになるようなレール・ツー・レール・オペアンプはまずない。
 これらを解決するには、オペアンプの正電源側を十分にバイアスして出力をIOLより高く設定し、電圧検出抵抗比を下げて補償すればよい。
 これに加えて、IC5が熱保護モードにならないようにする短絡負荷遮断機能がある(図2)。また、電池が負荷に電流を供給していないときや、放電したときには、全回路が遮断される。IC7、IC8とIC9で構成されるタイマー回路によって、オプションの遮断機能が実現されている。
 R33とC7を変更することでクロック周波数を下げたり、バイナリ・リップル・カウンタIC8とIC9の設定内容を変更したりすることにより、ターンオフ遅延を分単位のレベルから日単位のレベルに変えることもできる。スイッチS2をオンにするか、再充電サイクルを開始すると、コントローラが再起動する。並列に接続されているショットキー・ダイオードD6は、電池の再充電を行うための電流経路である。
 図2の各抵抗値は特定のアプリケーション用であるが、電池の化学組成、容量、内部抵抗、セル数やタイマーおよびディスプレイの違いによって、カスタマイズすることができる。
 この回路に使用している表面実装用の薄型部品すべてを、1.8平方インチの4層プリント基板の片面に載せることができる。スイッチとLED表示部はプリント基板の下側に接続される。

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