実験室の中のLED
米国エネルギー省によれば、米国で生産される全電力の23%は照明用で消費されている*1)。同省は、GaN系LEDを使った発光効率200lm/Wの固体光源を開発するというプロジェクトに積極的に資金を提供している。この「200lm/W」という数字は、白色LEDを含め現在の照明技術の中でも、ひときわ際立っている(表A)。同省では、このような素子により、年間300億米ドルを超える電気が節約されるだけではなく、原油輸入の削減や炭酸ガス放出の削減にもなると見込んでいる。このプロジェクトは米 University of California-Santa Barbaraと米Rensselaer Polytechnic Institute(米ニューヨーク州、Troy)のLighting Research Centerが共同で行っている。
米General Electric社や独OSRAM Opto Semiconductors社、オランダのRoyal Philips Electronics社など、従来の電球メーカーを含む民間の研究所は、当面の目標に力を入れている。台湾のSemiconductor Lighting Industry Associationの会長を務めるYung S Liu博士によると、40lm/Wを超える効率を持つ市販の白色LEDは2005年の末までに、50lm/Wは2010年までに登場するという。
米Lumileds Lighting社と米Agilent Technologies社から成るチームは、発光効率が100lm/Wを超える狭スペクトラム素子を報告している*2)。
LEDの最初の商用適用例である表示ランプに特化した多くの小規模な半導体会社もまた、高輝度LEDのためのプロセス開発と素子設計に積極的に取り組んでいる。これらの中の最大手がLumileds Lighting社である。同社の製品「Luxeon」を自動車分野に供給することで、2004年11月にRoyal Philips Electronics社と業務提携の発表を行っている。初期の最も大きいOEM供給の1つとなる。
最近の研究開発の動向は新しいLED素子やそれらを駆動するパワーICに限定されていない。高輝度LEDを適用する際の課題の1つが仮想点光源からの光を過度の減衰なしに必要な場所に配光することである。拡散はLEDインジケータや白熱電球では一般的で効果的な手法だが、いずれも高効率光源を製品化していない。投射光を必要とする応用ではフレネル・コリメーターを使用してきたが、最近、直交格子領域での均一な配光を必要とする応用のために、減衰を抑える技術が現れた。米Lumitex社は「Luxeon III Star」や「Luxeon V」などの高輝度LEDやコリメーターレンズ、光ファイバー束、Lumitex社の光ファイバー織物パネルを組み合わせて「Light Engine」を作った(図A)。
正確な半径で光ファイバーを“よる”と被覆加工をひっかいたり、へこませたり、削り取ったりすることなく“より”の長さに沿って均一な配光の出口を作れる。「Light Engine」はそれほどぴったりした名前ではないがCCFL*に必要な起動動作も不要であり、衝撃にも強く、白熱電球に伴う発熱や色の変化のない高輝度の放射面を提供する。Lumitex社は現在この技術を3インチ×5インチのパネルで10米ドル以上のOEM数量価格で商品化しつつある。
|
| ▲本文へ戻る |