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designideas
2005年4月号
安価な「電圧降下法」で基板の短絡を検出する

Teno P Cipri Engineering Expression Consulting
 プリント基板の製造で、圧倒的に多い不良は配線パターン間の短絡である。短絡箇所を探すのには非常に多くの時間を要し、その作業にはストレスが伴う。配線を切り、パッドを持ち上げて、短絡を「洗い出す」通常の手法には、回路の信頼性に影響を及ぼす可能性があるため、ひいき目にみても疑問が残る。これらの問題は、ICが小型化・低電圧化するにつれて、さらに深刻なものになりつつある。4線式の高級DMM(デジタル・マルチメーター)や抵抗測定器は、微少抵抗を正確に測定することができるものの高価であるため、設計者が実験卓で気軽に使うわけにはいかない。
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 そこで、4線式DMMや抵抗測定器の考え方を用いて、短絡箇所を発見する簡単な方法を紹介しよう。必要なのは実験卓にあるような部品とオームの法則についての基本的な知識だけである。この方法では、導体はすべて抵抗性を持ち、短絡回路ではある点と別の点の間に電圧降下が必ず発生するという現象を利用する。そして、各点の間でインピーダンスの最も低い場所を簡単に探し出し、短絡箇所を2点間に特定しようとするのである。
 デジタルバスでは、その配線長全体で1Ω以上の抵抗があることが多く、配線パターンの抵抗が200mΩと低い場合でも、10mAの電流を流せば2mVの電圧降下を生ずる。実験室用のハンドヘルドDMMには分解能1mVを容易に得られるものが多い。必要なのは相対値なので、測定器の絶対精度はあまり問題にならない。とはいえ、再現性の良い結果を得るには、電流は一定でなければならない。また、電流源はテストする回路のグラウンドと絶縁しなければならない。
 1.5V電池と1.5kΩの抵抗を直列に接続すれば、この目的に適した電流源ができる。電池であるため絶縁分離が簡単で、電圧も比較的安定している。抵抗値は10mA程度の電流が流れるように選ぶ(電源ラインのように配線インピーダンスが低い場合や、DMMにmV級の分解能がない場合には、電流を増やす)。なお、クランプダイオードのカソードを電池のマイナス端子に、アノードを抵抗の開放端に接続すれば、低電圧の論理回路を保護できる。この場合は、回路を使用しないときに電池が放電しないように、電源スイッチを付ける。
 測定点(ノード)は、ビア、パッド、あるいはテストポイントなど、回路にアクセスできる部分ならばどこでも良い(図1)。そして、電流が2つのノード間を流れるときは両ノード間に微小な電圧降下が発生し、電流がノード間を流れないときは電圧降下が生じないという電流経路の特性に注目するのである。
 短絡箇所を見つけるには、DMMの測定入力の一方で配線Aの任意のノードを、もう一方で配線Bの任意のノードを当たって、電圧降下をチェックする。この例では、正入力をノード1から、負入力をノード5から始める。
 まず、負入力をノード5からノード6に移すと、その間に電圧がわずかに降下するのが分かったと仮定する。そしてノード6からノード7に移したときには、電圧降下はなかったとする。この場合、ノード6からノード7には電流は流れず、ノード5と6の間に短絡箇所があるはずだということになる。次に、正入力を動かしてみる。ノード1から2に移すと、その間に電圧が若干低下し、さらにノード3に移すと、また少し電圧が低下したとする。しかしノード3からノード4にプローブを移動させたときには変化しなかったならば、短絡はノード2から3とノード5から6との間にあるはずだという結論になる。
 図1の等価回路を図2のように描きなおすと、この方法を理解しやすい。単純な直列抵抗回路になっていて、電流が各抵抗を流れると電圧降下が発生するのである。ノードが電流経路の外にあるときは、電圧降下は発生しない。各ノードの電流経路の中での位置を理解すれば、電圧が低くなっている(電流が流れている)のか、それとも低くなっていない(電流が流れていない)のかを調べることにより、短絡箇所を容易に発見することができる。電流が流れていれば、短絡は電流源からみて、測定ノードより遠いところに、流れていなければ近いところにあるはずである。このような単純明快な考え方によって、不良を簡単に発見することができる。この方法のメリットは、電流源の一端が配線Aのノードのどこかに、そして他端が配線Bのノードのどこかに接続されていれば、ノードはどこであっても構わないことである。
 ここで紹介したのは、2-3と5-6という2つのノード対の間に短絡箇所がある単純な例である。ここで、基板レイアウトについて、少々の知識と常識を働かせてみよう。ノード5-6と同2-3の間で、2つの配線が接近する位置が分かれば、短絡が最も起こりやすい部分が分かる。それが部品の下になっていれば、その部品を取り除かなければならない。それで短絡も解消することもある。プリント基板内部で短絡している場合には、カッティングやジャンパ線接続を行って不良箇所を見つける必要があるが、少なくともボード上でパターンをカットする回数を減らすことはできる。

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