SoCはどこで電力を消費するのか
チップが消費する合計電力は、動的電力と静的電力の和に等しい。動的電力とは、論理回路をスイッチングする際に消費される電力のことであり、セル内部(内部電力)とチップ内の配線負荷および外部負荷(スイッチング電力)を駆動するためのものである。「動的電力=CV2F」で計算される。この式においてCは負荷、Vは振幅電圧、そしてFは論理遷移の数である。
半導体の構造が微細化するにつれ、相互接続する静電容量は減少し、より高性能、低消費電力が可能になる。これらの要因に逆行するのは、設計の大規模化とスイッチング周波数の高速化による電力の増大である。半導体はトランジスタがスイッチング動作をしていないときも、静的電力(リーク電力)を消費する。リーク電力=VISTATで求められる。
トランジスタはドレーンから基板へ、ある程度の逆バイアスがかかった状態でのリーク電流があるが、ほとんどのリーク電力は、オフ状態のトランジスタを通したサブスレッショルドリーク電流によるものである。このサブスレッショルドリーク電流は、トランジスタ・チャネルを介したソースとドレーン間の導通に起因している。
サブスレッショルドリーク電流は、トランジスタのしきい値電圧(VTH)の低下に伴い、増加するので問題である。実際、加工寸法が130nm以下になると、リーク電力は全チップ電力の50%にまで増大するかもしれない。増大したリーク電力により、チップは待機時でさえも、信頼性にかかわる故障の可能性が指数関数的に増えるかもしれない。CMOS技術の微細化が進むにつれて、消費電力を削減するための主なアプローチは、供給電圧VDDを下げることになった。電圧スケーリングは電力の削減に関し、チップの動的消費電力を電圧の2次効果により制御するための良いテクニックである。しかしながら、供給電源を単に低下させるだけでは、回路のスピードを低下させてしまう。
なぜなら、スイッチングの遅延時間は、負荷の容量とVTH/VDDの比に比例しているからである。
高速スイッチングのための十分な駆動力を維持するためには、VTHをVDDに比例して低下させなければならない。この関係は、リーク電力の増加につながる。しかし幸いにも、消費電力を意識した設計フローにより、さまざまな消費電力目標でタイミング要求とのバランスを取ることができる。
|
| ▲本文へ戻る |