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designideas
2004年12月号
電気2重層コンデンサーで電池の出力を高める

ヨンピン・シャー 米ナブコム・テクノロジー社
Yongping Xia Navcom Technology, Inc.
 電池で駆動する電子機器は、常に一定の電流を消費しているわけではない。大電流を必要とするのはごく短時間で、残りのほとんどの時間はスリープ・モードやパワーダウン・モードといった低消費電力状態であることが多い。こうした機器では、消費電流の平均値はそれほど大きくないわけだ。ところが、瞬間的にでも大きな電流を供給するためには、通常、エネルギー容量の大きな電池を用意する必要がある。例えば、10時間ごとに1.5秒間動作し、その動作時には3.3Vで500mAの電流を必要とする電子機器を考えてみよう。消費電流の平均値はわずか21μAである。ところが動作時の消費電流が大きいため、コイン電池では駆動できない。
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 そこで、電気2重層コンデンサーを電池に組み合わせれば、エネルギー容量の大きな電池を使わなくて済む(図1)。負荷の消費電流が大きくなると、この電気2重層コンデンサーからエネルギーを供給する。電気2重層コンデンサーの内部インピーダンスは低いので、瞬間的には数Aを超えるほどの出力電流を確保できる。
 図1では、出力電圧が3Vのコイン型リチウム電池(BT1)と、2.5Vの電気2重層コンデンサー(C2)を組み合わせた。比較器IC(IC1)とpチャンネルMOS FETは電圧制御型のスイッチとして機能する。電気2重層コンデンサーの電圧が2.2Vに達すると、このスイッチが動作してリチウム電池を電気2重層コンデンサーから切り離す仕組みである。
 使用した電気2重層コンデンサーは米クーパー・バスマン社*の「PowerStor」だ。静電容量は1.5F、電圧は2.5V、型名は「A1030-2R5155」である。比較器ICのIC1には、1.245Vの基準電圧源が内蔵されている。この比較器ICで電気2重層コンデンサーの出力電圧を監視する。R3を付加することで0.5Vのヒステリシスを持たせた。比較器ICに印加される電圧が1.7Vより低い場合には、比較器ICの出力論理が低レベルに変化してpチャンネルMOS FET(Q1)をオンする。この状態ではリチウム電池が電気2重層コンデンサーを充電する。電気2重層コンデンサーの電圧が2.5Vに達すると、直ちに比較器ICの出力論理が高レベルに変化して、今度はQ1をオフにする。この出力論理の変化を点Aで取り出せば、電気2重層コンデンサーの充電完了検出が可能である。また、点Aの信号をマイコンの割り込み信号として利用することもできよう。
 もう一方のpチャンネルMOS FET(Q2)は、電気2重層コンデンサーの放電を制御するスイッチとして機能する。図1中の点Bがフローティング状態のときは、スイッチはオフである。スイッチをオンするには、オープン・ドレインあるいはオープン・コレクタ接続のトランジスタを使って点Bをプルダウンすればよい。
 Q2がオンした状態では、電気2重層コンデンサーの出力電圧は時間の経過とともに低下する。このため、負荷に定電圧を供給したい場合には、昇圧型のDC-DCコンバーターを用意する必要がある。電気2重層コンデンサーから取り出すエネルギーの損失を低く抑えるためには、入力電圧の下限がなるべく低いDC-DCコンバーターを採用する。例えば、米リニアテクノロジー社の昇圧型DC-DCコンバーターIC「LTC3402」を用いれば、安定した3.3V出力が得られる。LTC3402は最小0.5Vと低い入力電圧で動作可能である。電気2重層コンデンサーに蓄えられるエネルギー量を1/2V2Cとすれば、DC-DCコンバーターICの出力で1/2((2.2V)2×1.5F−(0.5V)2×1.5F)=3.4Jのエネルギーを取り出せる。

用語解説 / 会社情報
【米クーパー・バスマン社】
Cooper Bussmann, Inc.
電気2重層コンデンサーのほか、過電圧/過電流保護素子を製造販売する米国の電子部品メーカー。電気2重層コンデンサーは、同社の1部門である米Cooper Electronic Technologies社が担当している。電気2重層コンデンサーの製品情報は下記のホームページで閲覧できる。
http://www.powerstor.com/
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