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designideas
2004年11月号
特性を簡単に変えられるバイクワッド・フィルター

デボラ・マンキューソ、 ドナルド・シェレ 米マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ社
Deborah Mancuso Donald Schelle Maxim Integrated Products, Inc.
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 回路設計者が利用できるアナログ・フィルターの中で、フィルターの特性を簡単に可変できるものは数少ない。ここで紹介するバイクワッド(biquad)・フィルターは、3個の抵抗の値を調整することによって、フィルターのコーナー周波数とQ値、利得をユーザーが簡単に変えられる。
 図1は低域通過型のバイクワッド・フィルター回路である。3個のデジタル・ポテンショメーターIC(IC1、IC2、IC3)を可変抵抗器として帰還ループの中に配置した。このポテンショメーターICの設定を変えると、フィルターの特性が変わる。コーナー周波数は5.5k〜55kHzの範囲に設定可能だ。Q値と利得の範囲は設定したコーナー周波数に依存する。Q値は0.005〜5.5、利得は1〜100の範囲に設定できる。
 バイクワッド・フィルターの特性を調整するには、SPI*インターフェースを介してデジタル・ポテンショメーターIC2を調整し、コーナー周波数ω0(ラジアン/秒)を設定する。同様にIC1を調整すればQ値を、IC3を調整すれば利得を設定できる。なお、Q値の調整はコーナー周波数の設定に影響しない。また、利得の調整はQ値やコーナー周波数の設定に影響しない。次の3つの式に示すように、バイクワッド・フィルターの調整が直交関係にあるからだ。


ここでRIC1、RIC2、RIC3は、それぞれIC1、IC2、IC3の入力抵抗の値である。
 図1の回路構成は、IC化されたスイッチド・キャパシター・フィルターよりもかなり複雑になってしまう。ただしスイッチド・キャパシター・フィルターには、スイッチング雑音が発生することや、周波数帯域幅が比較的狭いという弱点がある(図2)。従って、図1のフィルターに比べると応用範囲が限定される。
 一方、今回のフィルターは、プリント基板上の占有面積は比較的大きくなってしまうものの、周波数特性や雑音特性に優れている。さらに、スイッチド・キャパシター・フィルターICは一般に高価なので、図1のような構成を採れば回路コストを抑えられるだろう。
 実際にフィルターを搭載する回路では、電圧振幅の大きな信号や、正負両方の電圧の信号を取り扱うことが多い。ところがほとんどのスイッチド・キャパシター・フィルターICは5V単一電源で動作する。このため、用途によっては使えない。今回は±15V電源で動作するデジタル・ポテンショメーターICとオペアンプICを組み合わせた。±15Vの電源電圧で動作する回路に組み込める。
 通過特性が低域通過型以外のフィルターとしても利用できる(図3)図1の構成のまま帯域通過型として使えるほか、4個目のオペアンプICを接続すれば、高域通過型、帯域阻止型、全域通過型といったも構成可能である。

用語解説 / 会社情報
【SPI】
serial peripheral interface
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