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designideas
2004年9月号
過電圧と低電圧の監視を低コストで実現する

イリエ・ポエナル、サビン・エフティミエ ルーマニアのカタリスト・セミコンダクター社
Ilie Poenaru, Sabin Eftimie Catalyst Semiconductor Romania, SRL
 マイクロプロセッサーの電源管理にはスーパーバイザーICが広く使われている。マイクロプロセッサーの電源電圧の変動を監視し、一定の条件でマイクロプロセッサーをリセットするための信号を出力する機能を備えたICである。安価なスーパーバイザーICは、電源電圧が設定値(下限値)を割り込んだときにだけリセット信号を出力するものが多い。
 そこで、安価なシャント・レギュレーター*ICをスーパーバイザーICと組み合わせることで、過電圧と低電圧の両方を監視できる回路を紹介する。電源電圧が設定値(上限値)より高くなったときにもマイクロプロセッサーをリセットできる。
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 スーパーバイザーIC(IC2)はマニュアル・リセット端子(/MR)を備えたものを選ぶ(図1)。監視対象の電源電圧(VCC)が、あらかじめ設定しておいた上限値よりも高くなるか、下限値よりも低くなると、リセット信号を出力する。すなわちIC2のリセット信号出力(/RST)端子の論理レベルが高レベルから低レベルに変化する。
 電源電圧が正常値として設定した範囲内に復帰しても、/RST端子は最小140msの間、論理レベルを低レベルに保持し、その後で高レベルに遷移する。この遅延時間によって、マイクロプロセッサーが動作を再開する前にシステムが安定状態に到達できる。
 図1ではスーパーバイザーICを使って電源電圧の下限値(VLOW)を設定する。スーパーバイザーICの動作しきい値電圧が、そのままこの回路の下限値になる。今回採用した「CAT811」(IC2)は、しきい値電圧が異なる7品種を標準品として入手できる。しきい値電圧の最小値は2.32V、最大値は4.63Vである。カスタム仕様品ではしきい値電圧を1.8Vと低く設定することも可能だ。
 一方、上限値(VHIGH)は出力可変型のシャント・レギュレーターIC「CAT431L」(IC1)と2個の抵抗(R1、R2)を使って設定する。IC1の内部基準電圧(1.24V)をVREFとすると、VHIGH=VREF(1+R1/R2)である。図1では、設定可能なVHIGHの最大値が5.5V、印加可能な電源電圧(VCC)の最大値が9Vになる。
 実際にこの回路を試作して動作確認を行った。スーパーバイザーICはしきい値電圧が4.63Vの品種を用いている。従って電源電圧の下限値(VLOW)は4.63Vになる。R1とR2は10kΩのポテンショメーター(可変抵抗器)1個で代用した。R1が7.75kΩ、R2が2.25kΩになるようにポテンショメーターを設定した。すなわち電源電圧の上限値(VHIGH)を5.5Vに設定したことになる。
 電源電圧が下限値よりも低いときは、リセット信号出力(/RST)端子の論理レベルは低レベルのままである。この状態から電源電圧が上昇して下限値を超えると、/RST端子は最短で140msの期間、低レベルを維持した後、高レベルに遷移する(図2)。電源電圧が過電圧状態から下降して上限値に達し、正常値に戻った場合にも、/RST端子は最短で140msの期間、低レベルを維持してから、高レベルに変化する(図3)
 また、電源電圧が正常値から上昇して上限値を超えると、/RST端子が直ちに高レベルから低レベルに変化してマイクロプロセッサーをリセット状態に設定する(図4)。電源電圧が正常値から下降して下限値を割り込んだ場合にも、/RST端子はすぐに高レベルから低レベルに変化して、低レベルを維持する(図5)

用語解説 / 会社情報
【シャント・レギュレーター】
出力電圧を一定に保つための電圧制御回路を負荷に対して並列に接続した電圧レギュレーター。負荷が大きな電流を必要とする場合は制御回路に流れる電流を小さくし、負荷が必要とする電流が小さい場合は制御回路に流れる電流を大きくすることで出力電圧を安定化する。
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