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designideas
2004年7月号
故障保護機能を搭載したデータ収集システム

キャサリン・レッドモンド アイルランドのアナログ・デバイセズ社
Catherine Redmond Analog Devices, Inc.
 航空機には感度の高いセンサーを用いたデータ収集システムが組み込まれる。このようなセンサー・システムは、故障状態に対応できるように設計しておくべきである。センサーの故障によって大事故が引き起こされる可能性があるからだ。このため、システムを構成する部品の損傷を防止する工夫が必要になる。
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 図1にチャンネル保護回路を示す。pチャンネルMOS FETと、それに直列に接続した2個のnチャンネルMOS FETで構成した。電源電圧VDDおよびVSSが印加されていても、いなくても、データ収集システムに組み込んだ感度の高い部品を信号経路の電圧過渡現象から保護できる。
 このチャンネル保護回路は、通常の動作時は信号経路に対する直列抵抗として振る舞う。入力電圧が電源電圧(VDDあるいはVSS)を超えるとMOS FETの1つがターン・オフし、出力電圧を電源電圧の範囲内にクランプ(制限)する。過電圧が発生したときや、電源電圧が供給されなくなったときに生じる電圧過渡現象から、後段に接続した部品を保護できる。電源供給の有無に関係なく動作するため、電源の立ち上がり順序を保証できないシステムや、活線挿抜が必要なラック・システムに適する。
 図2は、チャンネル保護IC「ADG465」に電源電圧を超える過電圧が入力された場合の動作を示す。この保護ICは図1に示した保護回路を内蔵している。故障状態によって発生した過電圧を、電源電圧からMOS FETのしきい値電圧を差し引いた電圧値にクランプする。正の過電圧が入力された場合のクランプ電圧(VCLAMP)はVDD−VTNになる。ここでVTNは、内蔵したnチャンネルMOS FETのしきい値電圧で、標準1.5Vである。一方、負の過電圧が入力された場合のクランプ電圧はVSS−VTPになる。ここでVTPは、内蔵したpチャンネルMOS FETのしきい値電圧で、標準−2Vである。
 保護ICに搭載された回路は、双方向の故障保護および過電圧保護機能を提供する。従って、入力と出力を入れ替えて使うことも可能である。図3は正の過電圧が発生したときの保護回路各点の電圧とMOS FETの飽和状態を示す。
 故障状態で発生する電流(IOUT)は出力負荷(RL)によってVCLAMP/RLに制限される(図4)。電源(VDDとVSS)がオフしている場合には、IOUTの値はナノアンペア(nA)のオーダーに抑えられる。図5は、保護回路を3チャンネル内蔵した保護IC「ADG466」を使って、感度の高い計装用アンプの入力をセンサー故障から保護する回路である。
 複数のセンサーを使ったシステムでチャンネル保護を必要とする場合は、故障保護を備えた4対1チャンネル・アナログ・マルチプレクサーIC「ADG439F」が利用可能である(図6)。このICに集積されたマルチプレクサーは、nチャンネルMOS FETとpチャンネルMOS FET、nチャンネルMOS FETを直列に接続した入出力インターフェースを備える。故障状態が発生すると、このインターフェースが開放状態になり、出力回路と同様にセンサーや計装アンプを保護する。

「design ideas」への寄稿のお願い
米国EDN誌の日本語版「EDN Japan」は、米EDN誌と同様に「電子技術者の仕事に役立つ」誌面作りをモットーに掲げ、米EDN誌で注目を集めた記事の翻訳のほか、日本国内で独自に取材し執筆した記事を掲載して行く予定です。
弊誌「EDN Japan」では、「design ideas」と呼ぶ1ページ前後のコラムを毎号6ページ〜8ページ掲載しています。これは、米EDN誌の「名物コラム」で、電子回路設計などの現場で働く電子技術者の皆様からのご寄稿により成り立っています。そこで半導体メーカーや電子機器メーカーの電子技術者のほか、大学などの研究者、一般の方(コンサルタント業務に携わる方など)の皆様からの「design ideas」へのご寄稿を募集します。
【記事内容】
電気/電子回路の新たな提案とその説明。
半導体製品に組み込まれた新たな回路の紹介。
半導体/電子部品の面白い使い方。
半導体/電子回路の性能を引き出す、あるいは部品の弱点を補う回路の提案。など。
上記以外のテーマについては、別途ご相談ください。
【原稿の長さ】
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