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designideas
2004年6月号
電源にラッチ・オフを簡単に追加する回路

クレイグ・バーガ 米ナショナル セミコンダクター社
Craig Varga National Semiconductor Corp.
 電源回路には故障対策が欠かせない。過電流などの故障状態に陥った際に電圧レギュレーターの動作を停止させ、停止状態を維持する「ラッチ・オフ機能」を用意しておく必要がある。ところが電圧レギュレーター回路に使われるPWM*コントローラーICは、ほとんどがこのラッチ・オフ機能を搭載していない。
 ただし、こうしたICにもパワーグッド信号出力機能とイネーブル制御機能が搭載されていることが多い。これらの機能を利用すれば、ラッチ・オフ機能を低コストで追加できる。具体的には、PWMコントローラーICに低電圧検出IC「LMS33460」(IC1)を組み合わせる(図1)。IC1のパッケージは5端子のSC-70で、実装面積の増加はごくわずかで済む。このほかに必要なのはダイオードと受動部品が数個だけである。
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 3.3V出力の電源回路を考えてみる。電源回路自体は5V電源で動作するとしよう。システム・イネーブル入力の論理レベルを高レベルに設定すると、コンデンサーC1の上端の電圧は急速に上昇し、5Vに達する。この状態では電源回路の出力電圧は設定値(3.3V)に達していないため、PWMコントローラーICのパワーグッド信号出力(PGOOD)ピンの論理レベルは低レベルにとどまり、抵抗R1を介してC1を充電する。
 システム・イネーブル入力の論理レベルを高レベルに設定した瞬間は、C1の電圧はゼロである。従って、IC1のVIN入力(5番ピン)の電位はいったん5Vにプルアップされ、その後C1とR1、R2によって決まる時定数で低下し始める。
 電源回路に何らかの故障が発生したとしよう。すなわち、IC1のVINの電位が3Vより低くなっても電源回路の出力が設定値(3.3V)に達しない場合である。この場合、IC1のVOUT出力(4番ピン)の論理レベルが低レベルに変化する。この結果、PWMコントローラーICのイネーブル制御(ENABLE)ピンの論理レベルも低レベルになり、電源回路をオフ状態に設定する。
 次に、電源回路が正常に動作している場合を考えてみる。電源回路の出力は、IC1のVINピンの電位が3Vより低くなる前に設定値(3.3V)に達する。PGOODピンの論理レベルが高レベルに変化し、C1が放電を始める。するとIC1のVINピンの電位は上昇し、PWMコントローラーICの動作状態を保持する。
 R2は、電源回路がラッチ・オフ状態になってもIC1が動作できるように、IC1に数Vを印加し続ける。ダイオードD1は、システム・イネーブル入力が低レベルに切り替わった際に、PWMコントローラーICのENABLEピンをプルダウンする役割を果たす。C1は小型のタンタル・コンデンサーあるいはセラミック・コンデンサーでよい。ただし、セラミック・コンデンサーは、温度特性がX5R特性のように良好な品種を選択する。また電源回路への供給電圧である5V電源が1ms程度の短時間で立ち上がった場合には、電源回路はPWMコントローラーICのENABLEピンの状態によらず動作する可能性がある。
 図2図3に、電源回路各点の電圧波形を示した。図2は電源回路が正常に動作を開始した場合、図3は2チャンネル出力を備えた電源回路において一方の出力が短絡状態になった場合である。いずれの図も、1段目の波形(ピンク色)がシステム・イネーブル入力信号、2段目(青色)がIC1のVINピン、3段目(黄色)がIC1のVOUTピン、4段目(緑色)が電源回路の出力における電圧波形を示す。
 図3から分かるように、電源回路に故障が発生すると、IC1のVINピンの電圧が3Vを切ったところでPWMコントローラーICのENABLEピンが低レベルに設定され、電源回路をラッチ・オフする。

用語解説 / 会社情報
【PWM】
pulse width modulation
パルス幅変調
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