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designideas
2004年5月号
低域通過フィルターのステップ応答を改善

ジョン・ガイ、ロバート・ニコレッティ 米マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ社
John Guy, Robert Nicoletti Maxim Integrated Products, Inc.
 信号整形用に低域通過フィルターを設計するとき、常に問題となるのは、フィルターの特性が時間ドメイン応答に与える影響である。遮断周波数を低くすると、フィルターのステップ応答がゆっくりになってしまう。このため、ある時間内における信号の変化を検出できなくなる可能性がある。
 図1は、遮断周波数を低くしても、ステップ応答時間が延びない低域通過フィルター回路である。ウインドウ比較器(ウインドウ・コンパレーター)が、フィルターの入力と出力の差(デルタ)をモニターする。デルタが±50mVを超えると、フィルターの遮断周波数を1けた上げ、スルー・レートを高める。図1のスイッチド・キャパシター・フィルター(IC1)は通常、内蔵発振器を利用したセルフ・クロックド・デバイスとして動作する。外付けのコンデンサーC1とC2で、低域通過フィルターの遮断周波数を0.1Hzに設定してある。そのほかの部分はダイナミック・ウインドウ比較器である。ペア・トランジスタのQ1とQ2、およびQ3とQ4は相補型電流ミラー回路を形成し、その出力は抵抗R2とR3を通過して±50mVのデルタを生成する。IC1の出力電圧(VOUT)を抵抗R2とR3のセンター・タップに接続することによって、出力電圧の中央にデルタがくるようにする。この結果、ウインドウ比較器のしきい値の上限はVOUT+50 mV、下限はVOUT−50 mVに設定される。
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 抵抗R4とコンデンサーC3は、入力信号に対する低域通過フィルターとして機能する。遮断周波数は312Hzであり、急しゅんなグリッチを排除する。フィルタリングされた入力信号は、ウインドウ比較器の入力を駆動する。デルタ(入力信号と出力信号の差)が±50mVのウインドウを超えると、比較器IC2AあるいはIC2Bの出力論理が低レベルになる。このためトランジスタQ5がカットオフし、Q5のコレクタが高インピーダンス状態に変化する。Q5のコレクタはコンデンサーC2の接地でなくなるので、低域通過フィルターの遮断周波数が10倍に高まる。そして出力と入力の差が±50mV以内に減ると、遮断周波数が下がり、静止状態に戻る。図2のオシロスコープ波形は、遮断周波数を切り替える効果を示す。上段の波形は1.5Vから2.5Vへのステップ入力である。中央の波形は今回の回路が動作したときの出力、下段の波形は今回の回路を使わない低域通過フィルターの応答である。今回提案した回路による出力波形は遮断周波数の変化時に若干の変動を伴うものの、応答特性がもともとのフィルターよりも5倍高速になっている。
 図1は、低い遮断周波数に向けた回路である。コンデンサーC1とC2の値を変えることにより、遮断周波数をより高くできる。また抵抗R2とR3の値を調整することによってウインドウの値を変えることも可能である。この場合、デルタは抵抗値に115 μAを乗じた値になる。なお比較器には必ず、オープン・ドレイン・タイプを使用すること。

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【記事内容】
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半導体/電子回路の性能を引き出す、あるいは部品の弱点を補う回路の提案。など。
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