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designideas
2004年4月号
マイコンのアナログ入力数を増やす回路

ディック・キャペルス 米アリゾナ州在住
Dick Cappels  
 マイコンのアナログ入力数を増やす回路を提案する。アナログ・マルチプレクサーを付加したり、アナログ入力数の多いマイコンに取り換えたりしづらい場合に有用である。
 現在使っているマイコンに予備の入出力ピンがあり、その中で少なくとも1本のピンが双方向あるいはトライステートであるならば、スイッチド・キャパシターを用いて簡単なアナログ・マルチプレクサーを構成できる。図1に2入力のマルチプレクサーを示す。
 通常、スイッチド・キャパシター・マルチプレクサーは、キャパシターに加わる電圧をサンプリングする前に、電圧入力とキャパシターを絶縁する。しかし今回の回路ではマイコンの入出力ピンを利用するため、キャパシター(C1とC2)の一方の端子を抵抗経由で電圧入力(V1とV2)に接続したままにする。12番ピンと14番ピン、15番ピンは出力ピンに設定されており、論理レベル「低」に保持される。ダイオード(D1とD2)は導通していないので、キャパシター(C1とC2)は入力電圧(V1とV2)まで充電される。
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 キャパシターに充電された電圧をサンプリングするためには、12番ピンを入力ピンに変更する。さらに、V1をサンプリングするときは14番ピンを、V2をサンプリングするときは15番ピンを論理レベル「高」に切り替える。この状態で、マイコンの比較器が12番ピンの電圧を基準電圧(13番ピン)と比較する。リスト1に、サンプリングを実行させるための命令コードを示す
 12番ピンの電圧(VPIN12)は、VPIN12=VDD−VDIODE−VINとなる。ここでVPIN12はコンパレーターのアナログ入力に印加される電圧、VDDは電源電圧(この例では5V)、VDIODEはダイオードに加わる順方向電圧、VINはRCフィルターに印加される電圧(V1あるいはV2)を示す。VPIN12をサンプリングする間に、キャパシターの正極端子電圧は電源電圧VDDを超えることがある。そこでマイコンの14番ピンおよび15番ピンと直列にダイオード(D1とD2)を接続し、電圧がVDDを超えないようにするとともにキャパシター(C1とC2)が電源方向に放電しないようにする。
 また入力電圧のサンプリング中も、キャパシターはフィルター抵抗と直接接続状態にあるので、キャパシターは抵抗を介して放電してしまう。このため、RC時定数をサンプリングに要する時間よりも十分長く取っておく必要がある。12番ピンの電圧誤差(VERROR)が最大になるのは、別の電圧入力(例えばV1に対するV2)がサンプリングされようとしているときである。入力V1とV2の両方が0Vのとき、電圧誤差は次式で求められる。


 ここでサンプリング時間TSAMPLEは、ダイオードの陽極がVDDにスイッチする時間を示す。この例では3μsになる。ただしR1=R2とC1=C2であり、各電圧入力のサンプリング時間は等しいとしている。
 動作周波数1MHzのマイコンを使った図1の回路では、2つの電圧入力を両方ともサンプリングしたときの時間が6μsになる。動作周波数が16MHzのマイコンを用いると、サンプリング時間は375nsに減少する。
 回路の入力数を増やすときには例えば、図2(a)のような差動入力のマルチプレクサーを使う。ただし、サンプリング時間の増大を考慮する必要がある。RCフィルターが入力電圧まで確実に充電されるように、プログラム中でサンプリング・ルーチンを呼び出す頻度を低くしておくことだ。この例では、サンプリング・ルーチンの呼び出しのために割り込みをかけるのは、2048クロック・サイクルごとに1回である。
 図2(a)の回路では12番ピンの電圧が反転される。またダイオードのために最大電圧はVDDよりもダイオード電圧降下分だけ低くなり、約4.4Vとなってしまう。そこで極性反転とダイオード電圧降下を補償したのが、図2(b)の回路である。リスト2には、マイコンをマルチプレクサーとして動かすプログラムのアセンブリ言語コードを示した

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