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designideas
2004年3月号
直接デジタル波形合成ICを2つ使ったASK回路

ノエル・マクナマラ アイルランドのアナログ・デバイセズ社
Noel McNamara Analog Devices, Inc.
 RFID*システムやケーブル・モデムなどの通信システムでは、AM*(振幅変調)が使われている。本稿では、直接デジタル波形合成*ICを2つ使って、AMやASK*(振幅偏移変調)を簡単に実現する方法を紹介する。
 直接デジタル波形合成ICには、米アナログ・デバイセズ社の「AD9834」を使う。このICは50MHzのクロック信号で動作し、電流出力に対応する。このICを2つ以上使う場合は、それぞれの出力を共通の終端抵抗に接続することで、出力信号を足し合わすことができる(図1)。IC1とIC2はそれぞれ、内部位相レジスターを2つ(P0とP1)、内部周波数レジスターを2つ(F0とF1)搭載している。2つのICが同じ周波数の正弦波を出力した場合、合成した信号の振幅はそれぞれの信号の位相に依存して変化する。従って、4つの振幅レベルを得られることになる。
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 表1にIC1とIC2を使って生成した4つの出力レベルを示す。P0AはIC1の位相レジスター0、P1AはIC1の位相レジスター1、P0BはIC2の位相レジスター0、P1BはIC2位相レジスター1を示す。ユーザーはPSELピン、もしくは制御レジスター内のPSELビットを使って、希望する出力レベルを選択する。図2は、表1に示した4つの位相の組み合わせに対応する、共通終端抵抗RTERMの結合点における波形である。位相レジスターを適切な値にプログラムすることで、0V〜フルスケール電圧(約600mV)までの任意の信号レベルを得られる。
 IC1とIC2ともに同じマスター・クロック(MCLK)を使う。ただし正しい信号レベルを得るためには、出力点において2つのICを同期させなければならない。従って、2つのICの位相と周波数を設定した後に、RESET信号を両方に同時に印加することで同期を取る。このほかソフトウエア的に同期を取ることも可能だ。実現方法は2つある。1つはRESETピンに正パルスを入力する方法。もう1つは制御レジスター内のリセット・ビットを「1」にセットしてMCLKを止め、次に制御レジスター内のリセット・ビットを「0」にセットしてMCLKを再スタートさせる方法である。いずれにせよ、2つのICが同時にリセット状態から抜け出せることを保証している。
 1つのICのRESETピン、もしくは制御レジスター内のリセット・ビットを「0」と「1」の間で切り替えれば、100%の振幅変調(AM)を実行できる。このICはリセット状態の場合、D-A変換器の出力は中間レベルに設定されている。リセット状態から抜け出すと、あらかじめ設定されている正弦波がIOUTから出力される。
 2つのICから出力された信号の和による振幅レベルを計算するには、各信号を回転ベクトルで表現する必要がある(図3)。合成した回転ベクトルの振幅と位相は、以下の手順で簡単に計算できる。
 各ベクトルの長さを1と仮定すれば、
x1=cos(45度)=0.707、
y1=sin(45度)=0.707
x2=cos(180度)=−1.0、
y2=sin(180度)=0
x3=x1+x2=−0.293、
y3=y1+y2=0.707
合成ベクトルの振幅:
合成ベクトルの位相:
180度−tan−1(y3/x3)=112.5度
 1つのICが100Ωの終端抵抗に出力できる最大の出力電圧レベルは、RSET=6.8kΩのときに320mVppである。従って、この例の場合、実現可能な電圧レベルは320mV×0.765=244.8mVになる。合成ベクトルの位相は、2つの入力ベクトルの位相に依存する。このため入力ベクトルの位相変化に伴って、位相の不連続点が生じる可能性がある。過渡状態における位相の不連続点は、合成位相p3を固定角度、例えば180度≧p2=360度−p1のような角度に設定することで避けられる。
 具体的には、
sin(2πf+p1)+sin(2πf+p2)=
2cos(0.5(p1−p2))×sin(2πf+(p1+p2)/2)
 希望する振幅値:A=2cos(0.5(p1−p2))、p1−p2=2cos−1(A/2)
 合成位相:p3=(p1+p2)/2
従って、p1=180度+cos−1(A/2)、およびp2=180度−cos−1(A/2)を用いれば、過渡状態における位相シフトが存在しない振幅Aが求められる。

用語解説 / 会社情報
【RFID】
radio frequency identification
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【AM】
amplitude modulation
振幅変調
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【直接デジタル波形合成】
direct digital synthesis
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【ASK】
amplitude shift keying
振幅偏移変調
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