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2004年3月号
Illustration by Guy Billout
オンライン設計ツールを
使いこなす7つのヒント


大手半導体ベンダーは、回路設計者の業務をインターネット経由でサポートするサービスを提供している。その1つにオンライン設計ツールがある。ユーザーのアプリケーションに適したICの選定や、ICを利用した回路設計の支援をウエブ・サイト上で実現する。その機能は日々進化を続けているようだ。筆者は今回、オンライン設計ツールを提供しているベンダー各社のウエブ・サイトを訪問し、オンライン設計ツールを実際に使ってみた。この経験から、効率よく利用するための7つのヒントを提示する。

ジョシュア・イズラエルソン
Joshua Israelsohn
 米EDNは、エレクトロニクス機器に携わる技術者の話に耳を傾けるよう努力している。技術者の設計開発実務について、常に最新の情報に触れていたいからである。また、その実務が現在どのように変わりつつあるか、そしてその変化を引き起こしている原因が何であるのかについて把握しておくべきだと考えているからだ。このため、エレクトロニクス業界のカンファレンスや展示会に足を運んだり、座談会を開催したり、専門組織の会合に参加するなど、あらゆる機会をとらえて技術者と意見を交換している。また、技術者の経験をまとめた数多くの研究報告書に目を通すことも怠っていない*1)
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 ほんの数年前と比べても、設計開発の現場ではより少人数のスタッフがより少ない時間で、より多くの製品を開発しなければならないというプレッシャーが高まっているようである。これに加えて、ここ数年で技術者の層が実質的に薄くなってきた。必然的に、ほとんどの技術者は、それまで得意としていた技術分野だけにとどまっていることが難しくなる。このため技術者たちは、設計開発業務を短時間でこなしたり、自分自身で対応可能な技術範囲を広げる方法やツールを求めてさまよい始めているようだ。
 次に半導体製品に目を向けてみよう。アナログ・デジタル混在ICの集積度はかつてないほどに高まっている。ASSP*の登場以降、IC設計とシステム設計の境目がはっきりしなくなっており、混乱の度合いが増している。集積度が高いアナログ・デジタル混在ICでは、外付けする回路や部品を簡単に選択できる場合がある。ただしこれは例外と考えた方がよい。ほとんどのASSPでは動作パラメーターを決定するため、外付け部品を適切に選択する作業が不可欠になる。
 こうしたICでは、動作パラメーターを簡単な式で記述できることはまれである。仮に複雑なICを簡単な線形方程式で記述できたとしても、奇抜な伝達関数で表したオペアンプと同じように扱ってはならない。同じ理由からSpice*(スパイス)やそのほかのEDA*ツールで、こうしたICを簡単に解析できるとは考えられない。
 技術者は少ない労力で多くの仕事をこなしたいと考える。これに応えるため、半導体ベンダーはかつてないほど複雑な機能を集積したチップを作り出す。この結果、1つのICで、アプリケーションの主要な機能ブロックを実現できるようになってきた。ただしその半面、こういったICを従来のEDAツールで扱うことが難しくなっているという事実もある。半導体ベンダーがICのユーザーである設計開発技術者に対して提供するサポートは、従来から提供してきたデータ・シートや部品選択ガイド、アプリケーション・ノートなどの資料だけではもはや不十分になっている。

半導体ベンダーの思惑

 オンライン設計ツールは、ICユーザーをインターネット経由で支援することを目的としたソフトウエア・ツールである。半導体ベンダーは、用途や適用範囲が異なるさまざまなオンライン設計ツールを自社のウエブ・サイトで提供している。ほとんどの半導体ベンダーはオンライン設計ツールを進化させるべく改良を重ねている。ところが、オンライン設計ツールを使って何ができるかについて、きちんと理解している半導体ベンダーはごく少数である。
 半導体ベンダーがソフトウエア・ツールに割ける開発リソースは有限である。従って、限られた開発リソースでどういった開発テーマに取り組むか、どの製品ラインをサポートするか、どのようにすれば多くの製品をサポートできるか、といった「綱引き」が常に発生している。
 半導体ベンダー各社のウエブ・サイトを渡り歩くと、どのような種類のオンライン設計ツールがユーザーの要求に最もよく応えられるのかについて、ある考え方が見えてくる。すなわち、数多くの機能を統合した外見のよいツールとごく簡単な機能だけを提供するツールを比べると、簡単なツールの方がセットアップに時間を取られないため、ユーザーが必要としている情報を短時間で提供できるという考え方である。
 半導体ベンダーのウエブ・サイトを訪れるユーザーは均質ではない。比較的経験の浅い技術者からベテランのエキスパート技術者まで、さまざまである。担当テーマに没頭している技術者が、特定の情報を求めてウエブ・サイトに立ち寄ることもあるだろう。あるいは、まったく未経験の技術分野をできるだけ早く習得しようとしている技術者が訪れるかもしれない。
 半導体ベンダーは、簡単にアクセスできて実用性が高い設計支援システムを構築できるよう多大な労力をつぎ込んでいる。オンライン設計ツールを用意するため、ある半導体ベンダーは市販のソフトウエア・ツールを手がける企業と契約を交わし、ある半導体ベンダーは自社でツールを開発している。実際にはこの両方をミックスした開発手法が主流である。すなわち半導体ベンダーの開発スタッフがオンライン設計ツールのうち比較的簡単な計算ツールや、部品データベースから情報を引き出す仕組みを開発し、ソフトウエア・ツールの開発受託業者が複雑で広範囲の問題を扱う解析ソフトウエア開発やカスタマイズを担当する。
 今回筆者は、半導体ベンダー各社のウエブ・サイトを訪問し、実際にオンライン設計ツールを使ってみた。この経験から、ICユーザーがオンライン設計に割く時間をより有効に利用できるように、7つのヒントを提示したい。

ヒント1 時間に余裕を持つ

 半導体ベンダーのウエブ・サイトからオンライン設計ツールを利用しようとすると、使用前にユーザー登録を求められることが多い。ウエブ・サイトに登録してからでないと、オンライン設計ツールによる答えが得られない仕組みになっている。
 まずはその半導体ベンダーがどのように設計ツール群を構成しているかを把握する必要がある。どの半導体ベンダーも、自社のウエブ・サイトがいかに使い勝手がよいかを主張している。ウエブ・サイトの構成は半導体ベンダーによって異なる。このためユーザーは、半導体ベンダー各社のウエブ・サイトを訪れて、それぞれの構成を把握しておく必要がある。このためには、各サイトに最低でも5分程度滞在し、そのサイト内を探索することが必要になるだろう。
 オンライン設計ツールについても同様だ。半導体ベンダーは、自社の提供するツールが「直観的に使用可能なインターフェースを備えている」と説明している。ところが実際に少し使ってみると分かることだが、ある設計ツールはユーザーの直観に確かによく合うものの、不可解であると感じるツールもある。数多くのオンライン設計ツールに触れてみることだ。各ツールに割く時間は短くて構わない。こうして、ユーザーにとって重要なICを供給している半導体ベンダーが、どのようにウエブ・サイトを構築しているかになじんでおく必要がある。
 今回試用したオンライン設計ツールは、ほとんどがトラブルなく使えた。それでもいくつか細かいトラブルは発生した。もし設計ツールによる設計支援を早急に必要としていたか、ウエブ・サイトに不慣れであったならば難しい状況に陥ったかもしれない。
 一例を示そう。ある半導体ベンダーのウエブ・サイトでユーザー登録をしようとしたときのことである。このウエブ・サイトは、ログイン用のパスワードをユーザーごとに発行する仕組みであった。パスワードはウエブ・サイトが決めて、筆者の電子メール・アドレス宛てに送ってきた。このパスワードは意味のない記号の羅列である。記憶できるものではない。そこで筆者は、そのウエブ・サイトに次にアクセスした際に、パスワードを電子メール・ソフトウエアから「コピー」して、ログイン・フォームに「張り付け」た。
 ところが張り付けたパスワードは無効だった。半導体ベンダーのサポート部門に電子メールで問い合わせたところ、コンピューターによる自動応答が返ってきた。「メッセージを受け取りました。48時間以内に回答します」。実際にその翌朝、問題は解決された。休暇シーズンで問い合わせ件数がそれほど多くなかったのが幸いしたのであろう。とはいえ、もしトラブルの当日にオンライン設計ツールを使って仕事を進める予定だったならば、とても慌てただろう。

ヒント2 ブックマークだけに頼らない

 半導体ベンダー各社のウエブ・サイトを巡って多くの時間を費やし、有用なオンライン設計ツールを見つけ出したとしよう。ところが、何週間、何カ月後に再度そのツールを利用しようとしたときに、そのツールをどこで見掛けたのか忘れてしまっていることがある。この問題に対処するために、通常はウエブ・ブラウザーのブックマーク機能を利用する。しかし、これを利用してもブックマークに記録した際の名前が分かりづらいと、結局は時間を浪費してしまう。ウエブ・サイトを歴訪した末に見つけた情報の管理には完全無欠の方法はなさそうである。これは、CDソフトや書籍の整理に完ぺきな方法がないのと同じであろう。
 筆者は結局、ウエブ・ブラウザーのブックマークと、簡単なスプレッドシートを組み合わせて管理する方法を採用した。スプレッドシートには、見出しとして次の項目を記述した。すなわち半導体ベンダーの企業名、オンライン設計ツールの名称、オンライン設計ツールの用途と適用範囲、ウエブ・サイトのアドレス(URL*)である。さらに、ウエブ・ブラウザーのブックマークに登録した場合にはチェック欄に印を付けた。
 ブックマークが乱雑になるのを抑えるため、スプレッドシートに記録しておく価値があると判断したオンライン設計ツールの中から、特に日常的に使用したいツールだけを登録した。ブックマークの整理方法についてはまだ決めかねている。「設計ツール」というフォルダーを作って、オンライン設計ツールのウエブ・サイトへのリンクをすべて格納しておくか、半導体ベンダーごとにフォルダーを作って分類しておくべきか、あるいは設計ツールの用途ごとに分けた方がよいのか。どれか1つにルールを決めれば、いずれの整理方法を選択しても実際の作業効率に影響を与えないはずである。
 オンライン設計ツールをブックマークに保存しておいても、半導体ベンダーがウエブ・サイトを再構築すれば登録したブックマークが役に立たなくなる可能性がある。その場合には余計な時間を使って新しいリンク先を見つけ出し、変更を記録し、半導体ベンダーに苦情のメールを送りつける必要があるだろう。

ヒント3 過剰な期待は禁物

 ユーザー登録が済んだからといって、オンライン設計ツールが設計業務を肩代わりしてくれるのではと期待しているとがっかりすることになる。これはツールが悪いのではない。ツールに対する過剰な期待の方が間違っているのだ。オンライン設計ツールの習得は、時として、市販のソフトウエア・ツールやハードウエア・テスト機能を使いこなすのと同じくらいの時間を要する。確かに、簡単なオンライン設計ツールであれば、使い方は短時間で理解できる。しかし、高度な機能を備えたオンライン設計ツールの習得にはかなりの時間を要すると覚悟しておいた方がよい。
 市販のソフトウエア・ツールと異なり、半導体ベンダーが用意したオンライン設計ツールでは使用方法について細かく解説した資料が用意されていない。誤動作などのトラブルが発生したときの対処方法もほとんど示されないことが多い。現在のオンライン設計ツールに不足している点は、きちんとした説明資料とランタイム*・サポートであろう。
 例えば、今回試用してみたオンライン設計ツールに、高速バックプレーン設計に向けたツールがあった。ドロップダウン・リスト形式のウインドウをいくつか備えており、それらを使って高速バックプレーンのさまざまなパラメーターを設定する。すなわち、信号の伝送方式や終端インピーダンス、終端電圧、送信IC/受信ICの品種、クロック信号の周波数、コネクターの仕様、バス上のコネクター数、スタブ長などである。
 筆者は送信ICと受信ICを選定し、そのデータ・シートを確認した上で、適切と判断したパラメーターをドロップダウン・リストから選んだ。するとエラーが発生した。「An ERROR has occurred Code = 103(エラー発生、コード=103)」というポップアップ・ウインドウが立ち上がったのである。「Code = 103」に該当するエラーが何なのかはまったく示されなかった。「NOTE errors maybe caused by inappropriate parameter values(不適切なパラメーターによるエラー発生の可能性)」というメッセージだけである。このメッセージは次のように理解できる。「あなたが選択したパラメーターのうち2つ以上に互換性がない。しかしどのパラメーターを選択したことが問題だったのかは自分で見つけ出しなさい」。
 一体、どの選択がオンライン設計ツールのご機嫌を損ねてしまったのか。入力の仕方が悪かったのか、オンライン設計ツールが壊れているのか分からない。このような意味不明のエラー・メッセージは、ユーザーの入力ミスを親切に指摘しているわけではない。オンライン設計ツールの開発者がソフトウエア業界標準のプログラミング手法にいかに忠実でないかということを示しているだけである。標準的なプログラミング手法とは、適切なフィードバックを備えた入力エラー・チェック機構と、プログラム内部の機能について特別な知識がないユーザーでも理解できるエラー・メッセージを用意することである。
 オンライン設計ツールではサポート資料が不十分なことが多く、ヘルプ資料を1クリックですぐに呼び出せない。トラブルが発生しても、社内のITサポート部門のように電話1本ですぐに連絡が取れるわけでもない。ヘルプ・デスクは半導体ベンダーのサポート部門に置かれているのだ。連絡手段は電子メールになる。返事は早くても数時間、最悪の場合は数日かかる。数分ということは絶対にない。従って、設計業務のスケジュールを立てる際にはこういったやり取りに要する時間を考慮に入れておく必要がある。

ヒント4 GUIにだまされるな

 オンライン設計ツールを提供している半導体ベンダーは、外部のソフトウエア開発企業(サード・パーティー)に開発の一部を委託していることが多い。筆者は、アナログ設計やアナログ・デジタル混在設計に向けたオンライン設計ツールを使い始めた当初、サード・パーティーが開発したツールの方が、半導体ベンダーが自社で開発したツールよりも高度な技術を駆使して構築されており、説明資料も豊富に用意されていると考えていた。
 ところが、実際にさまざまなオンライン設計ツールを使ってみた結果、自分の考えが間違っていたと気付いた。確かに傾向としては、半導体ベンダーの外で開発されたツールの方が、対応範囲が広く、さらに使い勝手のよさそうなGUI*を備えていた。ところが対応範囲が広い分、ユーザーにとって必要性が高いはずの説明資料は不十分であった。GUIの見た目がよいため、使いこなすのが簡単そうにみえたのだが、実際には半導体ベンダーのツールに比べて難しかった。さらにほとんどの場合、GUIの大部分は見掛け倒しだった。どうやら、見た目のよいGUIは見た目をよくするためだけのもので、決してユーザーの使い勝手を高めるためのものではないようである。
 それでも、サード・パーティーが提供するオンライン設計ツールの一部は、回路設計者の役に立つ機能を備えている。回路シンボルで表現した回路図のノードをクリックできたり、ツールを使って解析した結果をグラフィカルに表示できたり、半導体ベンダーの製品データベースを検索するためのインターフェースが非常に洗練されていたりする。部品データベースのインターフェースは、部品の詳細情報へのリンクが用意されており、画面上でそのまま部品を並べ替える機能を備えている。
 GUIだけでなく、回路解析エンジンについても、サード・パーティーのツールが半導体ベンダーのツールより必ずしも優れているわけではない。ただし、半導体ベンダーのツールより格段に高い解析機能を備えたサード・パーティーのツールも少数だが存在する。そういったツールでは、半導体ベンダーのツールよりも回路規模が大きく複雑な回路を取り扱えるという利点がある。しかし、半導体ベンダーが自ら開発した、より簡単で適用範囲を絞ったツールと比べると、ツールを使いこなすのに多くの時間を要してしまう。大手EDAツール・ベンダーを除くと、半導体ベンダーの専門知識や技術を理解して体系化できる人材は、見た目のよいGUIを作れる人材に比べてごくわずかしか存在しない。
 エレクトロニクス機器の設計開発に携わる技術者の関心は、部品の使用方法や回路の構成方法に関する問題をどうやって解決するかという点にある。このため、見た目がよいだけのツールよりも、半導体ベンダーの専門知識や技術に近づけるツールの方が役に立つと感じるであろう。

ヒント5 ツールは道具に過ぎない

 「Spiceシミュレーターを利用することと、人手で計算することの違いは、結果を得るまでの時間が大きく違うことである」という見方はまったくの誤解である。確かにソフトウエア・ツールを使うと、体系化された膨大な知識にアクセスできるようになる。しかし考えてほしい。かつて「Spiceループ」に陥ったことがある技術者にしてみれば教訓は明らかだ。いきなりSpiceシミュレーターを起動しても、基礎的な理解なしに回路の動作を解析できるわけではない。ソフトウエア・ツールを立ち上げる前に、必ず設計の下調べをするべきである。
 回路シミュレーターが登場して以来、設計の下調べがきちんと実施されなくなってしまったようだ。技術者が技術を理解し、常にスキルを磨くことが必要であることは今日でも変わっていないはずである。電動のこぎりを持っているからといって家具職人にはなれない。ソフトウエア・ツールはかなりの助けになるが、知識豊富な技術者の代わりにはならないのである。
 ところが、設計ツールを販売する人たちの多くは、ユーザーがその設計ツールを使えば、完全には理解できていない部品や技術を使えるようになるという。この主張には異論を唱えたい。確かに、ひとたび設計ツールを習得すれば、自分自身の理解していることを掘り下げるための助けになる。しかし、ソフトウエア・ツールが設計作業自体を肩代わりしてくれるわけではない。また、ある技術範囲の中でどうやって問題に対処するかも教えてくれない。奇妙なエラー・メッセージの意味や、設計中にどこでミスを犯したかについても助け舟を出してくれないのだ。
 皮肉なことに、オンライン設計ツールが台頭し始めた現在においても、ICやそのアプリケーションに関する最高の教材は、おそらく従来通り紙ベースの資料であろう。オンライン設計ツールのようなソフトウエア・ツールではない。ホワイト・ペーパーやアプリケーション・ノート、データ・シート、論文などは、今もなお特定の分野に関する設計情報としては最高の情報源である。これらも現在では、インターネット経由で簡単に入手できる。こうした資料を活用すれば、なじみがない技術分野に踏み込んでいくことも、すでに経験のある分野の理解を深めていくことも可能である。
 半導体ベンダーの何社かは、オンライン設計ツールの設計フローを示したウエブ・サイトに、紙ベースの資料へのリンクを用意している。これは時間の大幅な節約になる。

ヒント6 ツールとICは切り離せない

 オンライン設計ツールの位置付けは、設計支援用のアクセサリー・ツールからより重要な設計ツールへと変化している。このためICユーザーは、ICの検討の際に、IC単体ではなくオンライン設計ツールを含めて評価する必要がある。しかし実際には、こういった見方がなされることは多くないようだ。ほとんどの技術者は、ICのアナログ機能がソフトウエア・ツールと関連していると認識していない。一例としてパワーICを使った回路設計を考えてほしい。パワーICと半導体ベンダーが提供する設計支援ツールは切り離せないはずである。従って、ICとその設計を支援するソフトウエア・ツールは同一の判断の元で選択することになる。
 ここまでは比較的容易に想像できるだろう。ところが実際には、オンライン設計ツールとICの関連性は想像以上に高まっているのである。半導体ベンダーはすでにICとソフトウエア・ツールがどのように関連しているかを理解している。さらにICが市場に受け入れられるかどうかをソフトウエア・ツールが左右する可能性があるということを理解し始めている。このため、オンライン設計ツールの進化と、ツールを実行させるインフラの更新スピードを加速させている。
 ほとんどのオンライン設計ツールはウエブ・クライアント・インターフェースを備えたサーバー・アプリケーションとして動作する。すなわちツールの所有権はユーザーではなく半導体ベンダーにある。このためユーザーは、ツールを次のバージョンに移行すべきか、またはいつ移行すべきかを自らの意思で決定できない。半導体ベンダーに任せることになる。つまり、ICを購入する際には、単にIC製品と設計支援サービスを購入しているわけではない。半導体ベンダーを選択する際には、そのベンダーの提供するソフトウエア・ツールが今後どのように進化していくかについても検討する必要がある。

ヒント7 設計環境を橋渡し

 半導体ベンダーが提供しているソフトウエア・ツールには、Spiceに近い回路シミュレーターなどもある。ところが、こういった半導体ベンダーが提供するツールと、そのツール・ユーザーが自社内で使用しているSpiceツールの設計環境とを結び付け、橋渡しする手段がない。例として再度パワーICを取り上げよう。設計フローは次のようになるはずだ。
 まず半導体ベンダーがオンライン設計ツールを提供しているウエブ・サイトにアクセスし、電源回路のトポロジーを選択する。続いて、動作パラメーターを設定する。具体的にはまず制御ICとその周辺に配置するパワーMOSFETやフィルター部品などを選択することになる。実際には、部品データベースのリストから適切な部品を選んで、回路トポロジーに当てはめていく。次に、構成した回路をシミュレーションする。その結果が設計仕様を満たしているかどうかをユーザーが確認する。さらに、使用するオンライン設計ツールによっては、熱解析を実行できることもある。
 さて、この例ではオンライン設計ツール上で設計した電源回路と、電源回路の周辺回路との相互作用を解析できない。周辺回路はユーザーの設計環境で用意されているからである。オンライン設計ツール上で電流シンクや抵抗性負荷などの仕様は決められるだろう。しかし、電源回路の動的な特性、特に高周波での特性を解析する必要がある場合には、オンライン設計ツールは対応できないはずである。
 ただし、例外的なツールもある。例えば米リニアテクノロジー社*が提供するSpiceシミュレーター「LTspice/SwitcherCAD V*」である。スイッチング・レギュレーターICを搭載した電源回路とユーザー側の回路を一緒にシミュレーションできる。
 アナログ・デジタル混在ICでも同様に、設計環境の橋渡しが問題になる。集積度が高いアナログ・デジタル混在ICのビヘイビア・モデルが用意されていることは極めてまれである。仮にモデルが提供されていたとしても、それはごく汎用的なものであることが多い。こうしたモデルでは、実際にユーザーのアプリケーションにおいて最も重要な回路性能を正確に解析するのは難しいはずである。
 半導体ベンダー各社は、半導体ベンダーの提供するシミュレーション環境とユーザーの設計環境の間に溝があることを認識している。また、オンライン設計ツールがこのまま進化しても今後しばらくはこの溝は埋まらないことを素直に認めている。そこで半導体ベンダーは、両方の設計環境を橋渡しするための工夫として、次の2つを推奨している。
 第1に、ユーザーが最終的に用意する回路を、オンライン設計ツールとユーザーの設計環境に分割することである。このとき分割位置は、分割した各回路のインターフェースにおける複雑度が最小になるように決定する。すなわち、2つの設計環境の間でどういった設計情報をやり取りするのか、互いの設計環境における事象や解析条件に対して各設計情報がどの程度の感度で反応するのかを考慮する。この感度を低く抑えれば、2つの設計環境を組み合わせても回路全体の解析精度を悪化させずに済む。
 さらに、回路全体の特性に影響を与える可能性がある設計情報については注意が必要だ。例えば、ある回路を分割して解析した場合、オンライン設計ツールはある動作条件におけるICの公称出力電圧雑音値をそのまま出力するだけという可能性がある。
 もしここで、動的な出力インピーダンスを求められれば、回路の分割位置が妥当であるかを判断するのに役立つはずである。仮にオンライン設計ツール上で出力インピーダンスを計算できたとしても、その結果をユーザーが取り出すのは出力電圧雑音のように簡単ではないだろう。従ってユーザーは、回路の分割点においてどういった設計情報が重要になるかを判断し、さらにオンライン設計ツールからその情報を引き出せるかどうか、引き出すにはどうすればよいかを判断する必要がある。
 第2に、簡単なビヘイビア・モデルの記述方法を習得することである。オンライン設計ツールを使ってICの動作と特性を理解し、それをビヘイビア・モデルとして記述する。このビヘイビア・モデルを使えばオンライン設計ツールとユーザーの設計環境を橋渡しできる。さらに、回路設計で頻繁に使用するICの情報を、同じ設計チームの技術者で共有できるという利点もある。
 記述したビヘイビア・モデルで十分に機能していたとしても、さらなる検証を行った方がよい。採用実績のあるアナログ・デジタル混在ICを別の設計に使う際には、そのICを搭載した製品の製造テスト・データを調べることを勧める。ICに関する理解を深められるはずである。回路動作に対する理解を深めたり、回路を表現するのに用いたビヘイビア・モデルを改良したりできるはずだ。こうした作業をしておくと、同種のICを新規設計に採用する際にとても役立つであろう。

特定用途向けにICを選定

 アナログICやアナログ・デジタル混在ICを供給している大手半導体ベンダーの多くは何らかのオンライン設計ツールを提供している。こうしたベンダーは、ICユーザーのニーズに応えるためにオンライン設計ツール開発部隊を社内に抱えている。
 筆者がオンライン設計ツールを個別にレビューしても、ツールに対するニーズや評価基準が実際のツール・ユーザーと一致していなければほとんど意味がない。EDN Japanにはさまざまな読者がおり、興味の範囲は広い。ニーズや評価基準を一致させることはかなり難しい。そこで、その難題に挑戦する代わりに今回は、オンライン設計ツール開発に戦略的に取り組んでいる半導体ベンダーのウエブ・サイトをいくつか紹介しておく。紹介順は企業名のアルファベット順とした。
 米アナログ・デバイセズ社*は、多様なオンライン設計ツールを提供している。オンライン設計ツールへのリンクをまとめたポータル・ページ「Virtual Design Center*」を用意している。このウエブ・サイトでは、アンプICやD-A変換器IC、A-D変換器ICといった部品を、各ICのパラメーターを検索キーにして手早く探し出せる。設計を始める際に役立つ機能である。このほか、従来は紙ベースの資料として配布していた部品選択ガイドのオンライン版にもアクセス可能である。さらに、ほかの半導体ベンダー製品との互換性を確認したり、サンプル品を発注したりできる。こういった機能は同社だけでなく、ほとんどの半導体ベンダーのウエブ・サイトが備えている。
 特定用途に向けたオンライン設計ツールもある。特定用途の信号処理に必要な機能ブロック群を組み合わせたブロック・ダイヤグラムを表示しておき、それぞれの機能ブロックから、その機能を実現するICの製品情報へリンクを張ったものである。「シグナル・チェーン」と呼び、同社のほかにも数社が提供している。同社の場合は、次の用途に向けたシグナル・チェーンを用意している。すなわちオーディオや通信/ネットワーク、コンピューター、動画像処理、工業機器、計測、医療機器、軍事システムなどである。
 シグナル・チェーンは、同社がICとして提供する機能をクリック可能なアイコンとして表示する。アイコンをクリックすると部品選択ガイドが起動する。こうしたシグナル・チェーンは、半導体ベンダーが提供する数多くのICの中から、ユーザーのアプリケーションに最適なものを探し出すために有効な手段であるといえる。さらにウイザード形式の設計ツールや、設計アシスタント機能、対話型チュートリアルなども用意している(図1)。そのほとんどはジャバ(Java)言語で記述したソフトウエア・ツールである。
 同社のオンライン設計ツールに限ったことではないが、現在のところ一般に、オンライン設計ツールが対応しているウエブ・ブラウザーは米マイクロソフト社の「インターネット・エクスプローラー」であることが多い。つまり、インターネット・エクスプローラー以外のウエブ・ブラウザー上では、オンライン設計ツールの動作が保証されない。これは、設計環境として「ユニックス(Unix)」や「リナックス(Linux)」を採用しているユーザーや、ウインドウズ環境を採用していてもインターネット・エクスプローラー以外のウエブ・ブラウザーを使っているユーザーにとっては厄介な問題である。
 アナログ・デバイセズ社の設計ウイザード、アシスタント、対話型チュートリアルがカバーしている範囲は広い。アンチエイリアス・フィルターやフォトダイオードの信号コンディショニング、データ・コンバーターの高調波イメージ信号、オペアンプの安定性などである。このほか同社のウエブ・サイトは、計装用アンプICの利得や同相モード電圧範囲、誤差許容値などを計算するツールを用意している。さらにダイレクト・デジタル・シンセサイザー(直接デジタル波形合成)ICから加速度センサーICにわたる広範囲なICについて、これらのICを採用した回路の実現に向けた設計支援ツールを提供している。
 同社が設計情報や設計支援ツールをアプリケーションごとに提供しているのか、製品ごとに提供しているのかは、はっきりしない。現状では、混在しているようだ。また、ウイザードやアシスタント、対話型チュートリアルという用語をどのように使い分けているのかもはっきりしない。ネーミングの方法については、半導体ベンダーによって方言的な違いが生じるのは仕方ないだろう。しかし、半導体ベンダーごとに独特な呼び方がはんらんすることはあまり歓迎できない。混乱を起こす可能性があり、ユーザーを迷わせることになるからだ。
 同社は、ウエブ・サイトで数多くのオンライン設計ツールを提供している。ただし、ユーザーが必要とするツールに短時間で到達できるように工夫している。このため、ウエブ・サイトの構成方法や用語の統一についてはそれほど大きな問題を感じない。
 同社はこのほか、DSP製品に向けた開発ツールとコード例、Saber*モデル、Spiceモデル、FAQ*リスト、パッケージ情報などをウエブ・サイト上で提供している。なお、従来の紙ベース資料として、アプリケーション・ガイドやアプリケーション・ノート、マニュアル、技術解説記事にもアクセス可能である。

電源設計向けオンライン・ツール


 米フェアチャイルドセミコンダクター社*は近年、電源分野にフォーカスしている。このためウエブ・サイトでは、パワーICと個別半導体素子ファミリーについて設計ツールや設計情報を提供している。部品選択ガイドは特定の用途ごとに用意した。具体的にはコンピューターと民生機器、産業機器、超小型携帯機器に分類してある。部品選択ガイドからアクセス可能な製品は、パワーICのほかアナログIC、アナログ・デジタル混在IC、インターフェースIC、標準論理IC、光半導体素子などがある。
 同社がインターネット経由で提供しているEDAツールの1つに、MOSFETのスイッチング損失を計算できるツールがある。スイッチング電源設計ツールの「FPS Designer Software*」だ(図2)。このツールはユーザーのパソコンにダウンロードした状態で動作する。すなわちオフラインで使うツールである。ウインドウズ環境で動作する。このツールに付属するアプリケーション・ノートは特筆すべきであろう。非常に広い範囲を扱っているからである。例えば、トランスの設計に必要な計算について段階を追った詳しい説明が付いている。
 同社のオンライン設計ツールの中で最もよく知られているのは、おそらくMOSFETシミュレーション・ツールの「FETBench*」であろう。このツールの開発元は米トランシム社*である。FETBenchは、ユーザーが設定した動作条件におけるMOSFETの静特性を表示するツールである。フェアチャイルド社の部品データベースに直結している。このほか、回路トポロジーを選択し、動作条件を設定することで適切なMOSFETを選定できる機能も備えている。回路トポロジーとしては同期整流型の降圧/昇圧コンバーターや、単方向/双方向のロード・スイッチなどを選択可能だ。さらに、熱シミュレーション機能も用意してある。
 米インターナショナル レクティファイアー社*は、単相およびマルチ・フェーズ(多相)の同期整流型DC-DCコンバーターに向けた設計ツール「iPOWIR sync buck simulation tool*」を提供している(図3)。同社が販売する降圧型DC-DCコンバーター・モジュール「iP1001」と「iP2001」に向けた。
 このオンライン設計ツールは、定常状態やステップ入力、ステップ負荷における電源出力を解析できる。同社は、熱特性の情報に加えて基板レイアウトにおける熱問題をいかにして扱うかを説明したアプリケーション・ノートを用意している。単相から4相設計までのガーバー・データのサンプルをダウンロード可能である。機械系CADツールに直接読み込めるファイル・フォーマットのほか、PDFファイル形式でも用意した。このほかパワーMOSFETを選択する画面には対話型のユーザー・インターフェースを採用した。同期整流の降圧型コンバーターに適した制御用MOSFETおよび同期整流用MOSFETを選択する際に役立つ。
 米リニアテクノロジー社の提供するソフトウエア・ツール群は、すべてユーザーのコンピューターにダウンロードして使える。このため厳密には、オンライン設計ツールではない。同社のウエブ・サイトから入手できるソフトウエア・ツールには、前出の「LTspice/ SwitcherCAD V」がある(図4)。スイッチング・レギュレーターの解析に向けて機能を最適化したSpiceシミュレーターである。同社のスイッチング・レギュレーターICの80%をマクロ・モデルとして用意している。さらに、200品種に及ぶオペアンプICのマクロ・モデルのほか、MOSFETやバイポーラ・トランジスタ、受動部品などのマクロ・モデルも付属する。
 またA-D変換器ICやD-A変換器IC、LED駆動IC、PoEコントローラーIC*3)などの性能評価に向けた評価キット「QuickEval System」用ソフトウエア・ツールも同社のウエブ・サイトから入手できる。これには、USBインターフェースを備えた評価ボード群に向けたドライバー・ソフトウエアおよび制御ソフトウエアが含まれている。
 同社はまた、アナログ・フィルター設計ツール「FilterCAD*」も提供している。低域通過フィルターや高域通過フィルター、帯域通過フィルター、ノッチ・フィルターの設計に使える。フィルターの応答特性はバターワース型やベッセル型、チェビシェフ型、だ円型などを選択できる。さらに、応答特性をユーザーが独自にカスタマイズすることも可能である。
 米ナショナル セミコンダクター社*の電源回路設計ツール「WEBENCH*」は数年前に投入された(図5)。フェアチャイルド社のFETBenchと同じく、トランシム社が開発を手がけた。WEBENCHは現在、電源回路および無線通信用アプリケーションに向けた設計ツール・セットに進化を遂げている。すなわち、WEBENCHのツール群に従来の電源回路設計ツールに加えて、PLLシンセサイザー回路設計ツール「EasyPLL」とアンプ回路設計ツール「Amplifiers Made Simple」を追加した。
 このほか同社のウエブ・サイトには、特定用途の信号処理に向けたシグナル・チェーンが32個用意されている。民生機器や産業機器、医療機器、ディスプレイ、自動車、無線通信、ブロードバンド通信機器に向けて機能ブロック・ダイヤグラムを提供している。アナログ・デバイセズ社のシグナル・チェーンと同様に、機能ブロックから部品選択画面に直接アクセスできる。
 同社のシグナル・チェーンはかなり豊富な機能を備えている。各機能ブロックでは、対応するICの仕様表に記載されたほぼすべてのパラメーターを部品検索のキーに指定できる。検索した部品をパラメーターやパッケージ、部品価格に基づいて並べ替える機能を備えた。さらに部品選択画面は、部品表(BOM*)生成ツールにリンクしている。
 この部品表生成ツールには同社のICを取り扱っている大手ディストリビューターの在庫情報が組み込まれている。このため特定用途に向けたシグナル・チェーンに対応するICを選択し、選択したICを使った回路動作をシミュレーションし、さらに部品サンプルをインターネット経由で発注できる。同社によれば、発注した部品サンプルは、ほとんどの場合24時間以内に出荷されるという。

ポイント・ツールも入手可能

 米テキサス・インスツルメンツ社*は「Filter Pro*」と呼ぶフィルター設計ツールと、フィルター設計に関するアプリケーション・ノートを提供している。ベッセル型またはバターワース型、チェビシェフ型の応答特性を備えた多重帰還型フィルターやサレン・キー型フィルター回路の設計に利用できる。
 同社はまた、シングルエンド・オペアンプ回路や差動アンプ回路の特性を計算するためのツール群も用意している。ほとんどがジャバ言語で記述したものだ。同社はこのほか計装用アンプ設計に向けて、デシベル値を計算するツールやオペアンプにおける雑音と有効ビット数を変換するツール、同相モード電圧範囲を計算するツールなどのポイント・ツールを数多く提供している。
 電源回路設計ツールも用意した。同社の同期整流コントローラーIC「SWIFT」に向けた「SWIFT Designer*」である。ユーザーのパソコンにダウンロードして使う、オフライン設計ツールである。同社のウエブ・サイトから無償で入手できる。コンバーター回路の回路図を表示して、その回路に対してユーザーが入力電圧範囲や出力電圧、出力電流、リップル、位相余裕、利得余裕などの動作パラメーターを設定する。さらに同期整流コントローラーICに外付けする部品の定数を計算するとともに、部品データベースにアクセスすることも可能である。
 最後に、半導体ICベンダーが提供する設計ツールの例ではないが、米ベージュ・バッグ・ソフトウエア社*のアナログ・デジタル混在回路シミュレーター「B2Spice」を紹介しておく。B2Spiceは、回路図入力機能と回路シミュレーション機能を備えたSpiceベースのツールである。動作環境はウインドウズまたはマッキントッシュ。ノート・パソコンでも動作スピードにストレスを感じない。このため、職場で大規模なEDAシステムを利用できるユーザーでも利用価値がある。つまり、旅行中や自宅で作業したり、思い付いた回路のアイデアを試してみたりするのに最適である。
 B2Spiceのバージョン「A/D V4 Pro」には、回路図入力機能のほか、かなり融通の利くグラフ機能を搭載した17種類のシミュレーション機能、回路図データをプリント基板CADに出力する機能、ネットリスト生成機能、2万5000個のデジタル/アナログ部品モデル、任意のパラメーターで特性を指定できる回路を作成する機能などを備えた。回路規模が極端に大きくならない限り、回路シミュレーターとして解析能力は十分である。価格は300米ドル。回路シミュレーターに初めて取り組むユーザーの入門用としてお薦めする。

用語解説 / 会社情報
*1)参考文献
Mind of the Engineer W, EDN/Reed Research Group, 2003.
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【ASSP】
application specific standard product
特定分野を対象にした標準LSI製品。
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【Spice】
simulation program with integrated circuit emphasis
アナログ回路シミュレーター。米カリフォルニア大学バークレー校で1970年代に開発された。
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【EDA】
electronic design automation
電子回路の設計自動化
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【URL】
uniform resource locator
インターネット上にある情報の位置を示すための記述。
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【ランタイム】
run-time
アプリケーション・ソフトウエアの実行に必要なソフトウエア部品(モジュール)。
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【GUI】
graphical user interface
コンピューター機器のユーザー向けインターフェースにおいて、グラフィカルに構成されたものを指す。
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【米リニアテクノロジー社】
Linear Technology Corp.
米国のアナログ半導体メーカー。ホームページはhttp://www.linear.com/。日本法人はリニアテクノロジー。日本語ホームページはhttp://www.linear-tech.co.jp/
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【LTspice/SwitcherCADV】
リニアテクノロジー社が提供する、電源回路向けシミュレーター。日本法人であるリニアテクノロジーのホームページから入手できる。アドレスは下記の通り。
http://www.linear-tech.co.jp/software/
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【米アナログ・デバイセズ社】
Analog Devices, Inc.
米国の大手半導体メーカー。アナログICやDSPなどを手がける。ホームページはhttp://www.analog.com/。日本法人はアナログ・デバイセズ。同社ホームページはhttp://www.analog.co.jp/
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【Virtual Design Center】
米アナログ・デバイセズ社のウエブ・サイト内に用意したポータル・ページ。オンライン設計ツールへのリンクが張られている。下記アドレスからアクセスできる。
http://www.analog.com/Analog_Root/static/techsupport/virtualDesign/virtual_design2.html
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【Saber】
アナログ/デジタル混在回路の解析に向けた回路シミュレーター。大手EDAツール・ベンダーである米シノプシス社(Synopsys, Inc.)の製品である。
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【FAQ】
frequently asked questions
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【米フェアチャイルドセミコンダクター社】
Fairchild Semiconductor International
パワーICなどを手がける米国の半導体メーカー。ホームページは、http://www.fairchildsemi.com/。日本法人はフェアチャイルドセミコンダクタージャパン。ホームページはhttp://www.fairchildsemi.com/jp/
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【FPS Designer Software】
フェアチャイルドセミコンダクター社のウエブ・サイトから入手可能。アドレスは以下の通り。http://www.fairchildsemi.com/design_tools/
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【FETBench】
使用時にはユーザー登録が必要。アドレスは下記の通り。
http://www.fetbench.com/
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【米トランシム社】
オンライン設計ツールなどの開発を手がける米国のソフトウエア・ベンダー。ホームページ・アドレスはhttp://www.transim.com/
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【米インターナショナル レクティファイアー社】
International Rectifier Corp.
米国のパワー半導体メーカー。ホームページはhttp://www.irf.com/。日本法人はインターナショナル レクティファイアー ジャパン。ホームページはhttp://www.irf-japan.com/
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【iPOWIR sync buck simulation tool】
使用する際には、下記アドレスよりユーザー登録をする必要がある。
http://www.irf.com/design-center/ipowir/ip2001/
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*3)参考文献
ジョシュア・イズラエルソン、「立ち上がるPoE、コントローラーICが出そろう」、EDN Japan、2004年1月号、no.35、p.57
http://www.ednjapan.com/content/issue/2004/01/feature/feature02.html
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【FilterCAD】
リニアテクノロジーの日本語アプリケーション・ノートを参照されたい。下記アドレスからダウンロードできる。
http://www.linear-tech.co.jp/design_note/jp_pdf/jdn245.pdf
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【米ナショナル セミコンダクター社】
National Semiconductor Corp.
米国の大手半導体メーカー。ホームページはhttp://www.national.com/。日本法人はナショナル セミコンダクター ジャパン。ホームページはhttp://www.national.com/JPN/
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【WEBENCH】
ナショナル セミコンダクター社の電源回路設計ツール。日本語のチュートリアルが用意されている。アドレスはhttp://www.national.com/JPN/appinfo/power/webench/
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【BOM】
bill of material
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【米テキサス・インスツルメンツ社】
Texas Instruments Inc.
米国の大手半導体メーカー。ホームページはhttp://www.ti.com/。日本法人は日本テキサス・インスツルメンツ。日本語ホームページはhttp://www.tij.co.jp/
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【FilterPro】
テキサス・インスツルメンツ社のフィルター設計ツール。下記アドレスから入手できる。http://www-s.ti.com/sc/techzip/slvc003.zip
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【SWIFT Designer】
テキサス・インスツルメンツ社の電源回路設計ツール。下記アドレスから入手できる。
http://www.tij.co.jp/jsc/docs/msp/analog/recommend/power_swift.html
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【米ベージュ・バッグ・ソフトウエア社】
電子回路シミュレーターを手がける米国のEDAツール・ベンダー。ホームページはhttp://www.beigebag.com/
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