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designideas
2004年1月号
高品質の三角波を微小電力で生成する回路

グレン・ブリスボア 米リニアテクノロジー社
Glen Brisebois Linear Technology Corp.
 理想的な三角波は、正弦波の基本波と、その整数倍の高調波を無限に足し合わせたものだ。三角波の周波数成分は非常に広い周波数範囲に分布する。従って、理想的な三角波に近い波形を生成する回路は広い帯域幅を必要とする。ところが一般に、微小電力で動作する回路は帯域幅がかなり狭い。そのため、理想的な三角波に近い波形を生成することが難しい。
 図1に、三角波を生成する回路例を2つ示す。図1(a)は1つの比較器で構成した弛張発振器(relaxation-oscillator)を利用している。抵抗とコンデンサーによる時定数の指数関数で三角波を近似する。図1(b)は比較器に積分器を組み合わせた回路である。こうすれば、図1(a)に比べて三角波の直線性を高められる。
 2つの回路はいずれも、比較器の出力を入力側にフィードバックすることで、比較器にヒステリシス成分を持たせている。例えば図1(b)では、比較器の出力信号をR3とC1、オペアンプからなるRC積分器を介してフィードバックする。この結果、RC積分器の出力として三角波を取り出せる。三角波の傾きはR3とC1の値によって設定可能だ。
 これらの回路はロバスト性が高いため、さまざまな用途で使われている。しかし問題もある。この問題は、比較的高い周波数の三角波をごく小さい消費電力で生成したい場合に発生する。通常、微小電力動作のオペアンプではこの要求に応えられない。比較器の出力論理値が反転するたびに、2つのフィードバック経路を通って、オペアンプの出力に瞬間的に大きな電流が出入りするからだ。
 オペアンプが供給できる電流が、この瞬間的な電流よりも大きければ問題ない。しかし実際には、オペアンプは十分な電流を供給できない。その結果、出力波形に大きなグリッチ雑音が乗ってしまう。波形は無残な形になってしまうだろう。波形をある程度改善することはできる。RC積分器の抵抗値を大きくし、コンデンサーの静電容量を小さくすればよい。ただし、この改善方法は根本的な解決にはならない。回路は雑音が増加し、さらに干渉の影響を受けやすくなってしまう。
 この問題を解決できる簡単で安価な方法を紹介しよう。CMOSインバーターから瞬間的な電流を供給する方法だ(図2)。オペアンプは高精度の線形電流を供給する役割だけを担う。
 この回路は、オペアンプを使って瞬間的な電流を供給する点を除けば、図1(b)とまったく同じである。ただし、オペアンプの出力電流の極性は、三角波の頂点でも急激に変化しない。この方法を使えば、消費電力を増加させずに波形を改善できる。この回路への供給電流は動作周波数が280Hzのときに6.2μAで済む。

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