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designideas
2003年12月号
PICマイコンでピンク雑音を発生させる回路

ピーター・ギュトラー 独APSソフトウエア・エンジニアリング社
Peter Guettler APS Software Engineering GmbH
 オーディオ周波数帯で安定なピンク雑音*を発生する回路を少ない部品点数で実現する手法を紹介する。図1は、線形帰還シフト・レジスター(LFSR*)を使って発生させた疑似ランダム雑音を利用してピンク雑音を得る回路である。米マイクロチップ・テクノロジー社のPICマイコン「PIC12C508」(IC2、IC3)を使って線形帰還シフト・レジスターを実現した。PICマイコンを簡単なプログラムで制御すれば、出力端子GP0から疑似ランダム雑音を出力できる。
 簡単な用途には、1つのPICマイコンで十分だ。ガウス分布の雑音が必要な用途には、複数個のPICマイコンを並列に接続すればよい。これは中心極限定理*の応用である。すなわち無限個の雑音源の和は、各雑音源の雑音分布にかかわらず常にガウス分布になることを利用する。現実には無限個の雑音源は用意できない。しかし、ほとんどの場合、10〜16個の雑音源を使えば十分である。PICマイコン・ファミリーの中でプログラム容量が最も小さい品種は、価格が低く消費電流も小さい。このため複数個のPICマイコンを使う回路を実現しやすい。
 同じプログラム*1)ですべてのPICマイコンを制御する。各PICマイコンのシフト・レジスターの初期値も同じでよい。各PICマイコンはそれぞれの内部発振器で動作し、リセットから動作開始までの時間が異なるからだ。オペアンプIC1Aは加算器として機能する。各PICマイコンからの雑音信号出力を加算するとともに、出力の電圧レベルに直流オフセットを加える。抵抗R1とR2の抵抗値nRは、雑音源であるPICマイコンの使用数に10kΩを乗じた値を選ぶ。
 ピンク雑音を得るには、IC1Aの出力信号を減衰特性がオクターブ当たり−3 dBのフィルターに入力する。オペアンプIC1Bはバッファーとして機能する。すなわちフィルターと外部出力のVOUTをデカプリングする。さらにこの回路の出力を低インピーダンスにする機能もある。VOUTの電圧振幅は約400mVppである。スイッチS1を閉じるか、PICマイコンのGP4端子の論理値を低レベルに設定すれば、雑音信号の出力が停止する。このときVOUTは直前の電圧振幅を保持する。

用語解説 / 会社情報
【ピンク雑音】
pink noise
振幅が周波数の逆数(1/f)に比例して小さくなる雑音。
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【LFSR】
linear feedback shift regi-ster
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【中心極限定理】
central limit theorem
互いに独立した複数個の確率変数を考える。このとき確率変数の個数が無限に近づくにしたがって、確率変数を合計した値の分布がガウス分布に近づくという定理。
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*1)
プログラムのソース・コードは米EDN誌のホームページで入手できる。アドレスはhttp://www.reed-electronics.com/ednmag/contents/images/di3227.txt
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「design ideas」への寄稿のお願い
米国EDN誌の日本語版「EDN Japan」は、米EDN誌と同様に「電子技術者の仕事に役立つ」誌面作りをモットーに掲げ、米EDN誌で注目を集めた記事の翻訳のほか、日本国内で独自に取材し執筆した記事を掲載して行く予定です。
弊誌「EDN Japan」では、「design ideas」と呼ぶ1ページ前後のコラムを毎号6ページ〜8ページ掲載しています。これは、米EDN誌の「名物コラム」で、電子回路設計などの現場で働く電子技術者の皆様からのご寄稿により成り立っています。そこで半導体メーカーや電子機器メーカーの電子技術者のほか、大学などの研究者、一般の方(コンサルタント業務に携わる方など)の皆様からの「design ideas」へのご寄稿を募集します。
【記事内容】
電気/電子回路の新たな提案とその説明。
半導体製品に組み込まれた新たな回路の紹介。
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半導体/電子回路の性能を引き出す、あるいは部品の弱点を補う回路の提案。など。
上記以外のテーマについては、別途ご相談ください。
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