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designideas
2003年12月号
高速で高精度のLED駆動回路

リチャード・カペルス 米アリゾナ州在住
Richard Cappels  
 濁度/濃度測定*といった用途では、光強度が安定したパルス光源が必要だ。図1は、生物学実験において網膜神経細胞に光を当てる用途に向けたLED駆動回路である。
 LEDは供給電流が一定ならば、安定した光強度が得られる。このため濁度/濃度測定の用途には、安定な電流をスイッチングすることでパルス光を得る方法が適している。図1の回路で得られるLED駆動用パルス電流は、立ち上がり/降下時間ともに500ns以下と短く、オーバーシュートは7%以下と小さい。ポテンショメーターをD-A変換器で置き換えれば、電流値をプログラムできる。
 回路は3つのブロックで構成した。1つは電流値を変えられる安定化電流源(IC1とQ2で構成)。2つ目は、オーバードライブをかけた差動増幅器(Q3とQ4で構成)である。スイッチとして機能する。3つ目はレベル・シフター(Q1)である。TTLレベルの入力信号を、差動ペアの駆動に必要なレベルに変換する役目を果たす。
 R6の接触子電圧は、オペアンプのフィードバック回路があるため、R9の端子電圧と等しい値になる。トランジスタQ2は電流増幅率(α)が高い。従って、R9に流れ込むエミッタ電流の大部分はQ2のコレクタ電流が占めることになる。一般に電流増幅率は温度変化がほとんどない。このためQ2のコレクタ電流は常に安定している。
 トランジスタQ3とQ4は差動ペアを構成する。どちらかのトランジスタが導通状態になると、Q2のコレクタへの電流供給が始まる。Q3のベース電圧がQ4のベース電圧よりも数100mV高くなると、Q2からの電流はQ3の5V電源に分路(シャント)される。Q4には電流は流れない。このためLEDはオフになる。一方、Q3のベース電圧がQ4のベース電圧よりも低くなると、Q2からの電流はLEDを介して流れるようになる。
 Q3とQ4のベース端子間には大きな差動電圧がかかる。このため「1」か「0」かのスイッチング動作が得られる。Q2と同様にQ4の電流増幅率は高い。このためQ4が導通している際のコレクタ電流は、エミッタ電流の占める割合が高い。しかも安定している。Q3とQ4のエミッタ端子によって、電流源には常に一定の負荷が加わる。このため電流源は連続して動作することが可能だ。従って、帯域幅が狭いオペアンプが使える。
 Q1は共通ベースの増幅器である。1000pFのコンデンサーがベース抵抗R4と並列に接続されている以外は、基本的なTTL入力段と同じ方式で接続してある。入力信号が2Vを超えるとQ1のベース電圧は2.5Vになり、Q1のコレクタ電圧が十分に高くなってもQ4とLEDに電流が流れないようにする。入力信号が0.4Vよりも低くなると、Q1にエミッタ電圧は十分に低くなり、R4に流れるベース電流が十分に大きくなることでQ1が飽和する。この動作によって、Q3のベース電圧は十分に低い値に保持される。従ってQ2のコレクタ電流がすべて、Q4とLEDに流れ込む。入力信号が再び増加すると、C3に蓄えられたエネルギーによってQ1のエミッタ・ベース接合部に逆バイアスがかかり、蓄積された電荷は急速に空乏化する。この結果、短時間のターン・オフ動作が可能になる。ただし、Q4の定格電力を超えないように注意する必要がある。電流とコレクタ・エミッタ間電圧を考慮しなければならない。
 トランジスタにはTO-92封止品を、LEDには動作電流が50mAのときの電圧降下が2Vの品種を使う。R12の代わりにジャンパー線を使えば、55℃以上の温度でも動作する。高いLED駆動電流が必要な場合やトランジスタに小型パッケージ封止品を使いたい場合は、R12に有限値の抵抗を使うことで、Q4の消費電力を安全なレベルまで下げる必要がある。

用語解説 / 会社情報
【濁度/濃度測定】
turbidity measurement and densitometry
網膜神経細胞などの測定物に光を走査しながら照射し、反射光や透過光を測定することで濁度/濃度を求める方法。
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