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designideas
2003年12月号
CCD駆動ICの遅延誤差を除去する帰還回路

マイク・ウォン 米インターシル社
Mike Wong Intersil Corp.
 CCD(電荷結合素子)では、光が当たることで発生した電荷を、パケットにまとめてトランジスタ・アレイ上をシフトさせることで信号として取り出す。このトランジスタ・アレイは「バケツ・リレー・シフト・レジスター」とも呼ばれ、2相のクロック信号で駆動する。位相が互いに180度異なる同期クロック信号である。ただしCCDのトランジスタは多数並んでおり、さらにゲートの容量が大きい。このためロジック・レベルの信号では駆動できない。そこで駆動電流のピーク値が高いCCD駆動ICを使う。CCD駆動ICでロジック・レベルのクロック信号を一度保持し、その後に高電圧で高ピーク電流の信号に変換する。
 しかしCCD駆動ICのnチャンネルとpチャンネルのFETには、スイッチング速度のミスマッチ(不整合)がある。このためターン・オン時とターン・オフ時の遅延時間がいずれも一致しないという問題がある。その例を図1に示す。米インターシル社*の「EL7212」を使った場合の結果である。図1には2つの信号が同時にオンになっている期間がある。これはターン・オン時とターン・オフ時の遅延ミスマッチによるものだ。 
 遅延ミスマッチは、クロック周波数と分解能がいずれも低いシステムでは問題にならない。クロック信号の周期に対する遅延ミスマッチの割合が小さいからだ。しかしCCDの走査速度が高まるにしたがい、クロック信号周期に対する遅延ミスマッチの割合が増大する。このためCCD駆動ICの遅延ミスマッチを補正しなければならない。
 図2は増幅器を使って遅延ミスマッチを検出し、それを補正する回路である。VOUTは位相が180度異なるため、ターン・オン時とターン・オフ時の遅延時間が完全に一致したと仮定すれば、R4とR7、C2の接続点の電圧は1/2VCCになる。増幅器IC2AとIC2BはC2の電圧を基準電圧(1/2VCC)と比較し、R3とR6の間の電圧を調整する。IC2Aは位相を反転させる増幅器、IC2Bは直流利得が高い誤差増幅器として機能する。誤差増幅器の出力はR3とR6を駆動する。この結果、2つのクロック信号のオフセット電圧がシフトする。オフセット電圧がシフトすると、CCD駆動ICのトリガー信号も同時にシフトする。
 すなわちIC2AとIC2Bは、適切なオフセット電圧を入力クロック信号に送り、遅延ミスマッチを打ち消すように機能する(図3)。D1とD2は入力クロック信号を整流し、IC2AとIC2Bに電源電圧を供給する。クロック信号が入力されていないときは、増幅器への電力は遮断され、誤差補正ループの動作は停止する。こうして出力の発振を防ぐ。

用語解説 / 会社情報
【CCD】
charge coupled device
電荷結合素子
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【米インターシル社】
Intersil Corp.
米国のアナログ半導体メーカー。本文中の「EL7212」はインターシル社が2002年3月に買収した米エランテック・セミコンダクター(Elantec Semiconductor)社の製品。インターシル社のホームページは、http://www.intersil.com
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