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2003年8月号
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降圧型ICで電池電圧を昇圧して白色LEDを駆動
| ロバート・コールマン |
米テキサス・インスツルメンツ社 |
| Robert Kollman |
Texas Instruments Inc. |
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かつては白熱電球が使われていた市場で、白色LED*が使われつつある。白色LEDの魅力は信頼性が高く、頑丈なことだ。さらに電流の引き込みで制御できることも魅力の1つである。
白色LEDの新たな用途の1つにフラッシュ・ライトがある。白熱電球を使う場合は、単にスイッチをオン、オフするだけで実現できる。しかし白色LEDは、多くのフラッシュ・ライトで使われている2セルの電池では直接駆動できない。電池電圧が1.8〜3Vであるのに対して、白色LEDの駆動には2.8〜4.0Vを必要とするためである。さらにLEDの光出力は電流に依存し、特性は電圧に対して非線形に変化する、という問題がある。このため白色LEDの駆動はさらに複雑になる。
これらの問題を解決する手法の1つに、供給電流を制限しながら電源電圧を昇圧する方法がある。もちろん、LEDの駆動に向けたデバイスが製品化されている。しかし、こうしたデバイスでは電流定格が低すぎる。フラッシュ・ライトには、1〜5Wと高い電力が必要だからだ。
図1は、一般的な昇圧型レギュレーターを使う場合の代替案となる回路だ。IC1は降圧型DC-DCコンバーターICである。このICで白色LEDの駆動に使う高電圧を作る。
出力電流はL端子から供給する。この回路は、ハイサイド・スイッチがオンに変わると動作が始まり、まずはL端子と電池(負側)がインダクターL1を介して接続される。インダクターL1に十分なエネルギーが貯まると、ハイサイド・スイッチはオフに変わる。インダクター電流はスイッチング・ノードを負に駆動する。インダクターに貯まったエネルギーはローサイド・スイッチを通って出力コンデンサーC1に移る。このときスイッチ素子は、無損失のスイッチング動作を行う。さらにハイサイドとローサイドのスイッチはMOSFETであるため、電圧降下はダイオードを使う場合よりも少ない。従って効率は高くなる。
降圧型DC-DCコンバーターICは、電流検出抵抗を使ってLEDに流れる電流を監視する。その後、IC内部の基準電圧(0.45V)と比較することで、出力電圧を安定化する制御を行う。LED電流、すなわちLEDの輝度は、電流検出抵抗における電圧の関数になるからだ。このICの基準電圧は、ほかのICに比べて低い。このため電力損失が大きくなる原因となる。例えば、LED電圧が2.8Vから4.0Vに増えると、効率の劣化幅は10%から14%に増加してしまう。このため電流検出抵抗の値を下げ、同時に増幅器を用いることで、低い電圧でLED電流を検出できるようにすれば損失を減らせるだろう。
図2は、LED電流が350mAの場合の変換効率を示す。電池の端子電圧が通常の範囲であれば変換効率は80%以上を確保できる。しかし電池のエネルギー残量が少なくなり、端子電圧が下がるにしたがい変換効率も低下する。さらに図2は、抵抗を使った電流検出の影響も示している。電流検出を行わない方が変換効率は高い。入力電圧が高いと変換効率は95%に達する。ただし入力電圧が低いと約80%まで落ちてしまう。
こうした特性になる理由は2つある。1つは入力電圧が高いと入力電流、すなわちスイッチ電流が低くなることだ。このため導電損失やスイッチング損失が低くなる。2つ目は、昇圧段ですべての出力電圧を扱うわけではないことだ。昇圧段で扱う電力量は昇圧電圧、すなわち入力電圧とLED電圧の差で決まる。今回の設計では、LED電圧は約3.7Vに設定した。従って、入力電圧が3.2Vと高い場合は、昇圧段は全出力電力の13%((3.7−3.2)/3.7)×100)しか扱わない。入力電圧が低くなると、入力電流が非常に大きくなる。この結果、昇圧段で扱う電力量が増える。3.2V入力の場合の約4倍に当たる50%を扱うようになる。今回の用途に対して、降圧型DC-DCコンバーターICを使う方法は、最も一般的な選択というわけではない。しかし広い入力電圧範囲に渡って、低コストと低入力電圧動作、高効率を実現できる。
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| 用語解説 / 会社情報 |
【LED】
light emitting diode
発光ダイオード |
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