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2003年4月号
高分解能
デジタル・オーディオ技術を
総ざらい


 コンパクト・ディスク(CD)を超える音質で記録・再生できる高分解能デジタル・オーディオ技術が数多く登場している。デジタル・データは媒体を選ばない。光ディスクや磁気テープだけでなく、パソコンのハード・ディスク装置も重要な記録メディアとなった。インターネットを伝送媒体とする技術もある。既存の業務用と家庭用のオーディオ装置だけでなく、パソコンのオーディオ・サブシステムにも入り込んできた。

ブライアン・ディパート 
Brian Dipert
 最新デジタル・オーディオ技術の優位性は、半導体メーカーやソフトウエア・ベンダー、技術開発企業、機器メーカー、レコード会社にとって明白である。しかし、一般消費者にとっての利点は分かりにくい。デジタル・オーディオのフォーマットは統一されておらず、各フォーマットには互換性がない。どの技術も、主流になれないかもしれない。
 高分解能デジタル・オーディオ技術に、オーディオ業界は期待をかけている。それはこの技術が、一般消費者の購買意欲を再びかきたててくれるという期待である。ここで高分解能デジタル・オーディオ技術とは、分解能(量子化ビット数)が16ビットを超え、48kHz以上のサンプリング周波数でオーディオ信号を記録・再生する技術を指す。その数値は魅力的には違いない。24ビットの分解能、192kHzおよび2.822MHzのサンプリング周波数といった性能なのだから。
 パソコン業界は過去、より大きな数値を良いことと言いはやして一般消費者に製品を売り込んできた。この手法によって最新かつ最高級のパソコンと、そのパソコンが内蔵する最も高価なマイクロプロセッサーを販売してきた。しかし最近なってパソコン業界が気付いたように、高価格品を必要とするアプリケーションがなければ、一般消費者は高い値段という敷居をまたごうとは思わない。
 熱心なオーディオ・ユーザーの耳と脳が、既存のオーディオCD*と高分解能オーディオの違いを十分に認識できない場合を考えてみよう。彼らは自分のCDコレクションを、高分解能オーディオのメディアに置き換えるだろうか。また、より高価でコピー保護機能付きの高分解能デジタル・オーディオ・メディアを購入するだろうか。しないだろう。
 また、彼らがすでに所有している装置で満足しているとしよう。サラウンド*を新しい機能としてオーディオ・メーカーが推奨しても、オーディオ・ユーザーはプレーヤーやレシーバー、スピーカーなどの装置を急いで購入するとは思えない。
 皮肉なことにこれらの疑問が浮上してきたのは、最初のCDプレーヤーが日本で発売されてから、記念すべき20年を迎えてわずか数カ月後のことだった。最近の業界動向からは、元気付けられるような答えはもたらされていない。

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早くも価格競争に突入

 米ワーナー・ブラザーズ社*は最近、「DVDオーディオ*」ディスクの価格をCD並みに下げる計画を発表した。同社が数年前にDVDオーディオ市場に参入すると決断したときには、こんなに早くに大幅値下げを計画するとは考えもしなかっただろう。
 DVDオーディオ・プレーヤーの価格はちょうど1年前には、1000米ドルに近かった。現在の小売り価格は150米ドルを切っている。それでもサプライヤーにとっては、DVDビデオ・プレーヤーよりはましだ。50米ドルのDVDビデオ・プレーヤーが販売店の陳列棚にあふれている。DVDビデオ・プレーヤーの価格がこんなに早く50米ドルになるとは、考えられていなかった。
 価格競争の犠牲者はDVDオーディオだけではない。SACD*(スーパーオーディオCD)のディスクとプレーヤーの価格はすぐ後ろに迫っている。SACDとDVDのハイブリッド・オーディオ・プレーヤーの価格はすでに、500米ドルを割った。
 エンド・ユーザーが受け入れられるような価格を実現することが、次期オーディオ・システムの開発では極めて重要である。機能の追加はコストの増加を招く。価格を上げてコストの増加分を回収しなければならない。可能であれば、利益を増やすのが理想である。
 高分解能デジタル・オーディオ技術の中で、商業的に最も成功しそうなのはどの技術であり、その理由は何か。商業的な成功はいつごろ起きるか。成功する用途は何か――業務用オーディオか、ハイ・エンドあるいは普及帯の家庭用オーディオか、車載用オーディオか、携帯型オーディオか。以下に詳しく述べよう。

HDCDは20ビットを主張するが

 米パシフィック・マイクロソニックス社*は、業界に広く受け入れられた高分解能オーディオ技術を最初に開発した企業だろう。その技術「HDCD*(High Density Compatible Digital)オーディオ」(その後に米マイクロソフト社がこの技術を買収した)は、業界標準であるオーディオCDとオーディオDVD技術の上に構築されている(図1)

 HDCDでは、最小量子化ビット(LSB*)を変更して制御情報を埋め込む。平均すると、オーディオ・データの5%に満たない部分の変更になる。これをHDCDの復号化器を内蔵しているプレーヤーで再生した場合、オーディオ信号のダイナミック・レンジを大きく改善するとHDCDの開発者は主張する。復号化しない場合は、変更済みのLSBはディザーと似た非相関雑音であり、実効的にオーディオ信号としては聞こえなくなる。
 HDCDが宣伝する「20ビット」を支えるのは、次の3つの処理である。まずHDCDの符号化では、16k〜22kHzにおける特性の異なる4つのアンチエイリアスFIR*(有限インパルス応答)フィルターを動的に選択している。フィルターの選択は、原音楽の性質が時間的に変化するのに応じて実行する。目的は、周波数除去と過渡応答のバランスを取ることにある。広い範囲のオーディオ特性において、音響的にできるだけニュートラルにフィルターが働くようにする。
 HDCD制御ビット(LSB)の一部は、HDCD復号化器の対応するコンフィギュラブル・フィルター・アレイを駆動する。そのほかの制御ビットの一部は、ピーク・レベルを通常の16ビット・デジタル・オーディオよりも6dB拡張する。その仕組みは基本的には符号化圧縮と復号化伸長であり、ドルビー(Dolby)などのほかの雑音抑制システムと同じである。残りの制御ビットは、ダイナミック・レンジの下限側レベルを従来のオーディオCDに比べて7.5dB拡張する。
 HDCDを宣伝する企業は、これで20ビットの分解能になると主張している。しかし、パシフィック・マイクロソニックス社の資料を読んでも、なぜそのように主張できるのか分からない。6.02dBが1ビットに相当するという換算式を適用すると、上記のピーク・レベルと下限レベルの拡張だけでは、ダイナミック・レンジは18ビットをわずかに超えるだけである。

損失のある符号化圧縮技術が主流

 DVDビデオ・フォーマットを高分解能オーディオ・データの格納用に使おうと考えたとき、「Dolby Digital(ドルビー・デジタル)*」や「DTS(デジタル・シアター・システム)*」などの損失がある圧縮方式に助けてもらう必要はないことを失念することがある。少なくとも2チャンネル、最大で6チャンネルの高分解能デジタル・オーディオ・チャンネルを、DVDビデオの最大許容オーディオ転送速度6.144Mビット/秒に詰め込める(表1)。
表1 DVDビデオにおける高分解能オーディオ・オプション
チャンネル当たりの量子化ビット数とサンプリング周波数 最大オーディオ・チャンネル数 最大チャンネル数に相当するデータ転送速度(Mビット/秒) オーディオ(最大6.144 Mビット/秒に制約されると仮定)、ビデオ、およびそのほかのデータに使える残りの帯域幅(Mビット/秒)
16ビット、96kHz 4 6.144 3.456
20ビット、48kHz 6 5.76 3.84
20ビット、96kHz 3 5.76 3.84
24ビット、48kHz 5 5.76 3.84
24ビット、96kHz 2 4.608 4.992

 しかしほとんどのDVDビデオ・ディスクはその名前の通り、映像に加えて音響を格納するために存在する。視聴者が許容可能な映像品質を確保するためには、高いビデオ・データ転送速度が欠かせない。映画会社と視聴者は、多重オーディオ・トラックのオプションがさまざまな選択を可能にすることに価値を認めている。異なる言語への対応、異なるオーディオ・フォーマットへの対応、異なる音響品質への対応といったオプションが大切なのである。このためDVDビデオでは、損失のある圧縮方式の採用が主体となっている。
 ドルビー・デジタル技術は、サンプリング周波数が48kHz、「自称20ビット」のダイナミック・レンジ、それから384k〜448kビット/秒のオーディオ・データによる5.1チャンネル(5個のフルレンジ・チャンネルと1個の低音効果用チャンネル)の再生信号で構成される*1)。
 本稿で取り上げるデジタル・オーディオ技術の多くは、本質的には損失のある、または知覚型の技術である。ドルビー・デジタルに限らず、こういった技術が自称する分解能を見直す時期にきているようだ。知覚型の符号化器は例えば、24ビットの分解能で192kHzのサンプリング周波数のデータを受け取る。対応する復号化器は24ビットで192kHzのデータ・ストリームを出力する。しかし中間に存在する圧縮ファイルがどのような情報を保存しているかは分からないのだ。
 知覚型の符号化器は、聴取者が聞き取れないと判断したオーディオ情報を廃棄している*2)*3)*4)。目標とするデータ転送速度で全体の品質を確保するために、16ビットを超えるようなダイナミック・レンジ(96dB、LSBをディザーしているときは93dB)の可能性を放棄したり、聞き取れない音域であるとの判断から48kHzを超える2オクターブ分の情報をフィルターで遮断したりする。データ転送速度の目標が厳しい場合にはこの判断は実際的であり、トレード・オフとして不適切ではない。
 DTSのコヒーレント・アコースティックス(Coherent Acoustics)と呼ぶ損失のある符号化圧縮方式は、DVDビデオにおけるドルビー・サラウンド音響技術の主な競合相手である。符号化済みデータの転送速度は1.5Mビット/秒あるいは768kビット/秒。ダイナミック・レンジは自称24ビット、サンプリング周波数は48kHzである。DTS圧縮はオーディオCDでは、1.234Mビット/秒のデータ・ストリームを生成する。ダイナミック・レンジは20ビットあるいは24ビット。サンプリング周波数は44.1kHzである。HDCDと異なり、DTSのオーディオCDは既存のオーディオCDフォーマットとは後方互換性がない。このため、DTSに対応していない復号化器だと、ランダム性のヒス雑音のようなオーディオ信号を出力してしまう。
 DTSは開発の当初から、将来の拡張を考慮して設計してあった。前世代の復号化器に対する後方互換性を備えていた。米DTS社はこの拡張性を利用して1チャンネルを追加し「DTS-ES Discrete 6.1」フォーマット*5)を実現したりしている。
 また、1オクターブ分の周波数情報を追加した「DTS 96/24」*を開発した。96はサンプリング周波数が96kHzであることを示す。DTS 96/24は48 kHz信号と96 kHz信号の差を取り、圧縮する。そして第1世代の復号化器では無視していたオプション・フィールドに差分信号を送る(図2)。DTS 96/24対応の復号化器はこのフィールドを加算し、原オーディオ信号と類似の信号を再生する。

DVDオーディオは無損失圧縮を利用

 DVDオーディオでは、必要とあらば9.6Mビット/秒のストリーミング・データのすべてをオーディオに使用できる。この高いデータ記録・再生速度を利用することによって24ビット、192kHzの非圧縮オーディオ・データを2チャンネル格納できる。ただしこの容量は、24ビット、192kHzの非圧縮データを6チャンネル分記録するには十分ではない。96kHzでもまだ記録できない。通常は6×24×96=13.8 Mビット/秒の速度を必要とする。
 この制約を回避する方法は数限りなくある。全オーディオ・チャンネルのサンプリング周波数をさらに下げたり、あるいは分解能を下げたりする。一部のチャンネルだけを下げることもできる。各チャンネルの品質が同じである必要はないからだ。主音声チャンネル(センター)、残響効果用チャンネル(サラウンド)、低音域用チャンネル(サブウーハー)などの特性に応じてデータ容量を削減できる。
 別の回避方法は、「MLP*(メリディアン・ロスレス・パッキング)」を利用することである。この名称は開発企業である英メリディアン・オーディオ社に由来する。本稿で論じているほかの高分解能オーディオ圧縮アルゴリズムと違い、MLPは損失がない*6)。多くの場合、MLPとバッファリングを組み合わせることによって24ビット、96kHzのオーディオ・データを6チャンネル分格納できるようになる(表2)。

表2 MLPを用いる理由
チャンネル数 96kHz/24ビット 96kHz/20ビット 88.2kHz/24ビット 88.2kHz/20ビット
6 DVDオーディオ・プレーヤーの読み出し転送能力9.6 Mビット/秒以内で最大再生時間74分の保証が必要なため
5.1
5
4.1 最大再生時間74分の保証が必要なため
4
圧縮比は原オーディオ信号のエントロピー特性に依存するので、比率そのものは保証されない。テストによって圧縮比を確認する必要がある。このほかMLPを利用すると、ディスク当たりの再生時間を延ばすこともできる(表3)。
表3 MLP圧縮によるDVDオーディオの平均再生時間
PCMフォーマット  チャンネル数 全再生時間(分)
96kHz、24ビット
6.0
89
同上
5.1
106
同上
5.1と2.0
74
同上
2.0
230
192kHz、24ビット
2.0
125
 付け加えると、DVDオーディオの標準化はまだ完了していない。業界団体であるDVDフォーラムは、例えば「DVD-AR(DVD-Audio Recordable)」の最終規格仕様をまとめている最中である。DVD-ARはリニアおよびパック型(MLP符号化)のPCM*オーディオ技術だけでなく、損失がある6種類のオーディオ技術すなわち、ドルビー・デジタル、DTS、MPEG1(およびMPEG2)レイヤー2、ATRAC3*MP3PRO*(MP3の上位互換)、MPEG2 AAC*を含んでいる。
 DVDオーディオのディスクは、DVDビデオの記録領域を含むことがある。そこで既存のプレーヤーとの互換性を保つため、多くの記録済みディスクはドルビー・デジタルあるいはDTSで符号化済みのデータを内蔵した。

DVDオーディオ対SACD

 DVDオーディオにおける多くの記録済みディスクは、米ベランス社*が開発したオーディオ用デジタル透かしデータも載せている。この情報はDVDオーディオ・データ中に組み込んである。組み込みには、損失がある圧縮と同様の知覚型符号化技術を使う。デジタル透かしデータはオーディオの聴取を不愉快にするほどは目立たない。ただし、ABX比較試験では、条件によっては透かしデータが聞こえてしまうことがある*7)。
 DVDオーディオとSACDでは、デジタル透かし技術にわずかな違いがある。SACDは、知覚型というよりも物理型の透かし技術を採用した。このため、オーディオ特性は変えていない。
 SACDでは初め、多くのディスクは2チャンネルのオーディオを提供するだけだった。しかしその後にサラウンド・オーディオを提供するディスクが増えた。このため、現在の多くは、従来のCDプレーヤーでも再生可能なハイブリッド・ディスクとなっている(図3)
ただし従来のCDプレーヤーで再生するのは従来と同じ、16ビット、44.1kHzのデジタル・データである。
 DVDオーディオの変調方式はCDと同様の多ビットPCM方式である。一方、SACDはDSD*と呼ぶ2.822MHzの1ビット・サンプリングによるPDM*方式を採用した。DSDはMLPと同様、無損失の圧縮を実行する。オランダのロイヤル・フィリップス・エレクトロニクス社とソニーは、PCMオーディオが記録時に実行する間引き処理と再生時に実行する補間処理がSACDには存在しないため、より高い品質を実現していると主張する。しかしSACDは、光ディスクの制作工程におけるミキシングとマスタリングの段階では、多ビットPCMに似た技術を採用している。
 ソニーとフィリップス社がDVDオーディオ陣営に加わらずにSACDを提唱した理由は何か。単純に言って答えは「カネ」である。CDフォーマットの成功がもたらしたライセンス収入によって両社は巨額の利益を得てきた。DVDオーディオの登場は両社の地位を脅かす。そこで対抗馬としてSACDを作り出し、民生電子機器市場における両社の影響力と音楽ソフト業界におけるソニーの力を利用して売り込んだのである。ソニー・ミュージックエンタテインメント社とそのグループ企業による積極的な販売活動によって、少なくとも現時点ではDVDオーディオよりもSACDの方がうまくいっている。競合するオーディオ技術のどちらも十分に性能が高いのであれば、お気に入りのアーティストのあるディスクを一般消費者は選ぶだろう。

ネットワーク・オーディオの台頭

 ストリーミング・メディアに目を移そう。24ビットのMP3復号化器「L3Dec」と「MAD*(MPEG Audio Decoder)」がまず目を引く。両者は、16ビットMP3復号化器の丸め近似によるひずみを低減したと主張する。24ビット対応のシステムで再生することも、ディザー処理によって16ビット版にすることもできる。こういった機能を確かめる最も簡単な方法は、ウインドウズ・パソコン用のデジタル・オーディオ再生ソフトウエア「Winamp」でMADのプラグイン・ソフトウエアを使うことである。また、L3Dec用にHEXファイルとWAVファイルの変換ソフトウエアを入手できる。
 米マイクロソフト社の「WMA*(Windows Media Audio)Professional」は、高分解能オーディオの世界に誕生した新たな子供である。同社の基本WMAコーデックは、サンプリング周波数が48kHzを超え、分解能が16ビットを超えるオーディオ・チャンネルを最大8チャンネル取り扱える。WMAは短期間に改良を重ねてきた。現在は第9版になっている。
 2チャンネルWMA(WMA Consumerと呼ばれる)符号化器は、第2版にさかのぼるすべての復号化器と互換性のあるビット・ストリームを生成する。マイクロソフト社はWMA Professionalの仕様を初期版で固定してしまおうとしている。そうすれば、この技術が将来陳腐化する恐れなしに、民生機器メーカーは復号化器を組み込めるようになる。
 WMA Professionalがどのくらいのデータ転送速度を必要とするのかはそれほど明確ではない。マイクロソフト社が当初送付してくれた資料は、384k〜700kビット/秒の符号化済み速度を示唆していた。このことに気付かずに同社に再び情報を請求したところ、最小データ転送速度で128kビット/秒という回答を送ってきた。これは16ビット、44.1kHzのサラウンド機器向けにマイクロソフト社が推奨しているのと同じ速度である。確認のためにもう1度同じ質問をしたところ、128kビット/秒だと6チャンネル・オーディオを配信できるものの、音声品質はDVDオーディオやSACDよりも低くなることが分かった。
 マイクロソフト社デジタル・メディア担当部長のアミール・マジディミーア氏は次のように述べている。「サンプリング周波数を上げたときに、ひずみを増やさないためにデータ転送速度も上げるべきだというのは、一般的には正しい。しかし、この関係が通用するのは、CDと同じかそれ以下のサンプリング周波数、すなわち44.1kHzのサンプリング周波数までである。22.05kHzを超えるサンプリング周波数でひずみが聞こえてくるというのは明確ではない。同じデータ転送速度でサンプリング周波数を96kHに上げれば、超音波の周波数領域におけるひずみは必ず大きくなる。しかし(マイクロソフト社の)テストでは、サンプリング周波数を22.05kHzから44.1kHzへと上げたときに、ひずみは生じるものの可聴域には入っていない」。
 同氏はさらに続ける。「同じことは、分解能を16ビットから24ビットに上げるときにも言える。20ビットを超える正確さで信号を再生できるシステムはあまりない。すなわち、下位4ビットのひずみは可聴音にならない。それどころか、D-A変換器のディザーに貢献しているかもしれない。もう1つの重要なことを考えるべきだろう。高いサンプリング周波数を利用する主な利点は高品質のデジタル・マスターを再サンプリングせずに符号化できることにある、ということだ。聞こえるかどうかにかかわらず、高周波帯域の情報を保存するということではない」。
 マイクロソフト社によると、192kビット/秒(可変速度)あるいは256kビット/秒(固定速度)のデータ転送速度があれば、ほとんどの音楽を符号化するのに十分である。高いデータ転送速度を必要とする音楽で厳しい聴取テストをするときには、同社から初めに受け取った推定値で満たせるはずだ。ただし、この384kビット/秒という値でもかなり低い。24ビット、48kHzで5.1チャンネルを符号化圧縮するDTSのオプションと比べても、半分の速度である。16ビット、44.1kHzでサンプリングする従来のCD(2チャンネル分)に比べると、おおよそ4分の1に過ぎない。
 WMA Professionalの応用分野はストリーミング・メディア配信である。しかし、同社の第9版のビデオ・コーデックと組み合わせることによって、デジタル映画や、赤色半導体レーザーによる高分解能DVDへの道が開ける*8)、*9)。マイクロソフト社は2000年の後半にパシフィック・マイクロソニックス社のHDCD技術を買収し、高分解能オーディオ技術に新たな武器を追加した。

オーディオを聴く環境が重要

  オーディオは、ほかの感覚入力機構と同じく、本質的にアナログ信号である。マイクロホンに入力するときも、トランスデューサーで再生するときもアナログ信号として伝わる。しかし、古くからあるカセット・テープを除くと、オーディオ記録媒体とオーディオ配信媒体はすべてデジタルである。すなわち、デジタルとアナログの境界では、A-D変換あるいはD-A変換を実行する。そしてデジタルの内部では信号処理の前段階として、データ転送速度をそろえるための変換を行う。
 そこでA-D変換器ICやD-A変換器IC、両者の混載IC(コーデック)、サンプル速度変換(SRC*)ICなどを詳しく調べてみる。米AKMセミコンダクター社*米アナログ・デバイセズ社*米シーラス・ロジック社*米テキサス・インスツルメンツ社*英ウォルフソン・マイクロエレクトロニクス社*などの半導体メーカーが製品を出していると分かる。そして…ひどい頭痛に見舞われて逃げ出すことになるだろう。恐ろしく数多くの代替品が存在するからだ。
 ICが搭載しているチャンネル数には確かに違いが存在する。それから、ダイナミック・レンジやTHD+N全高周波ひずみ+雑音)*などの数dBの違いが価格を大きく左右することも分かる(図4)。しかしまずは、ICベンダーによる製品仕様を信用するかどうかを自らに問い掛ける必要がある*10)、*11)。
 いくつかのA-D変換器ICは、1個以上のS/ PDIF(Sony/Philips Digital Interface) 送信回路を内蔵する。またいくつかのD-A変換器ICはS/PDIF受信回路、総合あるいはチャンネルごとのデジタル音量制御回路、多ビットPCM入力あるいは1ビット(SACD)入力のインターフェース回路を集積する。SACD復号化器とD-A変換器ICの直接接続は、接続用部品のコストや実装基板面積の削減になる。さらに、日本プレシジョン・サーキッツ*の「SM5816AF」のようなSACDとPCMの変換用ICもある。なお評価の際には、DVDオーディオは2チャンネルだけでも192kHzのサンプリング周波数をサポートしなければならないことを覚えておこう。
 実際にはまず、ダイナミック・レンジをどのくらい広く、THD+Nをどのくらい低くすべきかを自問自答する。ただしコーデックは、一連のオーディオ信号処理工程を構成する1部品に過ぎないことが前提である。一連のオーディオ処理工程は、その最も弱い部分が仕様を左右するからだ。一般消費者が直接あるいは間接に接続するスピーカーの品質はどのくらいか。オーディオ装置の接続による劣化はどの程度か。平均的なエンド・ユーザーはどういった音楽を聴くのか。こういった要素が左右する。
 そして最も重要なのはおそらく、オーディオを聴く環境である。針が落ちる音が聞こえるような静かな無響室で聴くのか、深夜の車庫でエンジンを切って車載オーディオを聴くのか。あるいは、参加者が歩き回るような立食パーティーでバックグラウンド音楽として流すシステムを設計しようとしているのか。また、会話や破裂音などを再生するホーム・シアターを設計するのか。それとも、窓を開けながら道路を走る自動車で前部座席あるいは後部座席の乗客と張り合うのか。はたまたパソコン用サウンド・システムのようなあまりよろしくない環境に置かれるのか。

価格差と仕様の違いを見る

   ICの仕様の違いが価格にどのくらい反映するのか。シーラス・ロジック社の最近の製品発表はその良い例である。同社は2001年10月に、6チャンネルD-A変換器IC「CS4342」の1万個購入時の単価を5.35米ドル、8チャンネルD-A変換器IC「CS4382」の1万個購入時の単価を6.50米ドルと発表した。
 同社が2002年5月に発表したA-D変換器IC「CS5361」では、1万個購入時の単価を4.95米ドルと決めた。ICの主な仕様は入力が差動形式、ダイナミック・レンジが114dB、THD+Nが−105dBである。CS5361とピン互換のA-D変換器IC「CS5351」は、1万個購入時の単価が3.95米ドルだった。このICの主な仕様は入力がシングル・エンド形式、ダイナミック・レンジが108dB、THD+Nが−100dBである。
 シーラス・ロジック社の最新の製品ファミリーを見ると、チャンネル数と性能の組み合わせはさらに複雑になっている。ICベンダーはいずれも、似た手法で製品ファミリーを分類整理する。トレード・オフのバランスを取りながら、自分が設計しようとする条件に最も適した製品を機器設計者は選ばなければならない。

DSPの性能を確かめよ

 大量のオーディオ・データがシステムを出入りする速度が高まるにつれ、サブシステムであるデジタル信号処理回路への要求が厳しくなる。例えばDTS 96/24の復号化処理に必要な性能は、25MIPS以上である。この25MIPSという値はDTS社による。アナログ・デバイセズ社の32ビット浮動小数点DSP「21065L」を使用した場合である。32ビットの整数演算を使ったり、高級言語(すなわち効率の低い言語)によって処理手順を記述したりすると、要求性能は上がってしまう。クロック周波数以外の要素も極めて重要である。例えばメモリー容量である。内部RAMと内部ROMだけでなく、遅い外部メモリーにアクセスしなければならないとしたら、処理速度は大きく低下してしまう。
 24ビット・オーディオの出現は、24ビットDSPか32ビットDSPかという長期にわたる論争の火に油を注いだ。実用的には、必要なマルチパス計算を実行する十分な時間と、中間データを保管する十分なメモリーがある限り、どんなデータ幅のDSPでも必要なジョブを適切に実行するだろう。打ち切りやオーバーフローが引き起こす丸め誤差が問題となることはない。しかし当然ながら、ここでは時間が制約条件となる。リアルタイムでないオーディオ処理を、聴取者は長くは我慢できないだろう。浮動小数点演算機能の追加などで内部データ・パスの幅を広げれば、DSPが処理するパスの数は減少する。同様に、ハードウエア・アクセラレーターLSIによる処理を増やせば、DSPがクロック当たりに処理できる作業は増加する。
 ハードウエア重視のこの傾向は、テキサス・インスツルメンツ社のオーディオ用DSP「TMS 320DA610」で頂点に達する。それは感動的とも言えるし、あきれたものだとも言える。なんと1800MIPS、1350MFLOPSという性能を出している。動作周波数は225MHzである。同社はどうやってこの天文学的な性能数値に行き着いたのだろうか。条件にもよるが、TMS320DA610は最大で8個もの命令を1クロックに実行する。この機能を備えているのは同社のDSPだけではない。競合企業が指摘するように、多くのICベンダーのDSPが複数命令を同時実行する。
 例えば、次に述べる3つの並列演算で説明しよう。
1. mac x0、y0、b
2. x:(r0)+、x0
3. y:(r4)+、y1
 これらの演算は次の7個の命令に分解できる。
1. multiply x0 and y0
2. add result to b
3. move x:(r0) to x0
4. increment r0
5. move y:(r4) to y1
6. increment r4
7. round result of multiplication
 TMS320DA610は常に1800MIPSの性能を出せるのだろうか。もちろん答えは否である。おそらく、225MIPSの性能ですら、常に達成することは無理だろう。先に述べた外部メモリーがボトルネックとなるからだ。DSPベンダーがどのように主張したとしても、ユーザーは十分な余力があるかどうか確かめなければならない。オーディオの復号化だけでなく、さまざまな後処理のタスクが存在するからである。具体的には、低音域の管理といったスピーカーの補償処理、THX*の調整、サラウンド・サウンド・スピーカーの音場再現処理といったタスクがある。アナログ・デバイセズ社の「SHARC」シリーズ、米モトローラ社*の「DSP5636x」、あるいはTI社のTMS320 DA610といった代表的なシングル・コアのDSPを使っていて能力が不足した場合は、DSPを追加して処理を2個のDSPに配分する必要がある。その作業は決して簡単ではない。
 代替案としては、2つのコアを内蔵したデュアルコアDSPがある。例えばシーラス・ロジック社の「CS49400」がそうだ。24ビットのコアと32ビットのコアを内蔵する。24ビットDSPコアが復号化処理を、32ビットDSPコアが復号化後の処理を担う。この結果、DTS 96/24の処理全体を2個のコアに振り分けられる。
 コプロセッサーという案もある。モトローラ社は、オーディオ用DSP「DSP5636x」と組み合わせて使うプロセッサーとして、「EFCOP(エンハンスト・フィルター・コプロセッサー)」コアを内蔵する「DSP56311」または「DSP56321」を推奨する。なおDSP 56367の次期版チップ(コード名「オニックス」)は、現在のモトローラ社のチップよりオンチップ・メモリー容量を増やし、クロック周波数を180MHzに高める予定である。EFCOP内蔵DSPのクロック周波数も180MHzに上げる計画だ。
 これまで述べてきたDSPは、ホーム・シアターのレシーバーといったハイ・エンド機器に採用されつつある。現在はドルビー・デジタルやDTSのデータを復号化している。同様に将来はおそらく、DVDオーディオやSACDなどのデータも直接復号化することになるだろう。ただし、デジタル・オーディオの相互接続における知的財産権の保護という大問題を解決する必要がある。それまでは、DVDオーディオやSACDなどの復号化処理は光ディスク・プレーヤーが責任持って引き受けることになる。シーラス・ロジック社や仏伊合弁のSTマイクロエレクトロニクス社*米ゾーラン社*などのDVD用チップ・セットはすでに、DVDオーディオの機能を備えている。デジタル透かしの検出、デジタル著作権管理に関する暗号化データの復号化、MLPの復号化などである。SACDの信号処理は、ソニーが供給する別のICが担う。しかしSACDが広く普及し、フィリップス社とソニーからICベンダーがライセンスを購入するようになれば、SACDの信号処理機能もICに内蔵されるようになるだろう。

パソコンのサブシステムにも入り込む

 高分解能オーディオ技術はパソコンのオーディオ・サブシステムにも入り込みつつある。業務用のハイ・エンド機だけでなく、売れ筋の機種でもサポートするようになってきた。「AC'97*」の仕様とコーデックICが次の世代に移るまでは、20ビット、48kHzの6チャンネル・オーディオあるいは20ビット、96kHzの2チャンネル・オーディオが性能の上限となっている。コーデックICのベンダーとしては例えば、米シグマテル社*がある。
 より高い性能を実現するのは拡張用バス・ボードや拡張用ICである。シンガポールのクリエイティブ・テクノロジー社*による拡張用オーディオ・ボード「Sound Blaster Audigy 2」シリーズは6.1チャンネルのオーディオ規格に準拠する。すなわち、DTS-EXやドルビー・デジタルEXなどを扱える。またDVDオーディオのフルレンジ規格で復号化処理を実行し、24ビット、96kHzでオーディオ・データを録音できる。Audigy 2はTHXの認定済みであり、同社のEmuプロセッサーを内蔵する。
 台湾VIAテクノロジーズ社*は、2000年11月に米ICアンサンブル社*を買収し、24ビット、96kHzのオーディオ処理チップ「Envy24」と24ビット、192kHzのオーディオ処理チップ「Envy24HT」を獲得した。数多くの拡張用オーディオ・ボード・メーカーが、これらのチップを採用している。
 米インタービデオ社*の「WinDVD 4」のようなパソコン用ソフトウエアとオーディオ・サブシステムを組み合わせると、6倍速以上のDVD-ROM装置でDVDオーディオのディスクを再生できるようになる。しかし一方で、パソコンでSACDを再生する方法は現在のところ存在していない。ハイブリッド・ディスクにおけるCD層の再生を除いてだが…。「プロジェクト・バーベキュー*」の取り組みに期待しよう。END



用語解説 / 会社情報
【CD】
compact disc
最も早くに普及した光ディスク記録のデジタル・オーディオ技術。サンプリング周波数は44.1kHz、分解能(量子化ビット数)は16ビット。なおCDの規格仕様書を「Red Book」と呼ぶ。
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【サラウンド】
surround
通常物音を聞くときには、音の発生源からの直接音以外に、周囲の物体に反射してから耳に入る間接音(残響音)も聞こえている。この間接音を再生することによって実際の音声に近づけたのがサラウンドである。5つのスピーカーと1つの低音用スピーカー(ウーハー)を使う5.1チャンネル・サラウンドが良く知られている。
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【米ワーナー・ブラザーズ社】
Warner Brothers
映画制作やテレビ番組制作などを主要業務とする総合エンターテインメント企業。
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.warnerbros.com/
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【DVDオーディオ】
DVD-Audio
DVDを記録媒体とするデジタル・オーディオ技術。サンプリング周波数は最大192kHz(2チャンネル記録時)、分解能(量子化ビット数)は最大24ビット。国内ではDVDオーディオ プロモーション協議会が普及活動を展開している。同協議会のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.dvdaudio-net.com/
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【SACD】
Super Audio CD
スーパーオーディオCD。ソニーとオランダ・フィリップス社が提案した。2.82MHzのサンプリング周波数で1ビットA-D変換したデータを直接、光ディスクに記録する。基本的には従来のCDと互換性がない。ただし従来のCDと同じ記録層とSACD用記録層の両方を作り込んだ多層のハイブリッド・ディスクは、従来のCDプレーヤーで再生できる。
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【米パシフィック・マイクロソニックス社】
Pacific Microsonics, Inc.
高分解能オーディオ符号化技術「HDCD」を開発した企業。2000年9月に米マイクロソフト社が買収した。HDCD技術に関する情報は下記ホームページを参照。
http://www.hdcd.com/
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【HDCD】
High Density Compatible Digital
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【LSB】
least significant bits
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【FIR】
finite-impulse-response
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【ドルビー・デジタル】
Dolby Digital
米ドルビーラボラトリーズ社(Dolby Laboratories, Inc.)によって開発されたマルチチャンネルのデジタル・オーディオ技術。同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.dolby.com/
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【DTS】
Digital Theater Systems
米デジタル・シアター・システムズ(DTS)社が開発した高分解能デジタル・オーディオ技術。劇場用映画の音声トラックへの記録・再生技術として開発された。DTS社(Digital Theater Systems, Inc.)のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.dtsonline.com/
DTSの概略は下記ホームページ(日本語)で閲覧できる。
http://www.dtstech.co.jp/
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*1)参考文献
Dipert, Brian, "Expanding options bring surround sound to the forefront... and the back...and the sides... and the ceiling... and the floor... " EDN, Jan 10, 2002, p.34.
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*2)参考文献
Dipert, Brian, "Now hear this," EDN, Feb 3, 2000, p.50.
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*3)参考文献
Dipert, Brian, "Digital audio breaks the sound barrier," EDN, July 20, 2000, p.72.
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*4)参考文献
Dipert, Brian, "Digital audio gets an audition: part
two, lossy compression," EDN, Jan 18, 2001, p.87.
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*5)
DTSは元々5.1チャンネルの音声チャンネルを備える。これに1チャンネルを追加したのが「DTS-ES Discrete 6.1」である。なおESはExtended Surround(エクテンデッド・サラウンド)の略。
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【DTS 96/24】
米DTS社が開発したマルチチャンネル・デジタル・オーディオ技術。サンプリング周波数が96kHz(あるいは88.2 kHz)、分解能が24ビットであることからこの名称がある。既存のDTSとは上位互換性を備える。
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【MLP】
Meridian Lossless Packing
英メリディアン・オーディオ社(Meridian Audio Ltd.)が開発した無損失データ圧縮技術。Packed-PCMとも呼ばれる。DVDオーディオの標準方式として採用された。データ・ストリームから冗長部分を見つけて削除することによってデータを圧縮する。圧縮比はそれほど高くなく、1/2程度にとどまる。同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.meridian-audio.com/
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*6)参考文献
Dipert, Brian, "Digital audio gets an audition: part
one, lossless compression," EDN, Jan 4, 2001, p.48.
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【DVDフォーラム】
DVD Forum
DVD製品に関する業界団体。ホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.dvdforum.gr.jp/
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【PCM】
pulse code modulation
パルス符号変調
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【ATRAC3】
Adaptive TRansform Acoustic Coding 3
ATRACはミニディスク(MD)用にソニーが開発したデジタル・オーディオ用符号化技術。ATRAC3はATRACをソニーがさらに改良したもの。データの圧縮率がATRACの2倍になる。
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【MP3PRO】
MPEG1 Audio Layer 3 PRO
MP3はMPEG1の音声トラック用オーディオ符号化圧縮技術。MP3PROはMP3の上位互換となる技術である。圧縮比はMP3の約2倍ある。
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【MPEG2 AAC】
MPEG2 Advanced Audio Coding
MPEG2の音声トラック用に開発されたオーディオ符号化圧縮技術。MP3よりも低いデータ転送速度を有するネットワークに向けた。従来のMPEGオーディオとの互換性はない。音声トラック数は5.1チャンネルのステレオ。日本ではBSデジタル・テレビ放送および地上波デジタル放送の音声符号化方式として採用されている。
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【米ベランス社】
Verance Corp.
オーディオ用デジタル透かし(digital watermarking)技術の開発企業。同社のホームページは下記の通り。
http://www.verance.com/
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*7)参考文献
Dipert, Brian, " Security scheme doesn't hold water(marking)," EDN, Dec 21, 2000, p. 35.
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【DSD】
Direct Stream Digital
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【PDM】
pulse density modulation
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【MAD】
MPEG Audio Decoder
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【WMA】
Windows Media Audio
米マイクロソフト社が開発したデジタル・オーディオ用符号化圧縮技術。.
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*8)参考文献
Dipert, Brian, "Video characterization creates hands-on headaches: part one," EDN, July 25, 2002, p.53.
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*9)参考文献
Dipert, Brian, "Video characterization creates hands-on headaches: part two," EDN, Aug 8, 2002, p.81.
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【SRC】
sample rate converter
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【米AKMセミコンダクター社】
AKM Semiconductor, Inc.
旭化成マイクロシステムの米国法人。同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.akm.com/index.asp
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【米アナログ・デバイセズ社】
Analog Devices, Inc.
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.analog.com/
国内連絡先はアナログ・デバイセズ。同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.analog.co.jp/
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【米シーラス・ロジック社】
Cirrus Logic, Inc.
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.cirrus.com/
国内連絡先はシーラス・ロジック。
http://www.cirrus.com/jp/
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【米テキサス・インスツルメンツ社】
Texas Instruments Inc.
国内連絡先は日本テキサス・インスツルメンツ。
http://www.tij.co.jp/
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【英ウォルフソン・マイクロエレクトロニクス社】
Wolfson Microelectronics plc
アナログ・デジタル混在ICメーカー。
http://www.wolfsonmicro.com/
国内連絡先はウォルフソン・マイクロエレクトロニクス・リミテッド、1045-228-1630。
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【THD+N】
total harmonic distortion plus noise
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*10)参考文献
Travis, Bill, "Demystifying ADCs," EDN, March 27, 1997, p.26.
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*11)参考文献
Travis, Bill, "Remystifying ADCs," EDN, Oct 9, 1997, p.87.
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【日本プレシジョン・サーキッツ】
Nippon Precision Circuits Inc.
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.npc.co.jp/
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【THX】
米ルーカスフィルム社が提唱する映画館用オーディオ規格。映画制作者が意図した音場を忠実に再現することを目的として策定された。現在は同社から独立した米THX社が規格策定や映画館の認定作業を務めている。同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.thx.com/
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【米モトローラ社】
Motorola Inc.
国内連絡先はモトローラ。同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.mot.co.jp/
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【仏伊合弁のSTマイクロエレクトロニクス社】
本拠地はスイスにある。国内連絡先はSTマイクロエレクトロニクス。同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.st-japan.co. jp/
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【米ゾーラン社】
Zoran Corp.
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.zoran.com/
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【AC'97】
Audio Codec 97
米インテル社などが提唱したオーディオ用コーデックICの標準仕様。
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【米シグマテル社】
SigmaTel, Inc.
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.sigmatel.com/
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【クリエイティブ・テクノロジー社】
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.creative.com/
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【台湾VIAテクノロジーズ社】
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.via.com.tw/
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【米ICアンサンブル社】
IC Ensemble, Inc.
ホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.icensemble. com/
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【米インタービデオ社】
InterVideo, Inc.
国内連絡先はインタービデオジャパン。
http://www.intervideo.co.jp/
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【プロジェクト・バーベキュー】
Project Bar-B-Q
米国のデジタル・オーディオ関連企業で働く技術者による研究会。年に1回、総会を開催してオーディオ業界が抱えるさまざまな課題について話し合っている。
http://www.projectbarbq.com/
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