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2003年3月号
RF/マイクロ波スペアナの
選択と利用における注意


 RF/マイクロ波スペアナ(スペクトラム・アナライザー)の選択は容易ではない。計測機器メーカーが公表していない仕様やテスト条件などに注意する必要がある。実機を借り、時間をかけて評価すべきだろう。性能の向上も著しい。スペアナのデジタル化が進んだためである。掃引時間を低下させずに分解能帯域幅を狭くできる。

ダン・ストラスバーグ Dan Strassberg
 RF*帯域およびマイクロ波帯域のスペクトラム・アナライザー(RF/マイクロ波スペクトラム・アナライザー)は、その仕組みからして単純ではない。校正済みのスーパーヘテロダイン受信機だと言っても、何をどのように実行するかのヒントに過ぎない。周波数ドメインのオシロスコープという表現では、より分かりにくい。
 さらに、その技術を表面的に眺めただけでは、RF/マイクロ波スペクトラム・アナライザーはこの10年間にほとんど変化していないという誤った結論を下しかねない。しかし実際には、無線化が進展する世界でスペクトラム・アナライザーが扱う信号周波数は3GHz以上になり、さらには7GHz、そして時には20GHzを超えるようになってきた。その重要性は急激に高まっているのだ。
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 その上、業務に最適なスペクトラム・アナライザーを選ぶことが難しい。選考作業というものは、ベンダー2〜3社のデータ・シートに記載されているいくつかの数値と価格を比較するだけではない。選考の過程を上司が理解していない場合は、特に困難になる。
 わずかな技術者とさらにわずかな上司だけが、下記の事実を理解している。スペクトラム・アナライザーには公表されている仕様よりも多くの事柄が隠されていることだ。そしてデータ・シートの最も重要な情報は、何が書かれていないかが分かることである。例えば特定のパラメーターについて、あるベンダーは代表値だけを示している。競合ベンダーは最悪値を示しているのにである。
 付け加えると、仕様にはテストの条件が大きく影響する。仕様とテスト条件は無関係である、とユーザーに考えていて欲しいベンダーもあるが…。囲み記事「RF/マイクロ波スペアナの1dB利得圧縮点を測る」にはこういった、ユーザーには秘密にされがちな仕様の例を示した。調べようとしている信号に不要な信号(干渉信号)が混じることがある。干渉信号の振幅と周波数の影響を定量化したのが、利得圧縮である。
 購入を検討しているスペクトラム・アナライザーがこれまで使用経験のないファミリーの製品であった場合、ユーザーによる製品の評価には少なくとも2週間、時には1カ月もかかる。多くのベンダーはこのことを理解している。ユーザーが最終候補となった2品種を借り、丸々1カ月間並べて置くことが望ましい。そうすれば理想条件だけではなく、実使用条件でも比較できるからだ。実際に、複数のデモ機を同じ期間借りて評価する機会を作れることは少なくない。
 最新の設計によるスペクトラム・アナライザーは、評価方法や使用方法を初心者向けに簡素化した。さまざまな無線通信プロトコルの標準化団体が定義したテストを実行する自動セットアップ機能を搭載している*1)

ユーザー・サービスの意義

 計測機器を利用したり評価したりするときには、分波器や方向性結合器のようなアクセサリーが必要となることが少なくない。必要なアクセサリーをユーザーが持っておらず、しかもメーカーや販売代理店がすぐには用意できないことがある。そのときは、計測機器メーカーの地域担当フィールド・エンジニアからアクセサリーを借りられるかもしれない。
 こういったユーザー・サービスはコストがかかる。このため、数10年前に休止してしまったり、あるいは大手メーカーだけのサービスになってしまったと考えてはいないだろうか。しかし、スペクトラム・アナライザーのメーカーは良いサポートが良いビジネスだと考え、サービスをやめていない。サポートのコストも計測機器の価格に含めている。
 実際には下記のようになる可能性が高い。すなわち、ユーザー企業は数台のアナライザーを購入する。ただしサポートが必要なのは最初の1台だけである。従ってユーザーが重ねて購入してくれるときにメーカーは値引きできる。
 RF/マイクロ波スペクトラム・アナライザーの価格はどの程度だろうか。ポータブル型スペクトラム・アナライザーの価格は1万米ドル以下の場合が多く、ハンドヘルド型だとさらに安いこともある(図1)。しかし高性能なRF/マイクロ波スペクトラム・アナライザー(広帯域・低雑音品)は高価になりがちだ。多くのベンチトップ型は3万米ドルを超える。

 計測機器の評価が面倒なことは、ベンダーには都合が良い。製品が複雑なだけに同じ製品系列を再び購入することになりがちである。ユーザーとベンダーの両方にとって利点があるからだ。ユーザーは、製品の評価に多くの時間を確保し、その性能を引き出す方法を見い出し、さらには独特の振る舞いや癖に対処する方法を学んだ。ベンダーから十分なサービスを受けた。こうなると次の購入機会でも、このベンダーから購入することになるだろう。ベンダーを変えたら、複雑な計測機器についてまた新たに多大な時間を割かなければならないからだ。

ミキシングの工夫

 スペクトラム・アナライザーの動作原理は、ミキシングあるいはヘテロダイン、周波数変換と呼ばれている。ミキシングは基本的には乗算であり、非線形な処理である。
 スペクトラム・アナライザーは周波数fINの入力信号(周波数fINはfIN1〜fIN2の範囲の周波数)を周波数fLO(LOは局部発振器、周波数は可変)の信号とミキシングし、中間周波数(IF*)fIFの信号を生成する。通常は、fLO=fIN+fIF、すなわち局部発振器LOの周波数を入力信号周波数fINより高くする。一方でfLO=fIN−fIFという設計も可能である。
 古典的なスペクトラム・アナライザーは短時間に局部発振周波数fLOを掃引し、入力周波数fIN1〜fIN2におけるミキサー出力を生成する。そしてミキサー出力の包絡線を検出してIF成分を除去し、包絡線を時間の関数として表示する。それから入力信号の振幅を周波数の関数として表示する。
 スペクトラム・アナライザーが抱える複雑さの多くは、ミキシングの本質的な特性によるものである。ミキサー出力fIFは、fLO−fINだけでなく、fLO+fINを含む。例えば、30MHzから3GHzの周波数帯域を一般的なIFである10.7MHzにワン・ステップで変換する場合を考える。局部発振器LOを40.7M〜3010.7 MHzで掃引することになるだろう。あるいは19.3M〜2989.3MHzで掃引してもよい。前者の範囲で掃引したとすると、ミキサーは所望の周波数帯域だけでなく、同時に51.4M〜3021.4MHzの周波数帯域の信号も出力する。どの周波数においても、ミキサー出力は21.4MHz(=fIF×2)離れた1対の周波数信号、すなわち所望の周波数信号と、イメージ周波数と呼ばれる不要な周波数信号(この場合は高い周波数)を含むことになる。
 さらに複雑なのは、ミキサーは1つ(あるいは1対)の周波数信号を出力するわけではない、ということである。1つ(あるいは1対)だけの周波数信号しか得られないということは、IF信号の帯域幅がゼロであることを意味する。IF信号の帯域幅、すなわちスペクトラム・アナライザーの分解能帯域幅(RBW*)は常にゼロよりも大きい。ユーザーが選択できるRBWの最小値は、スペクトラム・アナライザーの性能指数で決まる。仮にゼロのRBWを選択できたとしても、全掃引周波数のスペクトラム解析には無限の時間がかかることになるだろう。帯域幅ゼロの帯域通過フィルターは入力変化に応答するのに無限大の時間を必要とするからである。
 イメージ周波数問題の解決策に、多段周波数変換がある。スペクトラム・アナライザーでは一般的に、3つのIF段を用いる。30MHz〜3GHzをカバーするアナライザーだと、まず入力信号を3GHzよりも高い周波数の信号に変換する。この変換によって不要なイメージ周波数をすべてアナライザーの入力周波数範囲よりも高周波側に追いやる。そして固定遮断周波数の低域通過フィルターで除去する。最初のIFを例えば3.4GHzにすると、fLOは3.43G〜6.4GHzまで掃引するのでイメージ周波数の帯域は6.83G〜9.8GHzとなる。この手法のもう1つの利点は、fLOの最高値と最低値の比が小さくなることである。最初の例では、6オクターブ以上(40.7MHzと3010.7MHz)だった比率が1オクターブ以下(3.43GHzと6.4 GHz)と小さくなった。

周波数を時間に変換する

 周波数掃引アナライザーでは、入力周波数範囲の中に複数の信号が同時に存在することがある。しかしミキサー出力では、周波数範囲は大幅に狭くなる。複数の信号は同時に存在するのではなく、周波数掃引によってfIFに近い周波数に順次変換されるからである。最初のミキサーの後段では、周波数掃引アナライザーはあまり広帯域である必要はない。このため、計測機器の回路設計が簡単になる。これに対して最近の通信では、ほんのわずかの時間しか信号が存在しない。すなわちデューティー比が小さい。従って、広い周波数帯域を連続的に調べられる計測機器が必要となる。
 この要求に沿った計測機器は存在している。名称はメーカーごとに異なる。シグナル・アナライザー、ベクトル・シグナル・アナライザー、無線通信アナライザーといった名前である。このクラスの計測機器はすべて、DSP技術を広範囲に利用している。最近ではスペクトラム・アナライザーでもDSP技術を使う品種が増えてきた。
 一般的には、DSP利用のスペクトラム・アナライザーとDSP利用のシグナル・アナライザーでは仕様と応用分野が大きく異なる。シグナル・アナライザーは信号データを素早く収集し、時間ドメインの長大なデジタル・データとして記録する。信号データはベクトル量(信号振幅と信号位相)として扱う。デジタル変調信号、例えば64値QAM*(直交振幅変調)信号などの複雑な解析を実行する。スペクトラム・アナライザーは普通、シグナル・アナライザーよりもコンパクトで安価である。ただし、はるかに高いダイナミック・レンジを提供する。
 ほとんどのDSPベースのスペクトラム・アナライザーは、古典的なアナログ信号処理のスペクトラム・アナライザーと少なくとも表面的には似た内部構成となっている。古典的なスペクトラム・アナライザーと同様にDSPベースのスペクトラム・アナライザーでも、アナログのIF段を採用する。ただし、最終段ミキサーの後段にはアナログ・フィルターではなく、高速・高分解能のA-D変換器とDSPを置く。このDSPがデジタル・フィルター処理を実行する。デジタル処理の利点は選択性の向上、すなわちRBWの帯域が狭くなることである。RBWを狭くしても、掃引速度はほとんど変わらない。
 米アジレント・テクノロジー社*は最近、ベクトル変調解析機能を備えたスペクトラム・アナライザー「PSA」シリーズを発表した。DSPベースのアナライザーである。このベクトル解析機能は、スカラー測定に限定されていたスペクトラム・アナライザーの機能を大きく拡張した。
 スペクトラム・アナライザーのアーキテクチャーが大きく変化する日は遠くないかもしれない。アナログ・ミキシングのミキサーの代わりに、A-D変換器を組み込みつつある。分解能が14ビットで変換速度が64Mサンプル/秒のA-D変換器がすでに存在する。このA-D変換器を適切なトラック・ホールド・アンプと組み合わせれば、A-D変換のナイキスト周波数である32MHzを大幅に上回る周波数信号を所望の精度でアンダーサンプリングできるようになる。この方式で、200MHzの搬送波信号をサンプリングしたと仮定してみよう。搬送波周波数の上下の側波帯がサンプリング周波数の半分以下にとどまり、しかもベースバンドに対してほかの信号のエイリアスがないならば、変調信号の正確なレプリカをデジタル・データで得られる。
 最新のデジタル通信システムでは、搬送波周波数が2.35G〜5.8GHzと高い。トラック・ホールド・アンプ内蔵のシグナル・アナライザーは依然として、アナログ・ミキシングを採用する必要があるだろう。また今のところ、帯域幅が200MHzを超えてしかも14ビットA-D変換器に整合するような精度のトラック・ホールド・アンプは市販されていない。ただし生産はされていないものの、生産可能な状態にはあるようだ。市販されるようになれば、アーキテクチャーが変わる。シグナル・アナライザーやDSPベースのスペクトラム・アナライザーで周波数変換段が1段以上短くなるだろう。

モジュール化したアナライザー

 米ナショナルインスツルメンツ社*は、帯域幅2.7GHzのモジュール型シグナル・アナライザー「PXI-5660」(図2)を最近発表した*2)。このアナライザーは、高さ3UのPXIバス*・ボード2枚によるボード・モジュールである。周波数変換器ボードと、14ビットで64Mサンプル/秒のA-D変換器ボードで構成される。A-D変換器ボードには16Mワード(32Mバイト)のデータ用メモリーも載せている。

 アナライザーのSFDR*は80dBである。ただし、測定時間とのトレード・オフでダイナミック・レンジを拡大できる。同社によると、SFDRが80dBのときの測定時間は従来のSFDRがあまり高くないシグナル・アナライザーの200分の1だという。
 2つのボードを合わせたモジュールの大きさは、類似機能のスタンド・アローン型シグナル・アナライザーに比べるとはるかに小さい。しかしモジュールだけでは、アナライザーとして完成していない。モジュールをPXIバスのきょう体に挿入して使う。このきょう体は電源とバックプレーンを兼ねる。PXI-5660の米国における基本価格は1万2995米ドルである。この価格にはモジュールのほか、スペクトラム測定ツール・セットのソフトウエア・パッケージ、変調解析データ、いくつかのドライバー・ソフトウエアを含む。スタンド・アローン型のシグナル・アナライザーに比べると価格ははるかに安い。しかしアナライザーとして使用するためには、別に以下の製品を購入しなければならない。きょう体、CPUボード、ポインティング・デバイス、およびディスプレイである。さらに、計測用ソフトウエア開発環境である「LabView」または「LabWindows CVI」の購入を同社は推奨している。

アプリの解析で測定時間を短縮

 前半で議論した周波数掃引スペクトラム・アナライザーのRBWと掃引速度のトレード・オフは、設計上の重要な特性として、スペクトラム・アナライザーおよび関連製品のベンダーとユーザーは覚えておくとよい。計測機器の設計者にとって、ほかの特性に大きく影響を及ぼさずに、ある特性および仕様を改善することは、アーキテクチャーの変更なしには通常は不可能である。幸いにして無線通信システムの開発・配備・保守用だけでなく、EMI測定・対策を目的とした需要が増えている。こうした用途がアーキテクチャーの変更を促す。
 しかしスペクトラム・アナライザー・メーカーは、異なる事実を指摘する。1種類の特性についてであれば、大きな改善のために設計変更は必要ないというのだ。ユーザーがアプリケーションを注意深く解析することにより、テスト・プロトコルを変更してテスト時間を短縮できることが少なくない。このとき測定精度は変わらない。あるメーカーの推定によると、計測作業を高速化したいという要求のほぼ半分は、上記のような改善手法で対応できたという。このメーカーは、製造工程におけるテストにスペクトラム・アナライザーを使っているユーザーの場合、機器の追加購入を思い悩む前に、ベンダーのアプリケーション・エンジニアを呼んで改良の可能性を相談することを勧めている。
 計測機器メーカーは常に、1台でも多く売りたい。しかし、ユーザーが所有している計測機器の使用効率を上げるように手助けすることは、ユーザーをつなぎとめておくための重要な手段だと考えている。

RF/マイクロ波スペアナの1dB利得圧縮点を測る

ヨープ・クラーセン* 米アジレント・テクノロジー社
Joop Klaassen Agilent Technologies Inc.
 利得圧縮はミキサーとアンプに関する現象として知られている。単音(シングル・トーン)、単側波帯(SSB:single side band)、FM側波帯、およびAM側波帯という4つの場合がある。
 SSB利得圧縮は、RF/マイクロ波スペクトラム・アナライザーで見られる。表示周波数範囲の外側にある大きな干渉信号が、表示している小さなテスト信号を圧縮する。このテスト信号は極めて小さく、アプリケーションの雑音フロア中あるいはその近辺に存在していることもある。アナライザーの入力減衰値を0dBに設定し、信号を雑音レベルよりも上に持ち上げなければならない。
 アナライザーのユーザーは計測機器の挙動を理解する必要がある。どのようなときに圧縮が起こりそうかを推定するためだ。また大きな信号が回路のどの部分に影響するか、ディスプレイの警告表示をどのように解釈するかを知る必要がある。米アジレント・テクノロジー社のスペクトラム・アナライザー「E4440A」は2個の検出器を搭載しており、アナライザーが過負荷状態になって適切な信号を表示できないときに警告を出す(図A-1)。一連の警告を理解するためには、圧縮の測定について理解しなければならない。
 1dB SSB利得圧縮点の測定には、テスト信号と干渉信号を用いる。2つの信号源からこの2つの信号を生成し、RF方向性結合器を用いて相互干渉しないように組み合わせる。結合させた信号の形がSSB信号と似ているので、この測定法をSSB法と呼ぶ。テスト信号は−25dBmの搬送波とする。干渉信号のパワー・レベルは−20dBm〜+10dBmまで変えていく。パワー・メーターを用いることによって全領域で両方の信号を校正しなければならない。
信号を分離する
 アナライザーの最終IF(中間周波数)フィルターが信号周波数の分離量を決定し、アナライザーが適切な結果を出力できるようにする。周波数があまり接近していると、最終IF段に過負荷の恐れが出てくる。アナライザーのディスプレイに表示される信号がひずんでしまう。
 目安としては、2つの信号周波数はRBW(分解能帯域幅)の少なくとも15倍は離すことだ。そうすれば、強い信号が最終IF段の経路に影響しない。10kHzのRBWを用いるときは、150kHz以上離す。多くのアナライザーは、過負荷検出器を備えていないか、あるいは1個だけ内蔵している。この場合はテスト信号を観測し、テスト信号が圧縮曲線に従うように、飽和しないようにしなければならない。
 両方の信号源の出力をパワー・メーターで測定するところから圧縮点の測定が始まる。テスト信号の周波数を「F」、干渉信号の周波数を「F-offset」とする。次にパワー・メーターを切り離し、両信号をアナライザーに印加し、アナライザーをテスト信号の周波数に設定する。ここで周波数幅は100kHz、RBWは10kHz、減衰量は0dBとする。テスト信号の入力パワーを−25dBmに保持し、干渉信号を−20dBmから0dBmまで5dBステップで上げていき、次いで10dBmまで1dBステップで上げる。各ステップでテスト信号が元の−25dBmの値になっているか否かを調べ、変化量をデシベル単位で記録する。変化量が−1dBになるまで記録を続ける。その後、別のRF周波数でも同じ測定を実行する。この測定では、RF周波数は50MHz、200MHz、1000MHz、1400MHz、および2500MHzとした。
 表A図A-2は、周波数1GHzにおけるスペクトラム・アナライザーE4440Aの測定例である。この周波数だと、1dBの差はスペクトラム・アナライザーへの入力レベルが8.28dBmのときに発生した。入力信号のレベル(表Aの左側の列)が干渉信号のレベル(表Aの左側から2列目)よりも低くなっているのは、結合回路網の結合損失のためである。

表A スペクトラム・アナライザー「E4440A」における利得圧縮
スペクトラム・アナライザーへの入力(dBm) 干渉信号(dBm) テスト信号(dBm) 圧縮(dB) 圧縮点
-20 -18.04 -25 0  
-10 -7.92 -25 0  
-5 -2.92 -25 -0.04  
0 2.08 -25 -0.11  
1 3.08 -25 -0.12  
2 4.1 -25 -0.14  
3 5.1 -25 -0.16  
4 6.1 -25 -0.2  
5 7.1 -25 -0.26  
6 8.1 -25 -0.36  
7 9.1 -25 -0.54 初段のIFが過負荷
8 10.1 -25 -0.87 初段のIFが過負荷
8.28 10.38 -25 -1 初段のIFが過負荷
9 11.1 -25 -1.49 初段のIFが過負荷
10 12.1 -25 -2.79 初段のIFが過負荷
1. 結合回路網の出力に−25 dBmのテスト信号を得るには、結合回路網の入力に−8.64 dBmの信号を印加しなければならない。
2. テスト信号の周波数=1000MHz
3. 干渉信号の周波数=997MHz
4. 周波数幅=100kHz、RBW=10kHz

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用語解説 / 会社情報
【RF】
radio frequency
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*1)参考文献
ダン・ストラスバーグ、「最新のスペクトラム・アナライザー、無線通信技術の進化に追随」、EDNJapan、2001年6月号、no.4、pp.67-72.
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【IF】
intermediate frequency
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【RBW】
resolution bandwidth
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【QAM】
quadrature amplitude modulation
直交振幅変調
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【米アジレント・テクノロジー社】
Agilent Technologies Inc.
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.agilent.com/
国内連絡先はアジレント・テクノロジー。
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.agilent.co.jp/
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【米ナショナルインスツルメンツ社】
National Instruments Corp.
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.ni.com/
国内連絡先は日本ナショナルインスツルメンツ。
同社のホームページ・アドレスは下記の通り。
http://www.ni.com/jp/
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*2)
本誌2002年11月号、p.109にも概要を掲載。国内価格は182万5000円。
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【PXIバス】
米ナショナルインスツルメンツ社が開発した計測・制御用バス・インターフェース規格。CompactPCIバスを拡張した。
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【SFDR】
spurious-free dynamic range
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ヨープ・クラーセン*)
現在、同社信号解析部門の技術サポート・エンジニアを務める。
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