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designideas
2003年2月号
分解能が1μVの高精度D-A変換回路

ステファン・ウッドワード 米ノース・カロライナ大学
Stephen Woodward University of North Carolina
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 現在、多種多様なD-A変換器LSIが製品化されている。D-A変換器を使うほとんどのアプリケーションでは、これらのチップ1個を使うだけで簡単に対応できる。
 しかし、時として複数のチップを必要とするケースがある。1つは、電源をオフにしても装置のセッティングを保存しておく必要がある場合。もう1つは、1μV以下の出力分解能と安定性が求められる場合である。
 図1は、米カタリスト・セミコンダクター社*のDPP IC(デジタル方式のプログラマブル・ポテンショメーター)と、米テキサス・インスツルメンツ社*の電流リファレンスICを使って、セッティングの保存と1μV以下の分解能を実現した回路である。白金とロジウムの合金を使った高温用熱電対*1)の出力を正確に制御するには、1μV以下の分解能が欠かせない。この熱電対の熱起電力(ゼーベック係数)は6μV/℃と小さい。従って、電圧源には1μV程度の安定性と精度が必要になる。
 出力変動を低く抑えるには、オフセット電圧の温度係数が1nV/℃を大きく超えないチョッパー安定化アンプのような能動素子を使う手法が一般的だ。しかし今回は異なるアプローチを採用した。電流分割と受動素子を使う手法で、アンプは使わない。電流リファレンスIC「REF200」は、2つの出力端子があり、それぞれの端子から100μAのリファレンス電流を出力する。この2つの電流出力は、DPPであるIC1とIC2の摺動子(ワイパー)端子に接続する。
 IC1に入力された電流は、あらかじめプログラムしておいたワイパー比K1によって2つの電流I1とI2に分割される。I1とI2の電流値は、I1=K1×100μA、I2=(1−K1)×100μAである。その後I1は、直列に接続した48Ωと1Ωの抵抗を流れる。従って、K1が0〜1に変化すると、出力電圧は0〜5mVに変化することになる。この動作は単純で、出力変動は起こらない。
 しかし1つのDPPが有する出力分解能だけでは、高精度アプリケーションへの対応は不十分と言わざるを得ない。IC1に使用した「CAT5113」は、ほかのDPPと同様に抵抗値の選択多様性とセッティングの保存機能を備えている。しかし分解能は100ステップ、つまり7ビット弱しかないからだ。これでは50μV程度の分解能しか得られない。そこで第2のDPPであるIC2を追加した。IC2の出力電流を1Ωの抵抗に流すことで、解像度を50倍に高められる。すなわちIC2が0〜100μVの出力電圧を担うことになる。
 従って、総合的な出力はV=K1/200+K2/ 10000となり、0〜5mVの範囲で出力を1μVの分解能で制御できる。この回路は、高精度な温度計測装置や制御システムで使用する熱電対の制御などに最適だ。

用語解説 / 会社情報
【米カタリスト・セミコンダクター社】
Catalyst Semiconductor,Inc.
ホームページはhttp://www.catsemi.com
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【米テキサス・インスツルメンツ社】
Texas Instruments Inc.
ホームページはhttp:// www.ti.com
本文に登場する「REF200」は、同社が買収した米バー・ブラウン社の製品である。
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*1)
白金とロジウムの合金を使った熱電対は800〜1600℃と高い温度で用いられる。
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