マイクロプロセッサーとマイクロコントローラー(マイコン)は、組み込み機器に欠かせない半導体製品である。4ビット、8ビット、16ビット、32ビット、64ビットのさまざまなプロセッサーが、多種多様な機器に使われてきた。
華々しい宣伝文句と共に登場するパソコン/サーバー用マイクロプロセッサーと異なり、組み込み用プロセッサーの動きは地味であり、着実でもある。動作周波数の上限を競ったりはしない。価格や消費電流、回路面積、パッケージ、カスタム対応、設計変更の容易さ、設計資源の再利用性、品種変更に伴う移植性などが極めて重要である。動作周波数とMIPS*値はもちろん大切だ。ただしこれらの値は、消費電流や回路面積などの制約条件を満足して初めて、採用検討に値することになる。
ビット幅と命令セット・アーキテクチャーでマイコン製品を分けると、16ビット以下がCISC*、32ビット以上がRISC*というのがこれまでのおおまかな図式だった。最近では、32ビットRISCマイコンの下位品種が16ビットCISCマイコンの上位品種と競合している。32ビットRISCプロセッサー・コアの方がコアの回路面積を小さくしやすいからだ。一方で、8ビット・マイコンが16ビットへの移行を妨げるべく改良を進めている。CISCマイコンでは、アドレス空間を広げて16ビット品並みの広さを確保した製品がある。さらには、RISCアーキテクチャーの8ビット品が増えてきた。8ビットのRISCマイコンだと16ビットのCISCマイコンに比べ、コアの回路面積は小さく、しかも動作周波数が高い。
組み込み機器では機器開発の最終段階まで、プログラムの変更や修正が発生せざるを得ない。このためマイクロコントローラーでは、フラッシュ・メモリー内蔵品(フラッシュ・マイコン)が急速に台頭してきた。8/16/32ビット品では、製品系列のすべてにフラッシュ・メモリー内蔵品を用意したメーカーすらある。
カスタム対応で近年、急速に勢力を拡大しつつあるのがソフトウエア・プロセッサー・コアだ。キャッシュ容量やオンチップ・バス幅などを選べる。独自の命令セットや動作性能、消費電流などをあらかじめ定義しておけるコアもある。
以下に、メーカー別の製品概要と主要製品の一覧表を掲載する。対象としたのは組み込み用途のマイクロプロセッサーとマイクロコントローラーである。ネットワーク・プロセッサーとDSPは掲載していない。プロセッサー・コア製品とプロセッサー・コアを埋め込んだプログラマブル・デバイスは対象に含めた。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)社
米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)社
Advanced Micro Devices, Inc.
http://www.amd.com/
国内連絡先:日本AMD
http://www.amd.com/jp-ja/
米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)社は2002年2月、米アルケミー・セミコンダクタ社(Alchemy
Semiconductor, Inc.)を買収した。同社が開発、販売していたEnhanced MIPS32命令セット・アーキテクチャー採用の32ビットRISCマイコンをAMD社は引き続き開発、サポートしている。
アルケミー社がAMD社の事業部門となってから最初の製品が「Au1100」である。サンプル出荷をすでに始めた。ネットワーク対応の携帯型情報機器を狙う。液晶コントローラー、SDRAM*コントローラー、USB*デバイス/ホスト・コントローラー、10/100Baseのイーサーネット・コントローラー、2チャンネルのSDカード・コントローラー、PCMCIA*インターフェース、AC'97コントローラーなどの周辺回路を搭載している。動作周波数400MHzにおける消費電力は250mWと極めて低い。
このほか、Au1100の前世代品「Au1000」と、32ビットPCI*コントローラー内蔵品である「Au1500」も引き続き販売している。
AMD社が組み込み向けに従来から販売していた製品には、ペンティアム互換プロセッサー・コア「Am5x86」を内蔵した32ビット・マイコン「エラン(Elan)SC520」がある。リアルタイム用途やPC/AT互換の組み込み用途に向く。ウインドウズNT搭載の組み込み機器にも対応する。PC/ATの周辺回路、32ビットPCIバス・インターフェース、32ビットSDRAMインターフェース、デバッグ機能、ICE機能を搭載した。
アルテラ社
米アルテラ社
Altera Corp.
http://www.altera.com/
国内連絡先:日本アルテラ
http://www.altera.co.jp/
米アルテラ社は、マイクロプロセッサー関連製品を2品種供給している。1つは、ARMアーキテクチャーのプロセッサー・コアとFPGA*を混載したLSI「エクスカリバー(Excalibur)」である。プロセッサー部は32ビットRISCコア「ARM922T」で、このほか256KバイトSRAM*、128Kバイト・デュアル・ポートRAM*、UART*やタイマーなどの周辺回路、SDRAMコントローラー、デバッグ用ポートなどのハード・マクロを搭載する。
もう1つは、ソフトウエア・プロセッサー・コア「ニオス(Nios)」である。同社のFPGAに埋め込むために開発された。ユーザーがあらかじめ仕様をカスタマイズできる。Niosは32ビットのRISCアーキテクチャーを採る。データ・バスは32ビットと16ビットのいずれかを選択できる。UARTやタイマーなどの周辺回路コア、ミドルウエア、開発ツールをアルテラ社とサード・パーティー企業が用意している。
アナログ・デバイセズ社
米アナログ・デバイセズ社
Analog Devices, Inc.
http://www.analog.com/
国内連絡先:アナログ・デバイセズ
http://www.analog.co.jp/
米アナログ・デバイセズ社は、8052と命令互換のプロセッサー・コアを内蔵した8ビットCISCマイコン「ADuC8xx」ファミリーを供給中である。いずれも逐次比較型あるいはΔΣ型の12/16/24ビットA-D*変換器を複数個、それからフラッシュ・メモリーを搭載した。
ADuC812は8チャンネル入力の12ビットA-D変換器と2個の12ビットD-A変換器などを集積した。温度センサーも備えている。ADuC816は2個の16ビットA-D変換器、ADuC824は1個の16ビットA-D変換器と1個の24ビットA-D変換器をそれぞれ搭載した。
アーク・インターナショナル社
英アーク・インターナショナル社
ARC International plc
http://www.arc.com/
(日本語)http://www.arcinternational.jp/
英アーク・インターナショナル社は、ユーザーがあらかじめ仕様を定義可能なソフトウエア・プロセッサー・コア(論理合成可能なシンセサイザブル・コア)「ARCtangent」の開発企業である。ASICやFPGAなどへの埋め込みを狙う。アーキテクチャーは独自仕様の32ビットRISC、4段パイプラインである。オプションでDSP機能を用意した。ユーザーがあらかじめ定義できる項目は、命令セット、レジスター・ファイル、入出力インターフェース、割り込み、命令キャッシュとデータ・キャッシュ、バス・インターフェース、消費電力、電源電圧など。
アーム社
英アーム社
ARM Ltd.
http://www.arm.com/
国内連絡先:アーム
http://www.jp.arm.com/
英アーム社は組み込み機器用プロセッサー・コアの大手ベンダーである。独自アーキテクチャー「ARMアーキテクチャー」の32ビットRISCプロセッサー・コアをライセンス形式で数多くの半導体メーカーに提供している。
現在最も普及しているのは、ロー・エンドのARM7コア・ファミリーである。ARM7コアは外部16ビット・バス、3段のパイプライン、命令/データ一体型キャッシュ・メモリーなどの要素技術で構成されている。中でも最も数多くの機器に利用されているのが「ARM7TDMI」コアである。ARMv4と呼ばれている命令セット・アーキテクチャーに16ビット長の命令セット「Thumb(サム)命令セット」を追加したARMv4Tと呼ぶ命令セット・アーキテクチャーを採用した(記号Tは、Thumb命令セットを意味する略号)。
ARM7コアの上位品種となるのがARM9コア・ファミリーである。ARM9コアでは、外部バスを32ビットに広げる、パイプラインの段数を5段に増やす、命令キャッシュとデータ・キャッシュを分離するといった改良を実施した。
さらに上位のARM10コア・ファミリーでは、内部バスを64ビットに広げる、パイプラインを6段とさらに深くすると共に静的分岐予測機構を設ける、キャッシュ・ミス時にもプロセッサー・コアがキャッシュにアクセスできるといった変更を加えた(本誌2002年7月号、pp.69-75に製品の詳細を掲載)。
命令セット・アーキテクチャーでは、ARMv4TにDSP拡張命令セットを追加したARMv5TEアーキテクチャーを、続いてJavaアクセラレーター技術(Jazelle技術と呼ぶ)を追加したARM v5TEJアーキテクチャーを開発してきた(EはDSP拡張命令を、JはJazelle技術を意味する略号)。さらに、SIMD機能を追加するなどでマルチメディア処理に対応した、最新版のARMv6アーキテクチャーを開発した(本誌2002年9月号、pp.73-77に概要を掲載)。
またハードウエア・マクロだけでなく、論理合成可能な(シンセサイザブルな)ソフトウエア・マクロのプロセッサー・コアも供給している。最近ではむしろ、ソフトウエア・マクロの方がコア製品としては主流になりつつある。なおソフトウエア・マクロ製品は、製品名の末尾に「-S」を追加してハードウエア・マクロと区別している。
このほかスマート・カードや電子商取引向けに、暗号化回路を組み込んだコア「セキュアコア(SecureCore)」を供給中である。
アータイル・マイクロシステムズ社
米アータイル・マイクロシステムズ社
ArTile Microsystems, Inc.
http://www.artilemicro.com/
国内連絡先:東芝 セミコンダクター社
http://www.semicon.toshiba.co.jp/
米アータイル・マイクロシステムズ社は、東芝が2001年4月に設立したマイクロプロセッサー・コアの開発およびマーケティング企業である。MIPS命令セット・アーキテクチャーの64ビットRISCプロセッサー・コア「TX79」およびマイクロプロセッサー「TX79ファミリー」を開発、製品化した。
これらのプロセッサー・コアとマイクロプロセッサーは、東芝が製品化しているTXファミリーのハイ・エンド製品になる。TX79コアには、6段のパイプライン、2ウエイのスーパースカラー(2命令同時発行)、128ビットの内部データ・バス、128ビット幅のマルチメディア処理命令といった高性能化技術をつぎ込んでいる。なおTX79コアは、ソニー・コンピュータエンタテインメントと東芝が共同開発したテレビ・ゲーム機「プレイステーション2」用プロセッサー・チップ「エモーション・エンジン」のコアが原型である。
TX79ファミリーの「TX7901」ファミリーは、TX79コアにSDRAMコントローラー、PCIコントローラー、2個のイーサーネットMAC*などを追加したマイクロプロセッサーである。2個のPCIコントローラーを搭載した「TX 7901」と、I2Cバスを搭載した「TX7901A」を用意した。
アトメル社
米アトメル社
Atmel Corp.
http://www.atmel.com/atmel/products/prod23.htm
国内連絡先:アトメルジャパン
03-3523-3551
米アトメル社は、独自アーキテクチャーの8ビットRISCプロセッサー・コア「AVR」と周辺回路に5000〜4万ゲートのFPGAを混載したLSI「FPSLIC」を供給している。最大で36Kバイトの命令/データ用メモリーと2線式のシリアル・インターフェースを搭載する。プロセッサー・コアのAVRは、命令長16ビット、データ長8ビット。32ビットの数値演算処理能力を有する。2段のパイプライン構成である。8本の32ビット汎用レジスターを搭載しており、プロセッサーは複数のデータに並行してアクセスできる。このほか、AVRコアを内蔵する8ビット・フラッシュ・マイコンも製品化している。
ブロードコム社
米ブロードコム社
Broadcom Corp.
http://www.broadcom.com/
国内連絡先:ブロードコム ジャパン
03-5908-3041
米ブロードコム社は、MIPS64命令セット・アーキテクチャー採用の64ビットRISCマイクロプロセッサー「BCM
1250」を製品化している。このプロセッサーは同社のプロセッサー・コア「SB-1」を2個内蔵したマルチコア・プロセッサーである。動作周波数は600M〜1GHzに達する。2個のプロセッサー・コアはそれぞれ32Kバイトの1次キャッシュを備える。512Kバイトの2次キャッシュは2個のコアが共有する。内蔵する周辺回路は、オンチップ・バス「ZBbus」で接続してある。高いデータ転送速度を確保するため、ギガビット・イーサーネットMACとハイパートランスポートに対応した。
このほか、SB-1コアを1個内蔵した「BCM112x」シリーズがある。このプロセッサーもギガビット・イーサーネットMACとハイパートランスポートに対応している。
サイバネティック・マイクロ・システムズ社
米サイバネティック・マイクロ・システムズ社
Cybernetic Micro Systems, Inc.
http://www.controlchips.com/
国内連絡先:グローバル電子
03-3260-1411
米サイバネティック・マイクロ・システムズ社は8051互換の組み込み機器用8ビット・マイコン「P-51」を供給中である。8051アーキテクチャーを基本に8052の機能を実現した。このマイコンは機器中で、ホスト・プロセッサーと組み合わせる周辺プロセッサーとして使う。EISA(Extended
Industry Standard Architecture)バスとPC104バスのコントローラーを内蔵しており、ISAボードやPC104モジュールに容易に搭載できる。
このマイコンの動作は例えば以下のようにして始まる。電源投入後のリセット期間に、内蔵のプログラム用RAMに外部のホスト・プロセッサーからプログラムをダウンロードする。その後にホストがP-51を解放すると、プログラムの実行が始まる。
シグナル・インテグレーテッド・プロダクツ社
米シグナル・インテグレーテッド・プロダクツ社
Cygnal Integrated Products, Inc.
http://www.cygnal.com/
国内連絡先:三洋電機
http://www.semic.sanyo.co.jp
米シグナル・インテグレーテッド・プロダクツ社の「C8051Fxxx」ファミリーは、8051マイコンとフル互換の8ビット・フラッシュ・マイコンである。内蔵フラッシュ・メモリーの書き換え単位は512バイト。周辺回路としては12ビットA-D変換器、12ビットD-A変換器、発光ダイオードを駆動できるデジタル入出力ポートなどを備える。JTAG*のオンチップ・デバッグにも対応している。
2002年9月には、5mm角の小型パッケージに封止した品種や動作周波数を50MHzに向上させた品種、CAN*2.0Bコントローラー搭載品を追加した。
サイプレス・マイクロシステムズ社
米サイプレス・マイクロシステムズ社
Cypress MicroSystems, Inc.
http://www.cypressmicro.com/
国内連絡先:日本サイプレス
http://www.cypress-japan.co.jp/
米サイプレスセミコンダクタ社の子会社である米サイプレス・マイクロシステムズ社の「PSOC(programmable
system on chip)」ファミリーは、ユーザーがさまざまなアナログ/デジタルの周辺回路を定義できる8ビット・フラッシュ・マイコンである。アナログ回路の基本ブロック、デジタル回路の基本ブロックをそれぞれいくつか組み合せることによって必要な回路を構成する。
例えばアナログ回路では、1個のアナログ基本ブロック(スイッチド・キャパシター回路で構成)で6ビットのA-D変換器、2個のアナログ基本ブロックで低域通過フィルターを実現できる。D-A変換器や比較器なども構成できる。デジタル回路だと、1個のデジタル基本ブロックで8ビットのタイマーやカウンターなどを実現できる。基本ブロックの組み合わせによって、PWM*回路、シリアル・インターフェース回路、UART回路も構成できる。
これらの基本ブロックと内蔵メモリー(フラッシュ・メモリーとSRAM)、パッケージのピン配置を選択することによって目的のマイコンをユーザーが設計する。設計ツールはGUIベースなので、容易に設計を進められる。
ダラス・セミコンダクター社
米ダラス・セミコンダクター社
(米マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ社)
Dallas Semiconductor Corp.
(Maxim Integrated Products, Inc.)
http://www.maxim-ic.com/
国内連絡先:マキシム・ジャパン
http://www.maxim-ic.com/
米マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ社の子会社である米ダラス・セミコンダクター社は、8051マイコンと命令セット互換の8ビット・マイコン・ファミリーを供給している。8051ファミリーと互換の「DS80C320、DS87C520、DS87C530、DS89C420」、ネットワーク・コントローラー内蔵品の「DS80C390、DS80C400」、セキュリティー用途に向けた「DS500x、DS5240、DS225x
」、A-D変換器を内蔵した「DS87C550、MAX765x」などがある。富士通
富士通
Fujitsu Ltd.
http://edevice.fujitsu.com/jp/
富士通は8ビット/16ビット/32ビットのマイコン・ファミリーを供給している。
8ビット品では独自アーキテクチャーのCISCマイコン「F2MC-8Lファミリ」を用意した。周辺回路や内蔵メモリー容量、オプションの違いによって30を超える製品系列(サブファミリー)をそろえた。標準品、UART内蔵品、液晶コントローラー内蔵品、VFD*(蛍光表示管)コントローラー内蔵品、DTMF*内蔵品、インバーター制御回路内蔵品、USBコントローラー内蔵品がある。
16ビット品も独自アーキテクチャーのCISCマイコンである。「F2MC-16Lファミリ」、「F2MC-16LXファミリ」、「F2MC-16Fファミリー」などの製品系列がある。ビット、ニブル、バイト、ワード、ロング・ワードのデータ形式を扱え、23のアドレッシング・モードをサポートする。アドレス・メモリー空間は16Mバイト。バンク・アドレスとリニア・アドレスの両方をサポートする。汎用標準品、液晶コントローラー内蔵品、CANコントローラー内蔵品、交流/直流モーター制御回路内蔵品などがある。
32ビット品では、独自アーキテクチャーのRISCマイコン「FRファミリ」を製品化している。16ビット固定長命令を採用すると共に組み込み機器で多用する命令を160個追加した。プロセッサー・コアは5段のパイプライン構成、ハーバード・アーキテクチャーである。
2002年には1mA/MHzの低消費電流コアを搭載する「FR60Liteシリーズ」を開発した。同社従来の32ビット・プロセッサー・コアに比べ、消費電力を約40%削減したという。
日立製作所
Hitachi, Ltd.
http://www.hitachisemiconductor.com/sic/jsp/japan/jpn/PRODUCTS/MPUMCU/
日立製作所は、独自アーキテクチャーによる4ビット/8ビット/16ビット/32ビットの多種多様なマイコン・ファミリーを供給中である。8ビット/16ビット/32ビットではいずれもフラッシュ・メモリー内蔵品「F-ZTATマイコン」を用意した。
16ビット品では、小型パッケージ品の拡充に力を入れ始めた。10mm角あるいは7mm角と小さな表面実装型パッケージに封止した「H8/300H
Tinyシリーズ」である。いずれの品種にもフラッシュ・メモリー内蔵品を用意した。最近ではCANコントローラー内蔵品を追加している。
32ビット品では、RISCコア「SuperH」を順次改良した「SuperH RISC engineファミリ」を製品展開してきた。現在では、ロー・エンドからハイ・エンドの順に「SH-1」、「SH-2」、「SH2-DSP」、「SH-3」、「SH3-DSP」、「SH-4」の6種類のプロセッサー・コアを用意している。
SH-1コアあるいはSH-2コアを内蔵した製品は、ROMおよびRAMを内蔵したワンチップ・マイコンが主体である。中でもSH-2コア内蔵品は、CANコントローラー搭載品やUSBコントローラー搭載品など周辺回路の異なるさまざまなサブファミリーを製品化している。SH-1とSH-2の大きな違いは、SH-1はキャッシュ非搭載で16ビット乗算器を内蔵したのに対し、SH-2コアは最大4Kバイトのキャッシュと32ビット乗算器を搭載した点にある。またSH2-DSPコアは、SH-2に16ビット整数のDSP機能を追加した。
さらに上位のSH-3コアは、最大32Kバイトのキャッシュやメモリー管理ユニットなどを内蔵した。SH3-DSPコアは、SH-3に16ビット整数のDSP機能を追加したコアである。最上位のSH-4コアは、2命令同時発行のスーパースカラー構成を採る。
IBMマイクロエレクトロニクス社
米IBMマイクロエレクトロニクス社
IBM Microelectronics
http://www.chips.ibm.com/
国内連絡先:日本アイ・ビー・エム
http://www-6.ibm.com/jp/chips/
米IBMマイクロエレクトロニクス社は、パワー(Power)PCアーキテクチャーの32ビットRISCマイクロプロセッサーを供給中である。ロー・エンドの「403/405」からミドル・クラスの「440」、ハイ・エンドの「750」まで性能が大幅に異なる製品群を用意した。
インプロブ・システムズ社
米インプロブ・システムズ社
Improv Systems, Inc.
http://www.improvsys.com/
米インプロブ・システムズ社は、ユーザーが演算性能や電源電圧、周辺回路、データ・パスなどをあらかじめカスタマイズできるプロセッサーを供給している。このプロセッサー「Jazz」は、VLIW*アーキテクチャーを採用した32ビット・プロセッサーである。データ・パスとしては32ビットあるいは16ビットを選べる。専用の設計ツールを用意した。
インフィニオンテクノロジーズ社
独インフィニオンテクノロジーズ社
Infineon Technologies AG
http://www.infineon.com/
国内連絡先:インフィニオンテクノロジーズジャパン
http://www.infineon.jp/
独インフィニオンテクノロジーズ社は、主として自動車分野に向けた8/16/32ビットのマイコンを製品化している。
8ビット品の「C500ファミリ」は、8051マイコンと上位互換である。CANコントローラー搭載品、モーター制御回路搭載品などを用意した。
16ビット品の「C166ファミリ」はパワー・トレインやボディー制御などのリアルタイム処理向けである。このファミリーもCANコントローラーおよびモーター制御回路を搭載した品種を用意している。
32ビット品は、DSP拡張を備えたアーキテクチャーのプロセッサー・コア「トライコア(TriCore)」を内蔵する。RISCチップ、CISCチップ、DSPのそれぞれの命令を包括した。ビット操作命令、高速コンテキスト・スイッチングなどの機能を備える。2本の4段パイプラインとループ制御用の副パイプラインによるスーパースカラー構造を採用した。3本のパイプラインが並列に動作するので、1クロック・サイクルで最大3命令を処理する。命令長としては32ビット命令と16ビット命令の両方を利用できる。
TriCoreを採用したマイコン製品には例えば、自動車のパワー・トレイン用マイコン「TC1775」、テレマティックス用マイコン「TC1920」、工業用通信マイコン「TC11IB」などがある。
インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)社
米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)社
Integrated Device Technology, Inc. (IDT)
http://www.idt.com/
国内連絡先:日本IDT
http://www.idt.co.jp/
米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)社は、MIPSアーキテクチャーの32ビットRISCマイクロプロセッサーを供給中である。MIPSアーキテクチャーのプロセッサー・コアを内蔵し、SDRAMコントローラーやPCIインターフェースなどの周辺機能を取り込んだ。通信/ネットワーク機器や外部記憶装置などに向けた。
2002年11月には、パケット処理などのスループットを高めた「RC32438」を発売した。266MHzのDDR
SDRAMコントローラーや66MHzの32ビットPCIコントローラーなどを内蔵している(本誌2003年1月号、p.93に概要を掲載)。
インテル社
米インテル社
Intel Corp.
http://www.intel.com/
国内連絡先:インテル
http://www.intel.co.jp/
米インテル社は、サーバーやパソコン以外の用途にも、さまざまなマイクロプロセッサーとマイコンを供給している。
携帯型情報機器や携帯電話機などに向けては、32ビットRISCマイクロプロセッサーを用意した。StrongARMアーキテクチャーまたは、同アーキテクチャーを改良したXScaleアーキテクチャーのプロセッサー・コアを組み込んだ。その最初の製品がStrongARMアーキテクチャー採用のマイクロプロセッサー「SA-1110」である。液晶コントローラー、メモリー・カード・インターフェース、USBインターフェースなどを内蔵している。携帯型情報機器(PDA)に採用された。
SA-1110の上位品種が「PXA250」と「PXA210」である(本誌2002年3月号、p.22に概要を掲載)。XScaleアーキテクチャーの採用によって積和演算命令を追加すると共に、オンチップ・キャッシュの容量を増やして性能を向上させた。すでに量産を開始しており、PDAに採用されている。
フラッシュ・メモリーをマルチチップ・パッケージとして組み込んだのが「PXA261/262」である。携帯電話機に向けた。PXA261は16Mバイト、PXA262は32Mバイトと大容量のフラッシュ・メモリーを搭載した。プロセッサー・チップは「PXA250/210」を元に、消費電流を下げると共に周辺回路を一部変更している。
なお携帯型情報機器向け製品では今後、マルチメディア処理機能を強化していく予定である。2002年秋に米インテル社が米国で開催した開発者向け会議で、「Wireless
MMX」と称して回路動作を実演してみせた。ただしペンティアム(Pentium)・プロセッサーのMMXは浮動小数点演算に対応していたが、今回のマルチメディア処理機能は固定小数点のみの対応とする予定である。
そのほかの組み込み用途には、さまざまなマイクロプロセッサー製品を供給している。186/386/486系マイクロプロセッサーとPentiumII/III/4プロセッサー、セレロン(Celeron)・プロセッサー、ジーオン(Xeon)・プロセッサーがある。日本国内では、金融機関のATM(自動現金預け払い機)や航空会社のチェックイン端末などの対話型端末向けと、産業用コントローラーや測定機器、製造装置などのFA機器向けが主体である。両分野で組み込み向けの60〜70%を占めるという。
サーバーやパソコンなどに向けたマイクロプロセッサー製品と違い、組み込み用製品では、@5年〜7年といった長期間の供給を保証する、A組み込み用途に向けたチップ・セットを推奨・提供する、B仕様の一部が異なるプロセッサーを組み込み専用に用意、といったサービスを展開している。例えばパソコン向けのチップ・セットは通常、誤り訂正機能を備えていない。このためマイクロプロセッサーによっては、パソコン向けで組み合わせるチップ・セットとは異なる品種を推奨したり、用意したりしている。
ユーザーの新規設計向けに販売しているのは主に、PentiumIII以降のプロセッサーである。要求性能に応じたマイクロプロセッサー製品を提供する。「パフォーマンス」、「ロー・パワー」、「スケーラブル」と呼ぶ3つの領域に分けて製品を用意した。
パフォーマンス(性能追求)の領域で消費電力が40Wを超えてもよい用途には、組み込み用のXeonプロセッサー(動作周波数2.0G/2.4GHz、FSB*(フロント・サイド・バス)周波数400M/533
MHz)を提供している。RAID*方式を採用した外部記憶装置用コントローラーや画像処理装置用コントローラーなどがこのようなプロセッサーを要求するという。
動作時の消費電力を30〜40Wにとどめたい用途には、PentiumIIIプロセッサー(動作周波数1.26GHz、FSB周波数133MHz)と低電圧版Xeonプロセッサー(同1.6GHz、同400MHz)を用意した。さらに10〜25Wに抑えたい用途には、低電圧版のPentiumIIIプロセッサー(動作周波数800M/933MHz、FSB周波数133MHz)で対応する。
ロー・パワー(装置の大きさが決まっているために実装密度が比較的高くなる)領域には、電源電圧を下げて消費電力を抑えたマイクロプロセッサーを提供する。消費電力が10〜15Wの用途には低電圧版のPentiumIIIプロセッサー(動作周波数800M/933MHz、FSB周波数133MHz)を用意した。ただし、性能追求型の用途とは異なり、組み合わせるチップ・セットは誤り訂正に対応しない。消費電力が7〜8Wと低い用途には、超低電圧版のCeleronプロセッサー(動作周波数650MHz、FSB周波数100MHz)を、3〜4Wとさらに低い用途には超低電圧版のCeleronプロセッサー(動作周波数400MHz、FSB周波数100MHz)を供給中である。
このほかスケーラブル(コストを抑えたい組み込み機器)領域には、Pentium 4プロセッサー(動作周波数2.0G/
2.4GHz、FSB周波数400M/533MHz)やCeleronプロセッサー(同1.2GHz、同100MHz)を用意した。
川崎マイクロエレクトロニクス
Kawasaki Microelectronics, Inc.
http://www.k-micro.com/
川崎マイクロエレクトロニクスは、米ザイログ社の8ビット・マイコン「Z80」とバイナリー互換のマイコンを製品化している。
16ビット・マイコンの「KC160マイコンシリーズ」は、Z80の上位互換品である。Z80に換算して100MHz以上の性能を実現できるという。8ビット・マイコンの「KC80マイコンシリーズ」は、Z80のフル互換品である。アドレス・メモリー空間を1Mバイトに拡張した製品やHDLC*インターフェース搭載製品などを用意した。
松下電器産業
松下電器産業(半導体社)
Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
http://www.panasonic.co.jp/semicon/
松下電器産業は、4ビット/8ビット/16ビット/32ビットのマイコンを製品化している。主力品種は8ビット/16ビット/32ビットのマイコン・ファミリー「AMシリーズ」である。C言語によるファームウエア開発を前提にしたこと、8ビット/16ビット/32ビットの品種間でアーキテクチャーを統一したことなどの特徴を有する。C言語による使用頻度の高い基本命令のほとんどを1バイト長に収めた。
AMシリーズの8ビット品である「AM1(MN101)シリーズ」は一般家電機器向けである。1バイト長の基本命令に対して命令を4ビット(ハーフ・バイト)単位で拡張する可変長命令セットを採用した。また、直前に使ったアドレスを再利用する機能(ハンディ・アドレッシング)を設けた。これらの機能により、プログラムが必要とするメモリー容量を抑えている。
AMシリーズの16ビット品である「AM2(MN102)シリーズ」はDVD装置やハード・ディスク装置、プリンターなどに向けた。3段のパイプライン構成を採る。
AMシリーズの32ビット品である「AM3(MN103)シリーズ」は光ディスク装置やデジタル・スチル・カメラ、デジタル・テレビ受像機、携帯型情報機器などに向けた。5段のパイプライン構成、命令メモリーとデータ・メモリーを独立させたハーバード・アーキテクチャーを採る。
32ビット品の中で、インターネット接続の家電機器向けに用意したのが「AM33(MN103E)シリーズ」だ。バス・インターフェースにクロスバー・スイッチを内蔵したのが特徴である。このため、3種類のマスター・ポートから4種類のスレーブ・ポートに1クロック・サイクルで同時にアクセスできる。DSPユニット、浮動小数点演算ユニット、16Kバイトずつの命令/データ・キャッシュ、16KバイトのRAMなどを搭載した。
マイクロチップ・テクノロジー社
米マイクロチップ・テクノロジー社
Microchip Technology Inc.
http://www.microchip.com/
国内連絡先:マイクロチップ・テクノロジー・ジャパン
http://www.microchip.co.jp/
米マイクロチップ・テクノロジー社は、さまざまな周辺回路とメモリーを搭載した独自アーキテクチャー(PICmicroアーキテクチャー)の8ビットRISCマイコン「PIC(Peripheral
Interface Controller)」ファミリーを供給している。データ・メモリーとしてEEPROM*を内蔵するという特徴がある。
PICファミリーでは、さまざまなサブファミリーが販売されている。例えば「PIC12Cxxx/PIC12Fxxx」ファミリーは、8ピンと端子数の少ないパッケージ(DIP*あるいはSOP*)に封止した8ビット・マイコンである。命令長は12ビットあるいは14ビット。電源電圧は2.5Vである。
PIC12の上位製品である「PIC16 C5x」ファミリーは18〜28ピンのパッケージに封止した。命令長は12ビットである。電源電圧が2.0Vの低電圧版や電源電圧が15Vの高電圧版も用意した。
「PIC16Cxxx/PIC16Fxxx」ファミリーは8〜12ビットA-D変換器や比較器、基準電圧源、オペアンプなどのさまざまな周辺回路を搭載する。18〜68ピンのパッケージに封止した。命令長は14ビットである。
さらに上位の「PIC18Cxxx/PIC18 Fxxx」ファミリーは、USARTやI2Cなどのさまざまなシリアル・インターフェースと8/16ビット・タイマー、CAN
2.0Bインターフェースなどを内蔵する。命令長は16ビット。命令用バスとデータ用バスを独立に設けたハーバード・アーキテクチャーを採る。2段のパイプラインを内蔵する。
このほか無線通信機能を備えた「rf PIC」ファミリーもある。UHF(ultra high frequency)帯の送信回路を搭載した。変調方式はASKあるいはFSKに対応する。
ミップス・テクノロジーズ社
米ミップス・テクノロジーズ社
MIPS Technologies, Inc.
http://www.mips.com/
国内連絡先:ミップス・テクノロジーズ
http://www.mips.jp/
米ミップス・テクノロジーズ社は、独自アーキテクチャー「MIPSアーキテクチャー」による32ビットと64ビットのRISCプロセッサー・コア・ファミリーをライセンス供給している。
32ビット・アーキテクチャー(MIPS 32アーキテクチャー)によるプロセッサー・コアは、いずれも論理合成可能である。ロー・エンドの「4Kファミリー」は、5段のパイプライン、最大16Kバイトの命令/データ・キャッシュを備える。ミッド・レンジの「4KEファミリー」は、パイプラインが6段に、命令/データ・キャッシュ容量が最大64Kバイトに増えた。また16ビット長の命令セットを搭載した。
スマート・カードなどの暗号化用途に向けたのが「4KSファミリー」である。4KEコアに、暗号化処理用の命令セットやJavaコードの実行機能、保護機能付きメモリー管理ユニットなどを追加した。
また2002年には、マルチコア・プロセッサーに対応したコア「M4K」を開発した(本誌2002年8月号、pp.65-68に概要を掲載)。キャッシュを使わず、SRAMインターフェースによってオンチップ・メモリーと接続する。ユーザーが独自に定義した命令を追加できるという特徴を備える。
64ビット・アーキテクチャー(MIPS 64アーキテクチャー)は32ビット・アーキテクチャーの上位互換である。論理合成可能なコア「5Kファミリー」と最上位のハードウエア・マクロ・コア「20Kc」を供給している。
5Kファミリーは6段のパイプライン、浮動小数点演算ユニット・インターフェース、コプロセッサー・インターフェースなどを備える。20Kcは7段のパイプライン、2命令同時発行のスーパースカラー、3次元ジオメトリー処理用命令セット、浮動小数点ユニットなどを装備する。
三菱電機
Mitsubishi Electric Corp.
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
三菱電機は、4ビット/8ビット/16ビット/32ビットの多種多様なマイコンを製品化している。
32ビット品では、独自アーキテクチャーのRISCマイコン「M32Rファミリ」を供給中である。M32Rプロセッサー・コアは5段のパイプライン、積和演算機能(32×16ビットの乗算器と56ビットの累算器)などを備える。CANコントローラーと最大768Kバイトのフラッシュ・メモリーを搭載した「M32R/
ECUシリーズ」などのサブファミリーがある。
16ビット品では、独自アーキテクチャーのRISC風CISCマイコン「M16Cファミリ」を販売している。3段のパイプライン構成を採る。命令の70%を3サイクル以内に実行できる。
モトローラ社
米モトローラ社
Motorola, Inc.
http://www.motorola.com/
国内連絡先:モトローラ
http://www.mot.co.jp/
米モトローラ社は、パワーPC(Power PC)アーキテクチャーの32ビットRISCマイクロプロセッサーを主力とする。「MPC603e」、「MPC75x」、「MPC
74xx」のシリーズがある。最も新しい製品である「MPC7455」は動作周波数が1GHzに達した。PCIブリッジを内蔵した「MPC8241/8245」もある。ロー・エンドの民生機器向けに用意した。
通信分野向けには、「パワークイック(PowerQUICC)」ファミリーを供給している。PowerPCコアにプロトコル処理回路や通信インターフェースなどを追加した。最初の世代であるPower
QUICCファミリーの 「MPC850/860」(8xxコア)、第2世代であるPower QUICCIIファミリーの「MPC8250/
8260/8270/8280」(603eコア)がある。350社を超えるユーザーに対し、5000を超える設計事例を獲得しているという。次世代版であるPowerQUICCIIIファミリー「MPC8540/8560」(e500コア)では、ギガビット・イーサネット、PCI-X、RapidIOといった高速インターフェースを集積する。
32ビット品では、PowerPCアーキテクチャー採用の車載用フラッシュ・マイコン「MPC500」ファミリーを提供している。次世代版である「MPC
5500」の開発開始を2002年10月に発表した。
68000系マイコンとの互換性を重視した32ビットRISCコア「ColdFire」を内蔵する「ColdFire」ファミリーも用意している。2003年にはその最新版「MCF5282」を市場に投入する(本誌2003年1月号、p.94に概要を掲載)。MCF5282にはイーサーネット・インターフェース、CANインターフェース、フラッシュ・メモリーを組み込んである。ネットワーク接続された産業用機器を狙う。
16ビット品では、従来品「68HC12」ファミリーを改良した「HCS12」ファミリーを用意した。8ビット品では従来品「68HC08」ファミリーに加え、フラッシュ・メモリーを内蔵した新ファミリー「68HC908Q」を提供している。
ナショナル セミコンダクター社
米ナショナル セミコンダクター社
National Semiconductor Corp.
http://www.national.com/
国内連絡先:ナショナル セミコンダクター ジャパン
http://www.national.com/JPN/
米ナショナル セミコンダクター社の「ジオード(Geode)」ファミリーは、セットトップ・ボックスや簡易機能版のクライアント用コンピューター(シン・クライアント)、ホームページ閲覧機器などの情報機器に向けた32ビット・マイクロプロセッサーである。86系互換のアーキテクチャーを採り、MMX命令セットをサポートする。
ナゾミ・コミニュケーションズ社
米ナゾミ・コミニュケーションズ社
Nazomi Communications, Inc.
http://www.nazomi.com/
米ナゾミ・コミニュケーションズ社の「JA108」チップは、Javaコードのプログラムを高速実行する32ビット・マイクロプロセッサーである。Java実行機能を備えた携帯電話機に向けた。
NECエレクトロニクス
NEC Electronics Corp.
http://www.necel.com/micro/product/lineup.html
NECエレクトロニクスは、4ビット/8ビット/16ビット/ 32ビット/64ビットの多種多様なマイコン製品群を供給している。その中核となるのは独自アーキテクチャーの8ビットCISCマイコンと32ビットRISCマイコン、MIPS命令セット・アーキテクチャーの64ビットRISCマイクロプロセッサーである。
8ビットCISC型マイコンでは「78K0シリーズ」と、「78K0Sシリーズ」、「78K0/Kx1シリーズ」を用意した。いずれも78K0プロセッサー・コアを内蔵するマイコンである。78K0と78K0Sは、上位品種が78K0、下位品種が78K0Sという位置付けになる。78K0/Kx1は、さらに上位に来る。これらの3シリーズで、4K〜60KバイトのROM、8/10ビットの4/8チャンネルA-D変換器、20〜100ピン・パッケージという範囲の仕様をカバーする。
78K0と78K0Sでは、特定用途向け品種も用意した。液晶コントローラー内蔵品、VFDコントローラー内蔵品、ガス・メーター用の極低消費電力品、インバーター・モーター制御用、USBキーボード用、電池管理用、自動車電装用(CAN、ダッシュ・ボード制御、キーレス・エントリーなど)がある。
32ビット・マイコンでは、独自アーキテクチャーのRISCプロセッサー・コア「V850」(表1)を内蔵する「V850シリーズ」をさまざまな品種に展開してきた。製品展開はロー・エンド汎用品、ハイ・エンド汎用品、特定用途向け品の3つに分かれている。
| 表1 V850シリーズのプロセッサー・コア |
| 当初のV850コアに続き、現在では低消費電力版のV850ESコアと高性能版のV850E1コアを利用して製品展開している。 |
| コア名 |
V850 |
V850ES |
V850E1 |
| 最大動作周波数 |
20/33MHz |
20MHz |
150MHz |
| 最大プログラム・メモリー空間 |
16Mバイト |
64Mバイト |
| 最大データ・メモリー空間 |
16Mバイト |
256Mバイト |
| ハードウエア・アーキテクチャー |
5段パイプライン |
| |
ハーバード・アーキテクチャー |
| |
―― |
パイプラインの改善(ノンブロッキング・ロード/ストア、内蔵ROM命令の並列実行、分岐命令でのパイプライン動作、3オペランドの1スロット化) |
| 命令セット・アーキテクチャー |
16ビット長命令 |
| |
ビット操作命令 |
| |
―― |
C言語対応命令 |
| 乗算器 |
16×16ビット→32ビット |
同左(32ビット乗算命令のサポート) |
32×32ビット→64ビット |
| 割り込み応答 |
11〜18クロック |
4〜10クロック |
ロー・エンド汎用品には8/16ビット・マイコンからの移行を狙い、消費電流の低い品種を用意した。動作周波数は20MHz程度になる。「V850ES/
Sx2シリーズ」、「V850ES/Sxxシリーズ」、「V850ES/Kx1シリーズ」などのサブシリーズがある。
特に「V850ES/Kx1シリーズ」は8ビット品の最新版である78K0/Kx1シリーズと共に、8ビットと32ビットにまたがる製品系列「K1ファミリ」(図1)として市場に投入された(本誌2002年4月号、p.20に概要を掲載)。両シリーズの開発にあたっては、内蔵する周辺回路の統一、パッケージにおける兼用ピン配置の共通化、エミュレーション・ボードの共通化といった工夫を凝らした。こうして両シリーズ間での移行や同じシリーズ内での品種変更に伴う設計負担を軽減した。現在はK1ファミリの改良版である「K1+ファミリ」を開発中であり、2003年前半には製品の供給を始めたいとしている*1)。
ハイ・エンド汎用品には最大動作周波数が33M〜150MHzの製品を用意した。例えば最大動作周波数が150
MHzの「V850E/ME2シリーズ」、同80MHzの「V850E/MAxシリーズ」などのサブシリーズがある。特にV850E/
ME2シリーズは128Kバイトと大容量のRAMを内蔵し、さらにスペクトラム拡散クロック発生器(SSCG*)を搭載して不要ふく射を抑えた。プログラム容量の大きなリアルタイム制御機器に向く。特定用途向け品にはインバーター・モーター制御用、車載オーディオ機器用、自動車ボディー制御用、家庭用カメラ一体型デジタルVTR用などのサブシリーズがある。
64ビット・マイクロプロセッサーとしてはMIPS命令セット・アーキテクチャーのRISCコアを内蔵した「VRシリーズ」を供給している。内部バスは64ビットとし、スーパースカラー・パイプライン構造で性能を高めた。
VRシリーズでロー・エンド品を代表するのが「VR4131」である。動作周波数が200MHzのときに性能は340MIPSと高く、消費電力は200mWと低い。メモリー・コントローラー、シリアル・インターフェース、タイマーなどの周辺回路を搭載している。
高性能な組み込み機器に向けたのが「VR5500」である。最大動作周波数は400MHz、性能は804MIPS。分岐予測機構、アウト・オブ・オーダー実行といった機構によって性能を高めている。2002年には、VR5500のプロセッサー・コアに2次キャッシュのほか、オンチップ・バスやDDR
SDRAMコントローラー、PCI-Xバス・インターフェース、イーサーネット・インターフェースなどの周辺回路を追加した「VR7701」を開発、発売した。
ネットシリコン社
米ネットシリコン社
NetSilicon, Inc.
http://www.netsilicon.com/
国内連絡先:ネットシリコン ジャパン
http://www.netsilicon.co.jp/
米ネットシリコン社は、ARMアーキテクチャーのプロセッサー・コア「ARM7TDMI」を内蔵した32ビット・マイクロプロセッサー「NET+ARM」ファミリーを製品化している。このファミリーは、10M/100Mビット/秒のイーサーネットMACとシリアル入出力インターフェース(UART、HDLCあるいはSPI)、10チャンネルのDMA*コントローラーを標準搭載した。またこのチップとドライバー・ソフトウエアやプロトコル・スタック、リアルタイムOSなどをまとめた製品「NET+
Works」も提供している。NET+ Worksの開発キットに含まれるソフトウエアはすべて、ロイヤリティーが不要である。
沖電気工業
Oki Electric Industry, Co., Ltd.
http://www.oki.com/semi/japanese/
沖電気工業は、4ビット/8ビット/16ビット/32ビットのマイコン製品を提供している。
32ビット品は、ARMアーキテクチャーの「ARM7TDMI」コアを内蔵したRISCマイコンである。このファミリーは当初、ARM7TDMIコアを中核に必要に応じて周辺回路を組み合わせていた。このため品種ごとにマイコン・チップ全体を開発しなければならず、手間がかかっていた。そこで最近、ARM7TDMIコアとオンチップ・バス(AMBA*バス)、キャッシュ、SRAMコントローラー、割り込みコントローラー、システム・タイマー、テスト・インターフェースなどを組み合わせたCPU*コア「μPLAT」を開発した。このコアを元に、汎用品とカスタム品の両方を素早く開発していく。現在は、キャッシュを載せない「μPLAT-7B」(動作周波数33MHz、(図2)と、8Kバイトのユニファイド・キャッシュを載せた「μPLAT-7D」(同60MHz)がある。
μPLATを利用した最初の32ビット・マイコンが「ML674K/675K」ファミリーである。ML674Kファミリーの中で同社が標準品と位置付ける「ML674000」は、価格を抑えることを主眼に余分な周辺回路を極力省いた。このため、ROMは内蔵していない。μPLAT-7Bコアに、8KバイトRAM、DRAM*コントローラー、10ビットA-D変換器などを組み合わせた。現在出荷中である。またこのチップをSOI(silicon
on insulator)技術によって製造した「ML674080」のエンジニアリング・サンプル出荷を2002年12月に開始した。ML674000に比べ、動作時の消費電流が約4分の1に減るという。
ML674000の上位品種「ML 674001」では、RAMを32Kバイトと大容量にしたほか、I2Cバスとクロック同期シリアル・バスを追加した。また、フラッシュ・メモリー内蔵品を用意した。フラッシュ・メモリーの容量は256Kバイトあるいは512Kバイトと大きい。フラッシュ・メモリーはマイコンとは別のチップである。マイコン・チップの上にフラッシュ・メモリー・チップを積層するマルチチップ・パッケージ技術を開発、採用した。2003年2月にエンジニアリング・サンプルの出荷を開始する。
ML675Kファミリーの最初の製品である「ML675001」は、ML674001の高性能版である。高性能版のコアであるμPLAT-7Dコアに、ML674001と同様の周辺回路を追加した。パッケージのピン配置はML64001と互換性を保ち、ML64001からの移行を容易にした。2003年4月にエンジニアリング・サンプルの出荷を開始する。
16ビット品、8ビット品、4ビット品はいずれも、同社の独自アーキテクチャーによるCISCマイコンである。16ビット品は「66Kシリーズ」、8ビット品は「65Kシリーズ」、4ビット品は「64K/
63Kシリーズ」として製品化している。4ビット品の63Kシリーズには、電源電圧が0.9Vと低い品種や、動作時の消費電流が標準7.5μA(動作周波数32kHz、電源電圧3V)と低い品種などがある。
16ビットと8ビットの領域では次期主力製品用に、独自アーキテクチャーの8ビットRISCコア「U-8」を開発した。このコアを内蔵したマイコン「610Kファミリ」を現在、特定のユーザーに出荷している。
現在、同社が提供しているCISCマイコンはアーキテクチャーが古く、性能や回路面積、開発環境などが見劣りするようになってきた。このため、新しいアーキテクチャーのマイコンを投入することにした。RISCアーキテクチャーを採用することによって処理性能を高めると共に回路面積と消費電流を抑えた。Cコンパイラーを独自に用意し、C言語によるプログラミングに対応した。なお将来は、32ビットARMマイコンと8ビットRISCマイコンの2本立てでマイコン製品を展開していく計画である。
パトリオット・サイエンティフィック社
米パトリオット・サイエンティフィック社
Patriot Scientific Corp.(PTSC)
http://www.ptsc.com/
米パトリオット・サイエンティフィック社(PTSC)の32ビットRISCプロセッサー・コア「イグナイト(Ignite)
」は、通常のRISCプロセッサーとは異なるアーキテクチャーを採る。スタック・ベースの設計であり、8ビットの演算コードで構成した命令セットが内部32ビットの構造をサポートする。またキャッシュを備えず、1クロック・サイクルでアクセスできるRAMとデータをやりとりする。32ビット構成のRAMから同時に4つの命令をフェッチする。
フィリップス・セミコンダクターズ社
オランダのフィリップス・セミコンダクターズ社
Philips Semiconductors
http://www.philips.com/
国内連絡先:日本フィリップス
http://jp.semiconductors.philips.com/
オランダのフィリップス・セミコンダクターズ社は、8051互換のプロセッサー・コア「C51」をベースに、8ビット・マイコン・ファミリー「80C51」や「89LPC900」、「80C51MX」を製品化している。80C51ファミリーは発振器やフラッシュ・メモリーなどの内蔵品、電源電圧が1.8Vでも動く品種などを用意した。89LPC900ファミリーは、データ用にEEPROMを搭載した品種である。80C51MXファミリーはアドレス・メモリー空間を8Mバイトにまで拡張した。
PMCシエラ社
カナダのPMCシエラ社
PMC-Sierra, Inc.
http://www.pmc-sierra.com/
国内連絡先:アルティマ
http://altimanet.com/
カナダのPMCシエラ社は、MIPSアーキテクチャーの64ビットRISCマイクロプロセッサーを製品化している。「RM5200」ファミリー、「RM7000」ファミリー、「RM9000x2」ファミリーがある。いずれもMIPS64命令セット・アーキテクチャーに基づく。
RM5200はそれぞれ32Kバイトの命令キャッシュとデータ・キャッシュを内蔵する。メモリー・バスの周波数は100MHzである。
上位品種のRM7000は32Kバイトの1次キャッシュ(命令とデータに16Kバイトずつ)と256Kバイトの2次キャッシュを内蔵した。外付けの3次キャッシュもサポートする。8Mバイトまで扱える外付けキャッシュ用コントローラーを集積した。外部バスは周波数125MHzのSysADバスである。
最上位のRM9000x2は、動作周波数が最大1GHzのプロセッサー・コアを2個内蔵したマイクロプロセッサーである。1個のコアごとに、32Kバイトの1次キャッシュ(命令とデータに16Kバイトずつ)と256Kバイトの2次キャッシュを集積した。500MHzのハイパートランスポート・インターフェース、200MHzのDDR
SDRAMインターフェースなどを備える。マルチポートのスイッチド・ファブリックによる共有メモリーをサポートする。
クイックロジック社
米クイックロジック社
QuickLogic Corp.
http://www.quicklogic.com/
国内連絡先:クイックロジック
045-470-5525
米クイックロジック社は、MIPS32アーキテクチャーのプロセッサー・コア「4Kc」と周辺回路に、FPGAを混載した32ビット・マイクロプロセッサー「QuickMIPS」ファミリーを製品化している。16Kバイト・キャッシュや32ビットのオンチップ・バス、10/100BaseのイーサーネットMAC回路、PCIコントローラー、メモリー・コントローラー、UART、タイマーなどをハード・マクロで内蔵した。ユーザーはこれらの周辺回路を設計せずに済むので、設計期間を短縮できる。FPGA部には50万システム・ゲートのプログラマブル・ロジックと埋め込みRAMブロック、埋め込み累算器ブロックを内蔵した。なおプログラマブル・ロジックの基本素子はアンチヒューズである。
ラビット・セミコンダクター社
米ラビット・セミコンダクター社
Rabbit Semiconductor
http://www.rabbitsemiconductor.com/
国内連絡先:東京電子販売
http://www.tdh.co.jp/
米ラビット・セミコンダクター社の「Rabbit2000」および「Rabbit3000」は、組み込み機器用の8ビット・マイコンである。C言語によるプログラミングを前提に米ザイログ社のマイコン「Z80/Z180」を改良した命令セット・アーキテクチャーを採る。電源電圧1.8Vで2μAの低消費電流モード、スペクトラム拡散クロックによるEMI低減回路などの特徴がある。
サンドクラフト社
米サンドクラフト社
SandCraft, Inc.
http://www.sandcraft.com/
米サンドクラフト社の「SR71000」ファミリーはMIPS64命令セット・アーキテクチャーの64ビットRISCマイクロプロセッサーである。2ウエイのスーパースカラー構造、9段のパイプライン構成を採用した。ネットワーク機器、画像処理機器、インターネット・サーバー機器などに向けた。
三洋電機
三洋電機 セミコンダクター カンパニー
Sanyo Electric Co., Ltd. Semiconductor Company
http://www.semic.sanyo.co.jp/
三洋電機は、4ビット/8ビット/16ビット/32ビットのマイコンを供給している。4/8/16ビット品は独自アーキテクチャーのCISCマイコン、32ビット品はARMアーキテクチャーのRISCマイコンである。特徴は、すべての製品系列にフラッシュ・メモリー内蔵品を用意したこと。フラッシュ・メモリーの書き換え単位が128バイトと比較的小さい、汎用入出力ポートによるフラッシュ・メモリーの書き換えが可能、5V単一あるいは3V単一電源、といった特徴がある。
現在の主力品種は8ビットのCISCマイコンである。大きく2つのシリーズで構成されている。「LC87シリーズ」と「LC86シリーズ」である。「LC87シリーズ」は、プログラム・アドレス空間が256Kバイトと広い。64Kバイトを超えるプログラム・アドレス空間を必要とするユーザーが、16ビット品に移行する手間を省いた。このシリーズには、VFD(蛍光表示管)コントローラー・ドライバー内蔵品、液晶コントローラー・ドライバー内蔵品、USBインターフェース内蔵品のサブシリーズを用意した。
「LC86シリーズ」は、OSD*機能を搭載したサブシリーズと、液晶コントローラー・ドライバーを搭載したサブシリーズで構成される。OSD機能搭載品は、国内のテレビ受像機メーカーの大半が採用したという。
16ビット品では「LC59シリーズ」がある。ドット・マトリックス液晶ドライバーを内蔵しており、携帯型機器に向く。2種類のクロック周波数によって待機時の消費電流を標準7μA(ハルト時)と低く抑えた。
32ビット品では、ARM7TDMIコアを搭載した「LC67シリーズ」を用意した。512Kバイトと大容量のフラッシュ・メモリー、16KバイトのSRAMを内蔵している。CD-R/RW装置などの光ディスク装置に向けた。
なお同社は、米シグナル・インテグレーテッド・プロダクツ社が開発した8051コア内蔵8ビット・フラッシュ・マイコンの販売代理店も手掛けている。
セイコーエプソン
Seiko Epson Corp.
http://www.epsondevice.com/semicon/
セイコーエプソンは、4ビット/8ビット/32ビットのマイコン製品を供給している。4ビット品と8ビット品はCISCマイコン、32ビット品はRISCマイコンである。特徴は、消費電流が低いことと、液晶コントローラー・ドライバー内蔵品を用意していること。液晶ディスプレイを搭載し、電池で動く機器に向く。
現在、最も力を入れているのは32ビットRISCマイコン「S1C33シリーズ」である。独自アーキテクチャーのRISCコア「S1C33」を内蔵する。このコアは、携帯型情報通信機器に向けて同社が独自に開発した。16ビットのCISCマイコンがカバーしていた応用分野を狙う。
S1C33コアは、ハーバード・アーキテクチャー、3段のパイプライン構成を採る。16ビット固定長命令を基本としてプログラム容量を抑えた。そしてコア内部でのクロック周波数を必要に応じて下げる、内部をブロックに分割して必要に応じて動作を止める、リーク電流の少ないプロセスで製造するといった工夫で消費電流を下げた。動作時の消費電流は0.5mA/MHz、スリープ・モードでの消費電流は1nA(85℃)となっている。
S1C33シリーズを代表する製品が標準モデルの「S1C33209」である。8KバイトのRAM、8チャンネルの10ビットA-D変換器、汎用入出力ポート、ウオッチドッグ・タイマーなどを内蔵する。ROMは内蔵しない。必要な容量のROMを外付けして機器を構成する。このマイコンとソフトウエア部品を組み合わせることで、異なる用途に対応する。動画像処理(図3)、音声認識、テキスト音声合成、リアルタイムOS(μITRONなど)などのソフトウエア部品を用意した。
S1C33シリーズにはこのほか、マスクROM内蔵品、フラッシュ・メモリー内蔵品、シンクロナスDRAM内蔵品、カラー液晶/モノクロ液晶コントローラー内蔵品、携帯電話機用インターフェース内蔵品などがある。またインサーキット・エミュレーター、Cコンパイラー、評価用ボードなどの開発ツールはすべて同社が開発し、提供している。
また最近では、ARMアーキテクチャーの32ビットRISCマイコン「S1C38シリーズ」も提供を開始した(本誌2001年8月号、p.19参照)。
このほか4ビット品では、最初に製品化した「62シリーズ」、62シリーズのサブセットである低価格版「60シリーズ」、そして2段パイプラインのコアを内蔵した「63シリーズ」とさまざまな製品群を用意している。電源電圧が0.9Vと低い品種や、動作時の消費電流が2.5μA(32kHz)と低い品種などがある。8ビット品では、4ビット品の上位品種として「88シリーズ」を供給中である。
シリコン・ストレージ・テクノロジー社
米シリコン・ストレージ・テクノロジー社
Silicon Strage Technology, Inc.
http://www.ssti.com/
米シリコン・ストレージ・テクノロジー社の「フラッシュフレックス(Flash Flex)51」ファミリーは、フラッシュ・メモリーを搭載した8051互換の8ビット・マイコンである。20K/36K/40K/
72Kバイトのフラッシュ・メモリーを内蔵した。フラッシュ・メモリーは2つのバンクにあらかじめ分割されており、1つのバンクのプログラムを実行中にもう1つのバンクにデータを書き込む、といった使い方ができる。書き換えの単位は128バイトである。また誤書き込みを防ぐため、4レベルのロック機構を備えた。
STマイクロエレクトロニクス社
STMicroelectronics
http://www.st.com/
国内連絡先:STマイクロエレクトロニクス
http://www.st-japan.co.jp/
仏伊合弁のSTマイクロエレクトロニクス社は、8ビット/16ビット/32ビットのマイコンを製品化している。
8ビットのマイコン製品群としてはロー・エンドの「ST6」ファミリー、ミッド・レンジの「ST7」ファミリー、ハイ・エンドの「ST9」ファミリーを供給している。ST7とST9はフラッシュ・メモリー内蔵品とCANコントローラー内蔵品を用意した。最近では、フル・スピードUSBに対応した「ST
7265」を追加した。ハイ・エンド品のST9は、16ビット品の応用範囲まで適用できるように機能を強化している。4Mバイトまで扱えるメモリー管理ユニットと、256バイトのレジスター・ファイルなどを搭載した。
16ビット品には「ST10」ファミリーがある。例えば車載用の「ST10F269」は256Kバイトのフラッシュ・メモリーやCAN
2.0B準拠コントローラーなどを内蔵した。
32ビット品では、x86互換の「STPC」ファミリーを用意した。UMA*対応のSDRAMコントローラー、グラフィックス・コントローラー、液晶コントローラー、ビデオ・インターフェース、PCIコントローラーなどを内蔵している。
サン・マイクロシステムズ社
米サン・マイクロシステムズ社
Sun Microsystems, Inc.
http://www.sun.com/
国内連絡先:サン・マイクロシステムズ
http://www.sun.co.jp/
米サン・マイクロシステムズ社は、独自アーキテクチャー「スパーク(SPARC)」によるRISCマイクロプロセッサーの開発元である。組み込み機器向けには、64ビット・マイクロプロセッサー「ウルトラスパーク(UltraSPARC)IIe」シリーズを用意している。このプロセッサーは、SPARC
Version9のアーキテクチャーとVIS(Visual Instruction Set)命令セットで構成される。
スーパーエイチ社
米スーパーエイチ社
SuperH, Inc.
http://www.superh.com/
国内連絡先:スーパーエイチジャパン
042-359-6331
米スーパーエイチ社は、RISCプロセッサー・アーキテクチャー「SuperHアーキテクチャー」によるプロセッサー・コアの開発企業である。日立製作所と仏伊合弁のSTマイクロエレクトロニクス社が共同で2001年7月に設立した。
現在のところ、32ビットの最上位コア「SH-4」と、64ビットの最初のコア「SH-5」をライセンス供与している。SH-4コアは360〜480MIPSの性能を有する。2命令同時発行のスーパースカラー・アーキテクチャーを採る。
SH-5コアは700〜1000MIPSの性能を有する。7段のパイプライン、SIMD命令、浮動小数点演算ユニット、オンチップ・デバッグ機能を備える。
SH-5には「SHmedia」モードと「SH compact」モードの2種類の動作モードがある。SHmediaモードは、マルチメディア処理に向けた高性能演算モードである。整数演算、SIMD演算、浮動小数点演算を含む32ビット長の命令セットで動く。SHcompactモードは、プログラム・メモリー容量を低減した動作モードである。整数演算と浮動小数点演算を含む16ビット長の命令セットで動く。
同社はまた、VSI*準拠のオンチップ・バス「SuperHyway」を用意した。バス幅は8〜32ビットである。ユーザーはこのバスを利用してプロセッサー・コアと周辺回路を接続することによって、目的のマイクロプロセッサーやASSP*などを実現できる。
テンシリカ社
米テンシリカ社
Tensilica, Inc.
http://www.tensilica.com/
国内連絡先:テンシリカ
045-477-3373
米テンシリカ社は、ユーザーが仕様をカスタマイズできる32ビットRISCアーキテクチャーのソフトウエア・プロセッサー・コア「エックステンサ(Xtensa)」の開発企業である。現在は、第5版の「XtensaX」をライセンス供給している(本誌2002年10月号、p.21に概要を掲載)。
具体的なカスタマイズ内容は、独自に定義した命令セットの追加、回路パラメーターの変更などである。同社のホームページ上でユーザーがプロセッサーの仕様を定義すると、プロセッサー・コアのハードウエア記述とシミュレーション・モデル、ソフトウエア開発環境をおよそ1時間で自動的に生成してくれる。
プロセッサー・コアのアーキテクチャーは5段のパイプライン構成である。XtensaXでは、複数のプロセッサー・コアを内蔵するマルチプロセッサー構成のASICに本格的に対応した。例えば、ローカル・メモリー・インターフェースに接続できる周辺回路の応答速度に関する制限を外した。応答に複数サイクル必要な回路ブロックを接続できる。また、プロセッサー・バス・インターフェースに接続した周辺回路が、プロセッサー・コア内部のローカル・メモリーを直接読み書きできる機能を追加した。
このほか、個々のプロセッサー・コアを識別するプロセッサーIDレジスターを命令セット・アーキテクチャーに加えた。全く同じ構成のプロセッサー・コアが複数存在したときに、識別が容易になる。
テキサス・インスツルメンツ社
米テキサス・インスツルメンツ社
Texas Instruments Inc.
http://www.ti.com/
国内連絡先:日本テキサス・インスツルメンツ
http://www.tij.co.jp/
米テキサス・インスツルメンツ社は、16ビットのRISCマイコン「MSP430x」シリーズを製品化している。性能当たりの消費電流が250μA/MIPSと低い。電池動作機器に向く。A-D変換器、PWM出力、セグメント型液晶用ドライバー、フラッシュ・メモリー、OTP*などの周辺回路を内蔵した品種を用意した。
東芝
東芝 セミコンダクター社
Toshiba Corp. Semiconductor Company
http://www.semicon.toshiba.co.jp/
東芝は32/64ビットのRISCマイクロプロセッサーと、4/8/16/32ビットのCISCマイコンを供給している。
RISCプロセッサーは、MIPSアーキテクチャーのマイクロプロセッサーである。命令セット・アーキテクチャー・ライセンスによって東芝が独自に開発したプロセッサー・コアを内蔵する。「TXファミリー」と呼ぶ。
国内ユーザーの新規設計に向けては現在、64ビットのプロセッサー・コア「TX49」を内蔵した「TX49ファミリー」を主力に製品を展開している。レーザー・プリンターやデジタル情報家電機器、車載用機器などが主な用途だという。
TX49コアはR4000Aのアーキテクチャーを元に東芝が開発した。5段のパイプライン構成を採り、32本の64ビットの汎用レジスター、積和演算ユニット、32Kバイトずつの命令/データ・キャッシュ、32ビット単/倍精度浮動小数点演算ユニットなどを備える。
TX49ファミリーは、MIPSコアの32ビット・システム・インターフェース・バス(SysADバス)を外部バスとするTX4955系列と、PCIバス・コントローラーを内蔵するそのほかの系列に分かれる。前者はプリンター向け、後者はデジタル情報家電向けになる。PCIバス・コントローラーを内蔵する系列での最高速品が「TX4937XBG-300」(図4)である。最大動作周波数が300
MHzのTX49/H3コアを内蔵する。
TX49の下位品種が32ビットの「TX39ファミリー」である。生産数量では現在、このファミリーの方がTX49ファミリーよりも多いという。このファミリーが内蔵するTX39コアは、R
3000Aアーキテクチャーを元に同社が開発した。
TXファミリーのロー・エンドに相当するのが32ビットの「TX19ファミリー」である。R3000Aアーキテクチャーを元に開発したTX19コアを内蔵する。このコアは、TX39コアに16ビットの命令セットを追加してプログラム・サイズの縮小を図った。TX19ファミリーはフラッシュ・メモリーやマスクROM、RAMなどを内蔵しており、内部構成はマイコンに近い。
CISCマイコンでは、32/16ビットの「900ファミリー」、8ビットの「870ファミリー」、4ビットの「47ファミリー」がある。いずれも独自アーキテクチャーを採る。
このほかマルチメディア処理用に、仕様をカスタマイズ可能な32ビットRISCプロセッサー・コア「MeP」を開発した(本誌2002年6月号、p.22に概要を掲載)。MPEG*4やMPEG2などのデジタル・ビデオ、デジタル・オーディオなどの処理に向けた。
トランスメタ社
米トランスメタ社
Transmeta Corp.
http://www.transmeta.com/
国内連絡先:トランスメタ
http://www.crusoe.jp/
米トランスメタ社は、携帯情報機器向けのx86系互換32ビット・マイクロプロセッサー「クルーソー(Crusoe)」を開発、製品化している。プロセッサー・コアはVLIWアーキテクチャーを採る。実行時に、x86アーキテクチャーの命令コードをソフトウエアによって動的にVLIWアーキテクチャーの命令コードに変換している。要求性能に応じて電源電圧とクロック周波数を動的に変化させることによって消費電流を抑えた。
トライセンド社
米トライセンド社
Triscend Corp.
http://www.triscend.com/
国内連絡先:インターニックス
http://www.internix.co.jp/products/
米トライセンド社は、プログラム可能な論理回路(PLD)とプロセッサー・コア、メモリー、入出力インターフェース回路などを集積したマイコンを供給している。ユーザーがマイコンの機能仕様や入出力ピンの配置などをカスタマイズできる。8051互換のプロセッサー・コアを内蔵した8ビットの「E5」ファミリーと、ARMアーキテクチャーの「ARM7TDMI」プロセッサー・コアを内蔵した32ビットの「A7」ファミリーがある。
ユビコム社
米ユビコム社
Ubicom, Inc.
http://www.ubicom.com/
国内連絡先:メメック ジャパン
http://www.memec.co.jp/
米ユビコム社の「IP2022」はRISCアーキテクチャーの8ビット・マイコンである。全二重方式のシリアル通信機能を内蔵しており、ソフトウエア・モジュールを組み込むことによって10Base-TのイーサーネットやUSB1.1などをサポートする。動作周波数が最大で100MHzと高く、100MIPSの性能を有する。64Kバイトのフラッシュ・メモリー、8チャンネルの10ビットA-D変換器、PLL回路、52ビットのパラレル入出力などを集積した。
ゼミックス社
スイスのゼミックス社
Xemics SA
http://www.xemics.com/
国内連絡先:ジェピコ
http://www.jepico.co.jp/
スイスのゼミックス社は、8ビットのRISCマイコン「XE8000」シリーズを供給している。8×8ビットの乗算命令を含め、すべての命令を1クロック・サイクルで実行する。動作周波数が1MHzのときの消費電流は、300μAと低い。動作周波数が4MHzのときに性能は4MIPS。プログラム/データ用メモリー、汎用パラレル入出力、カウンター、PWMなどの周辺機能を内蔵する。A-D変換器や液晶ドライバーなどを搭載した品種もある。
ザイリンクス社
米ザイリンクス社
Xilinx, Inc.
http://www.xilinx.com/
国内連絡先:ザイリンクス
http://www.xilinx.co.jp/
米ザイリンクス社は、同社のFPGAへの埋め込み用ソフトウエア・プロセッサー・コア「マイクロブレーズ(Micro
Blaze)」を提供している。このプロセッサーは32ビットのRISCアーキテクチャーを採る。内部動作周波数は125
MHz。論理規模は900論理セル。周辺回路のソフトウエア・マクロと組み合わせることによってカスタマイズする。
このほか同社は、PowerPCアーキテクチャーの32ビットRISCプロセッサー・コア「PowerPC405」をハードウエア・マクロとして内蔵したFPGAファミリー「バーテックスIIプロ(Virtex-IIPro)」を出荷中である(本誌2002年4月号、p.23に概要を掲載)。
ザイログ社
米ザイログ社
Zilog Inc.
http://www.zilog.com/
国内連絡先:ザイログ・ジャパン
0425-73-8197
米ザイログ社は、独自アーキテクチャーの8ビット・マイコンを製品化している。最近では、Z8アーキテクチャーのフラッシュ・マイコン「Z8
Encore!」ファミリーを投入した。最大で64Kバイトのフラッシュ・メモリーを内蔵している。
Z80アーキテクチャーの「eZ80」ファミリーは、ネットワーク接続が必要な組み込み機器向けである。専用のソフトウエア(プロトコル・スタック)と組み合わせることによって、インターネットを通じたリモート制御可能な機器を実現できる。またこのファミリーは、Z80互換モード(メモリー空間64Kバイト)と24ビット・アドレス・モード(メモリー空間16Mバイト)の両方のモードで動作する。 |