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EDN GLOBAL REPORT
立ち往生する高品位DVD
高品位DVDをめぐる企業連合と国家の対決
 
 
Maury Wright, Editor in Chief, EDN Worldwide
 
 HD(high-definition:高品位)ビデオが再び立ち往生している。高品位DVDの標準化が行き詰まっているのだ。この状況は、最先端の製品のための標準の制定に、さらにグローバル化という要素が加わり、さらに複雑さを増している。
 現在、業界はDVDコンテンツのHDTV(高品位テレビ)レベルの1080i(1080ライン、インターレース)解像度に向けた動きに取り組まなければならない。HDTVモニタを購入した消費者は、HDTVに対応できるDVDを待ち続けている。
 DVDのような製品は、電力やインターフェースなどのファクターを含む多くの標準規格の問題を抱えている。しかし、記録フォーマットとビデオ・エンコーディング・フォーマットという二つの重要な問題にはもっとも注意が必要だ。
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 当初、DVDフォーラムの内部、および外部の業界の関係者は、2つのアプローチを考えていた。一つは、既存の9Gバイト・フォーマットを踏襲し、よりアグレッシブなエンコーディング技術を使って、長編の高画質映画を1枚のディスクに詰め込むというものである。DVDフォーラムは、この保守的なアプローチを支持していた。
 なぜなら、この規格なら既存のディスクとの完全な互換性を維持できるからである。一方、ソニー、松下電器産業、およびその他各社は「ブルーレイ(Blu-ray)」技術への移行を支持した。ディスクあたり25Gバイトを記録することが可能になるからだ。しかし、新旧両方のディスクを再生するためには1台のプレーヤーに2種類のレーザー(赤色と青色)が必要になってしまう。
 現在、東芝とNECは、従来規格のディスクを読み出すことができ、しかもより大容量を実現した青色レーザーを開発した。この妥協案により、記録容量はブルーレイ・ディスクよりも5Gバイト少ない20Gバイトに減少した。
 もちろんブルーレイ・支持グループは、その妥協案に背を向けている。2004年の春、ブルーレイ・グループは、BDA(ブルーレイ・ディスク・アソシエーション)という業界団体を結成した。彼らの目論見は明らかだ。自身の製品の販売利益に加え、ロイヤリティを徴収できるように、自分の技術を次世代の標準規格に組み込ませることにある。
 一方では、戦いはエンコーディングにも広がっている。BDAは既存のDVDで使用されているMPEG-2エンコーディング方式を守り続けるだろう。しかし、DVDフォーラム側では、マイクロソフト(Microsoft)社などの大企業をこの戦いに参戦させ、自身の技術を次世代標準に取り込もうとしている。DVDフォーラムは、HD-DVD装置は、MPEG-2、H.264およびマイクロソフト社のWindows Media 9をサポートすることを明らかにしている。
 どちらにするか。現時点では、待ったほうがいい。ハリウッドはまだ、自分たちに最適な標準規格案を打ち出していない。一方、ソニーは同社の「プレイステーション3」ではBDA技術を使用すると公言している。また、BDAは次世代DVDビデオのほかにも、データ中心のアプリケーションを積極的に追求している。そして、高価格の書き換え可能なBDA製品がまもなく出荷される。
 さて、中国を見てみよう。中国の企業と中国政府は、中国以外の世界中いたるところで使用されているDVD技術に強い反感を抱いている。特に、DVDの標準規格に組み込んだ主要技術を持つ会社へのロイヤリティの支払いが気に入らないという。そして、中国のベンダーは世界のほかの地域で繰り広げられている戦いの終結を待っていられなかった。
 このため、中国政府の標準化組織であるSAC(Standardisation Administration of China:中国の国家標準化管理委員会)は、EVD(Enhanced Video Disc:エンハンスド・ビデオ・ディスク)という新しい仕様を打ち出した。仕様は完成し、製品はすでに出荷されている。LSIロジック(LSI Logic)社などの北米のベンダーは、EVD向けのチップ・セットを提供している。中国製のHDTV向けコンテンツは中国市場にぼつぼつ出始めており、ハリウッド作品も来年には登場が期待されている。
 人を動かさずにはいられないような新しい技術を採用するには、政府、複数の国際標準化団体、および私企業の連合体の連携に及ぶものはない。

業界内で思い通りにならなかったら自分自身の標準化団体を作るだけだ。
彼らの目論見は明らかだ。自身の製品の販売利益に加え、ロイヤリティを徴収できるように、自分の技術を次世代の標準規格に組み込ませることにあるのだ。
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