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EDN GLOBAL REPORT
携帯電話機向けシリアル・インターフェースが乱立  
 
 
薩川 格広、テクニカル・エディター、EDN Japan
 
 日本の折り畳み式携帯電話機では、通常、上部きょう体に液晶パネルとカメラ・モジュール、下部きょう体にプロセッサーを収めることが多い。これらを接続する配線は、きょう体を機械的に接続するためのヒンジ部を経由する。従来はこの接続にCMOSレベルのパラレル・インターフェースが使われていた。しかし液晶パネルやカメラ・モジュールの画素数が急増した結果、パラレル配線の本数が増加し、ヒンジ部の設計が難しくなってきた。さらに、インターフェースの消費電力が大きくなる、配線から放射される電磁雑音が周辺回路に影響を与えるという問題が顕在化してきた。こうした問題を解決しようと、シリアル・インターフェース技術の提案がLSIベンダー各社から相次いでいる(表1)。いずれの技術も、伝送可能な距離を数10cm程度に限定して電気的特性の最適化を図った。
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 日本のLSIベンダー各社が提案しているのは、電流駆動の差動シリアル・インターフェース技術である。データ転送速度の高いシリアル・インターフェースで配線の本数を削減するとともに、小振幅の差動信号伝送で放射電磁雑音(EMI)を抑える。NECエレクトロニクスは2003年2月と最も早い時期に「Mobile CMADS (Current Mode Advanced Differential Signaling)」と呼ぶ技術を発表した。同年7月にはロームが「MSDL(Mobile Shrink Data Link)」技術を発表した。続いて同年9月にセイコーエプソンとルネサス テクノロジーが共同で「Mobile Video Interface」技術を提唱し、標準化を目指すことを表明した。
 一方で米ナショナル セミコンダクター社は、日本のLSIベンダーとは異なった方式を提唱している。シングル・エンドの電流駆動インターフェース技術「MPL(Mobile Pixel Link)」である。シングル・エンド方式の採用で、配線本数やインターフェース回路の消費電力を差動伝送方式よりもさらに削減できると主張している。
 これらのシリアル伝送技術によって、配線本数は大幅に減少する。例えばMobile Video Interfaceでは、パラレルCMOSインターフェースを使うと49本必要だった配線が、わずか2本の差動ペア、つまり4本の配線で済むという。放射電磁雑音については10〜20dB程度の低減効果が期待できそうだ。ヒンジ部を経由するフレキシブル基板(FPC)やEMI対策部品に要するコストを削減できる可能性がある。
 すでにいくつかのLSIベンダーは、これらのインターフェース技術を適用した製品を販売している。ロームは、CMOSパラレル・インターフェースを備えた液晶パネルやカメラ・モジュールとプロセッサーLSIをシリアル・インターフェースで接続するためのブリッジICを供給中である。NECエレクトロニクスは液晶ドライバーICのほか、グラフィックスLSIと液晶ドライバーICのブリッジICを販売している。ナショナルセミコンダクター社もすでにブリッジICのサンプル出荷を始めている。
 セイコーエプソンは2004年第4四半期にブリッジICを発売し、その後液晶コントローラーICを発売する予定。ルネサス テクノロジーは、2005年以降に発売する同社のアプリケーション・プロセッサー「SH-Mobile4」と液晶ドライバーICにシリアル・インターフェースを組み込むという。  
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