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EDN GLOBAL REPORT
市場があれば職もある
グローバライゼーションが電子技術者の職に与えるインパクト
 
 
Margery Conner, Technical Editor, Online Initiatives, EDN Worldwide
 
 Willie Suttonといえば、1920年代〜30年代アメリカの名うての銀行強盗である。あるとき、なぜ銀行を襲うのかと訊かれてこう答えた。「そりゃあ、銀行には金があるからさ」。
 いままさに世界市場でしのぎを削っている企業に、なぜ中国やインドをはじめとするアジアの国の技術者を雇うのかと尋ねれば、これと同様の答えを聞くことになる。そこにエンジニアがいるからだ、と。年間の工学部卒業者の数は、米国の6万人に対し、中国だけで22万人に達している。
 さらに、新興成長市場とは経済成長を伴うものである。製造業生産高の伸びが、米国ではわずか3%であるのに対し、新興成長市場では8%に達する。こうした国における製造・販売プレゼンスの強化を我先に競い合う多国籍企業にしてみれば、米国やヨーロッパから「遠くのデザイン」を手に入れるよりは、現地のエンジニアに設計や研究をまかせようということになる。設計や研究開発の「場所」の基本的なシフトというものが、グローバライゼーションによって引き起こされている。マーケットもそれについていくのである。
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 また、インターネットの登場以来、技術的な職務は文字通り海を渡るようになった。技術者をわざわざ連れてきたり、ビザの取得のために役所を行ったり来たりするのではなく、技術者に仕事をアウトソースすることができるのである。実際、テクノロジーというものをそれほど必要としない仕事(カスタマー・サポートなど)について、すでにそうしているIT企業は少なくない。
 アウトソーシングも、もはや珍しくない時代だ。それにしても、アウトソーシングが失業をもたらすと政治的な非難の的になっているとは言え、米国での騒ぎ様は度を過ぎたものがある。米国労働省によれば、2004年上四半期に米国から低賃金国にシフトされた職数はほんの4633なのである。
 それほど数が多くない理由のひとつとして、アウトソーシングという概念が現在のグローバル経済には適ったものではないということがある。アウトソーシングとは、米国やヨーロッパを所在地とする企業が海外の独立した下請け業者に技術業務を外注し、この下請け業者は低賃金の労働者を使って高賃金国でその業務を行う労働者の代わりをさせる、というものである。一方、ニュー・グローバル・エコノミーでは、親会社はほとんどの場合世界各地に支社・支店を持つ多国籍企業である。例えば、インド経済が好況になれば、そのニューデリー支社はインド現地で正社員を雇用するのである。
 DSP Merrill Lynch社は、今年のインド経済の成長はほぼ75%になると見ている。さらにGoldman Sachs社の予想では、インド経済は2010年までに1兆ドルに達することになるが、その段階で、インドの工学部卒業者は毎年50万人になるとのことである。
 そのようなわけで、最先端技術というほどではないIT業務にかかわる多国籍企業各社は、技術研究開発センターの建設を進めている。
 グローバル経済においては、そこにある成長を続ける経済と十分に教育された技術者や科学者という潤沢な資源をしっかり活用すれば、誰の職も奪ったりしない、というのが、新興成長国での新たな合い言葉であるようだ。
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