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Online限定記事
アナログ設計を手がける地域が拡大
Chris Mangelsdorf, Analog Devices
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アナログ設計を手がける地域の地図は急速に変りつつある。デザイン・センターが全地球にわたって次々と誕生している。経済の拡大や、世界中からの低コストのアナログ・スペシャリストを供給してもらえることは魅力的であるが、本当の理由は別にある。アナログLSIビジネスの基本的なモデルが変わりつつある。
これまで、アナログICは、オペアンプやADコンバーター、レギュレーターという具合に比較的簡単なブロックであった。これらのブロックも内部は複雑になってきたかもしれない。あるいは最新の技術を搭載するようになっているかもしれない。しかし、外部から見れば機能は簡単である。ICは、一般に、帯域幅、ビット数、入力インピーダンスなど、一握りの仕様で顧客の要求を採り入れることができた。遠隔地に派遣された1人の営業技術者だけで、次世代の製品のために必要な情報を持ち帰ることができた。設計技術者はこれまで自分のオフィスを離れる必要はなかった。
しかし今、アナログ・チップはシステムLSIに向かっていることが明らかになって来た。単にデジタル回路と一緒にアナログ回路を集積する程度の単純な場合もあるが、大抵は、アナログ・システム全体を開発することを意味する。カメラやカムコーダー用処理チップが、今では、相関二重サンプリング、利得制御、ブラックレベル補正、アナログ-デジタル(A-D)変換、CCD用プログラマブル・タイミング生成、さらにドライバーや電力コンバーターを含む、信号収集およびタイミング・チェーン全体を集積している、と考えるべきだ。
このレベルのシステムとなると、単に小型化や低コスト化、低消費電力化という従来の集積化のメリットだけでなく、性能的にも明らかに有利だ。パソコンや携帯電話、コンポステレオ、ワイヤレス製品、家電製品、あらゆる種類の携帯機器が、いまでは複雑なアナログ「システム」チップを用いている。このチップはもはや単なるワン・パッケージという便利さを超えている。すなわち、全体的に新しいレベルに上がったといえる。
この新しいタイプのアナログ・システム・チップは、世界経済の一分野に完全に食い込むことになる。LSIベンダーはもはや、単に仕様を集めるだけではデバイスを定義できない。電話帳の大きさの仕様ブックでさえ不十分なこともある。設計プロジェクトでは難解なアプリケーションの知識や、通常のLSI設計者が知らない独自のシステム・ノウハウを必要とすることが多い。例えば、携帯電話やディスプレイ技術についても熟知しているLSI設計者がどれだけいるだろうか。アナログ・システムに対する性能要求は極めて複雑なため、顧客ですらアプリケーションへの要求事項を知らないこともある。現実の信号の性能以上に、この複雑なチップとアプリケーション・ボードとのやりとりを予測するのは難しい。ましてやその仕様を作ることはできない。
すべてが新しく複雑になる結果、LSI設計者は全システムを開発するために、顧客の技術者にこれまでよりはるかに密着して仕事をしなければならない。設計者がオフィスにこもって、壁の向こうのマーケティング部門から仕様がくるのを待っていられない。LSIチームは、定期的に、ときには毎日、顧客の開発チームとともに作業をしなければならない。LSIチームはアプリケーションを理解し、顧客の価値提案を正しく認識し、アプリケーションの問題を予測して、シリコン・チップが顧客の回路基板の上で正常に動作するように折り合いをつけなければならない。この目標を達成するためには、LSIチームは現地にいて、同じ言葉で話し合わなければならない。あまりにも交換すべき情報が多いので、現地の言語を使うとしても、遠く離れた地域同士で話すだけでは、成功を収めることはできない。 |
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