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EDN GLOBAL REPORT
MEMORY & SENSORS
フラッシュ・メモリー将来展望
デジタル化がもたらすサプライヤー交代の可能性
 
 
Brian Dipert, Technical Editor, EDN Worldwide
 
 フラッシュ・メモリーは、世界的に需要が増え、その市場の成長には目を見張るものがある。全てのデジタル・メディア関連のデバイス、例えばPDA、デジタル・スチル・カメラ、音楽プレーヤー、携帯電話の急増がその要因と言える。しかし、需要の急増はサプライヤーに飛躍の大きな機会を与える一方で、トップ・サプライヤーが簡単に凋落する危険性も秘めているのだ。
 東芝は、1984年に世界初のフラッシュ・メモリーを発表したにもかかわらず、4年後に市場に進出してきたIntelにトップの座を明け渡した。Intelは、トップの座についてから、市場シェアをリードして来た。以来10年あまりこの分野を独占していたIntelは、その後も2002年まで2位とは僅かな差ではあるが、市場シェアのトップを守ってきた。
 しかし、Intelは2003年、東芝、Samsung Electronics、Spansion(AMD社と富士通の合弁会社)に続き業界第4位までそのシェアを落した(表)。
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 何が起こったのだろうか。それには二つの要因がある。「哲学」と「焦点」である。急成長する市場の需要とこれら二つの要因が異なると、幸運が薄れていく場合もあるのだ。
 東芝がNANDフラッシュ・メモリーを発明した1980年代半ば、当初業界の「焦点」は大容量記憶でハードディスクと同等な半導体デバイスを、ということだった。それ故にNANDは高速書き込みに耐えうる上、小さなブロック単位でデータを消去でき、メディア処理アルゴリズムの簡略化を実現したのだ。
 NANDセルは長い直列接続になっており、それらの出力は、一つまたは少数のピンをシステム・データ・バスに割り当てることで、高いシリコン効率(低コスト)を実現しているが、読み出しスピードは遅くなる。
 ハードディスクと同等なものの開発を目指した東芝は、読み出しスピードを犠牲にした。同様に時折発生する不良ビット、バイトまたはブロック(ハードディスクの不良セクターに相当)をある程度頑丈なファイル・システムにマッピングし、エラー訂正できる。その結果、高い信頼度(書き換え回数の多さ)も他の特徴とのトレードオフという点から2番目の優先度に追いやられた。
 一方、Intelは、1971年にEPROM技術を発明して以来、EPROMをリードしてきた。NORフラッシュ・メモリーは、すでにあったEPROM技術から発展したこともあって慎重という「哲学」を基にしている。
 NORは、消去処理のときセルのフローティング・ゲートに蓄積されている電子を移動させるために、紫外線の代わりに電界を用いていた。EPROMと同様にデータではなく、高信頼度が必要なコードを記憶していたからだ。システムは最低限、NORメモリーからブート・ストラップ命令を起動させ、しばしばアップタイムを通してNORメモリーから読み出しを行っていた。
 これらのアプリケーションは高い信頼度、高速読み出しとともにMPU、またはマイクロ・コントローラのシステム・バスへ直接、繋げることのできるSRAMのような幅のあるインターフェースを必要とする。
 その一方で、コンパクトに消去できるブロックと高速消去は、あまり重要な課題ではなかった。ファームウエアは一般的に個々にアップ・デートされ、そのアップ・デートの速度はそれほど重要ではないからだ。
 直接実行されるコードが格納されるアプリケーションにおいては、NORフラッシュ・メモリーは価格競争により値を下げる必要がない。なぜなら、競合すべきなのは、二つの同等なコンビネーションNANDとRAM、そしてハードディスクとRAMだけだからである。
 このような違いを考慮すると、Intelのフラッシュ・メモリーにおける最初の成功が理解しやすくなる。初期段階からNORフラッシュ・メモリーに、既にあったEPROM技術が利用できた。1991年に、初めてパソコンのBIOSにフラッシュが用いられるようになったとき、需要は大きく伸びた(もちろんIntelはCPU、チップ・セットとマザー・ボード市場を独占していたことも関係している)。そして、NOR市場はデジタル携帯電話の出現で拡大した。
 GSM(Global System for Mobile Communications)の微妙な違いを円滑化するために、数年がかかった。CDMA(code-division multiple access)とTDMA(time-division multiple access)も同様な初期トラブルがあった。開発期間の短縮という圧力のため、1日でコードのバグを直す必要があった。IntelなどNORメーカーがシステムを更新できることをシステム設計者に示したため長期の顧客を獲得した。
 これと対照的に東芝とそのNAND市場における競合たちは、成熟したハードドライブ技術と競争しなければならなかった。その技術は特に高密度でバイトあたりのコストが非常に安いものだった。
 NANDフラッシュ・メモリーのアプリケーションは、ビジネス(頑丈さ、消費電力と容量の観点から)の初期段階では、例えばデジタル・スチル・カメラやビデオ・カメラであった。そして音楽プレーヤーは未来に目を向けているものの、需要は少なかった。
 時間をかけて、NANDとNORの両方それぞれ進歩を見せた。しかし、これらの技術の間の基本的な違いは変わらない。そして、長い間待ち続けられていたデジタル・データ革命はようやくやってきた。USBメモリー・カードやフラッシュ・メモリーカードは、さまざまな形や大きさで多く製品化されている。デジタル・フォトラボとiTunesが銀塩フイルムやカセット・テープに取って替わった。
 これらの傾向は、NANDフラッシュに大きな利益をもたらした。一方、NORはその半分から1/3の需要は携帯電話である。このため、NOR市場は携帯電話の需要の激しいアップダウンにほんろうされている。そして、PDAという長い目でみると長期的に頼れる顧客層も危機に陥っている。なぜならばPDAは、既にパソコンのようにNAND+DRAMで、蓄積とダウンロードができる製品に変わり始めているからだ。
 携帯電話のOSとそのアプリケーションの容量が急速に肥大し続け、電話に蓄えるデータの量が増大し、低コストのNANDフラッシュ・メモリー・アレイがさらに有利になる。遅かれ早かれ携帯電話も大容量メモリーを採用するだろう。
 そして、その時点でNANDフラッシュ・メモリーのビットあたりの低コスト、少ないピン数と高い書き込み能力が、需要獲得の大きな武器となるだろう。
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