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| July 2005 |
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通信業界の巨大企業、AdvancedTCAを待ち望む
新興アーキテクチャが通信業界に約束する新世代型ハードウエア。それは、低コストで、相互運用可能性を備え、すぐ入手できる状態にある。
Warren Webb, EDN North America, テクニカルエディター
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コストが高いメーカー独自システムと対抗するために、大手通信機器メーカーや大手通信事業者は、新しいオープン・システム・アーキテクチャを採用しつつある。通信のアーキテクチャであるAdvancedTCA(Advanced Telecom Computing Architecture)では、次世代通信装置に適したボード、バックプレーン、ソフトウエアの各種仕様を定めている。従来に比べて大型のフォーム・ファクタ、高い有用性、それにスイッチド・ファブリック・データパスを特徴とするAdvancedTCAは、現行の設備を置き換える、入手の容易な代替製品として歓迎されている。
この新アーキテクチャは2003年に導入されたばかりだが、既に一部の開発予算や試験的なプログラムに取り入れられている。例えば、AdvancedTCAに準拠した装置をほかに先駆けて供給したサプライヤの1つである、NECのモバイルソリューション事業本部は、100以上のパケットコアノード・システムをNTT DoCoMoに納めている。NTT DoCoMoにおいて、このパケットコアノード・システムは、動画配信サービスやGPS(global-positioning-system)サービスなどの第3世代携帯電話用アプリケーションを処理するために用いられる。
しかし、ほとんどの装置サプライヤが、この技術の展開を目的とする開発の初期段階や研究試験段階に留まっている。「出荷されている通信機器においてAdvancedTCA準拠機器が占める割合は、現在のところ1%以下である」と、米国の市場調査会社In-Stat社のシニアアナリストEric Mantion氏は語っている。ただし、同氏の指摘によれば、AdvancedTCAを支持している企業は相当数に上る。その中には、米Intel社、米Lucent社、中国Huawei社、独Siemens社、米Hewlett-Packard社、米Sun社、仏Alcatel社、米Unisys社、米Motorola社、中国ZTE社、フィンランドのNokia社、スウェーデンEricsson社、カナダのNortel社、英Marconi社などが含まれている。
AdvancedTCA準拠機器の量産が本格的に始まる時期はいつ頃だろうか。「コンポーネントレベルの開発と統合試験については、2005年を目途に考えている」と、米NMS Communications社プラットフォーム・ソリューション・バイス・プレジデントJonathan Sieg氏は答えている。また、同氏は、「この時期は、一般的に利用可能なAdvancedTCA製品はごくわずかで、その種類も限られているだろう。ソリューションやシステムの豊富な体験版の配布も含め、AdvancedTCAコンポーネントの配布を大々的に開始する時期は2006年になると見込まれる。ただし、生産量は少なく、初期の製品であることから、価格はまだかなり高いだろう。生産量が飛躍的に増えるのは、おそらく2007年になると思われる」とも言っている。
PICMG (PCI Industrial Computer Manufacturers Group)は、既存のオープン・アーキテクチャに代わるアーキテクチャを定めるべくAdvancedTCAの仕様書を発表した。VMEやCompactPCIといった既存のオープン・アーキテクチャは、通信装置特有の要求にうまく適合していないのである。AdvancedTCAの基本となる要素としては、高速シリアルデータリンクやスイッチ・ファブリック技術がある。冗長化されたスター型またはフルメッシュ型のデータ転送と、スイッチ・ファブリックに代わるいくつかの手段を用いれば、AdvancedTCAバックプレーンは2.5Tビット/秒まで拡張することができる。
一方、仕様書の「特大ボード(extra-large board)」欄には最新型の半導体製品が全て列挙され、入力電力および冷却については、ほぼ200W/スロットと規定されている。仕様書ではまた、ボードおよびアクティブなモジュールの全てに、ホットスワップ機能を備えることを規定している。この機能により、99.999%あるいはそれ以上のシステム有用性を達成することが可能となる。シェルフ・マネジメント用エレメントは、動作状態や電力および冷却状況を対象として監視を行なう。さらに、プラグイン・モジュールのキー操作についても監視を行い、サブシステムが効率的に動作していることを確認する。モジュールは冗長化された直流電源装置(−48V)から電力を供給される。また、モジュールにデータを供給する制御プレーンおよびデータプレーンも冗長構成になっているため、一部で発生した障害によるシステム全体のダウンを防ぐことができる。
AdvancedTCAは主にハードウエアについて定めた仕様である。だが、装置メーカーでは、オープン・システムのコスト削減をオペレーティング・システムにも同様に適用したいと考えている。これを受け、複数のハードウエア・ベンダーおよびソフトウエア・ベンダーが集結し、Carrier-Grade Linux Working Groupが結成された。このグループはOSDL(Open Source Development Lab)の一部となっている。このグループのメンバーは、通信機器の主要なオペレーティング・システムであるUnixに対抗するために、Linuxに絞り込む作業を行なっている。有用性、障害管理、リアルタイム・パフォーマンスの要求に基づき、仕様には一般の通信とデータ通信に必要とされる特殊な機能が追加されている。
AdvancedTCAの展望は明るい。要求事項や技術が絶えず変化する状況の中、通信機器の取引額は毎年200億米ドルに上っている。低コストで入手が容易なビルディング・ブロックを使用したオープン・スタンダードにしてみれば、申し分ない額である。
しかし、AdvancedTCAの普及状況を完全に把握するには、もう数カ月待つ必要があると思われる。米PICMG社の社長を務めるJoe Pavlat氏でさえ、信頼できるデータの収集についてのいらだちを隠せない。「AdvancedTCAは謎に包まれており、誰もが機密保持契約の下で動いている」と、Pavlat氏は語る。「競合他社に計画を知られたくないために、正確な出荷状況について誰も語ろうとしない」。
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