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EDN GLOBAL REPORT
July 2005

プログラマブル素子の売れ筋価格
民生機器に低価格製品のプログラマブル・ロジックが登場
 
 
Ahn Mi-Young, EDN Asia/Korea, Correspondent
 
 米Xilinx社は2005年3月1日、「Spartanファミリ」の最新バージョン「Spartan-3E」の発表に際し、同社の新しい低価格版FPGA(Field Programmable Gate Array)が、記念すべき年を迎えたことを宣言した。「本日、われわれがご紹介するのは、50万個購入時の単価が2米ドルという10万ゲートのFPGAです」。米カリフォルニア州Monterey市で開催された「Globalpress Summit Conference」において、米Xilinx社社長兼CEO、Wim Roelandts氏は、そう語りながら微笑んだ。確かに、FPGAの4大ベンダー各社の製品は、民生機器への採用が決まり始めている。また、この動きは、プロセスの新世代に合わせてチップサイズが縮小し続ける限り続くと思われる。
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 Xilinx社の場合、同社の収益のうち15%を民生機器関連が占めている。そしてRoelandts氏は、この比率を今後2年間で20%まで引き上げ る上で、今回の新ファミリが一役買ってくれるものと期待している。Xilinx社は、GTL(gunning transceiver logic)といった旧型のI/O規格など、余分なプラットフォーム機能を省略したことでSpartan-3Eが、「最低の価格帯で最多種のプラットフォーム機能」を装備すると宣伝している。またSpartan-3Eは、さらにDSP機能やマイクロプロセッサ機能も組み込めるようになっている。Spartan-3Eファミリーには、10万〜120万ゲートの範囲で集積度の異なるさまざまな製品が用意されている。10万ゲートのチップは現在のところサンプル中であり、製品の発売は2005年第3四半期に予定されている。
 Spartan-3Eの発売は、FPGAベンダーが継続して実施している低価格販売製品の中では最も新しい出来事として位置付けられる。FPGAベンダーは、低価格と高度なプログラマビリティを求める顧客ニーズの高まりに応えることで、成長段階にある民生機器市場においてより多くのシェアを獲得しようとしているのである。しかし、専門家の指摘によれば、プログラマブル・ロジックは依然としてあまりにも高価過ぎる上、電力も大量に消費するため、大量生産を基礎とする民生機器の用途には向かない。また、この用途におけるASICの優位は変わっていないとも専門家は指摘する。FPGAの市場が30億米ドルであるのに対し、ASIC市場は180億米ドルとなっている。FPGAは、大量生産用としてのASICの設計段階において、ASICのプロトタイピング・ツールとして利用されることが多い。
 ASIC市場での地位獲得を目指してFPGAベンダー各社は、新規参入企業のような生産量が少ない購買層にターゲットを絞っている。そして、初めて売り出す製品にはASICやASSPではなく、FPGAを採用するように顧客に促している。こうした努力が実を結び、デジタル家電市場の中で成果が見え始めている。この市場では、クイック・カスタマイズ性と高柔軟性が、製品化までの時間を短縮する上で極めて重要な要素となる。家電機器の場合、ベンダー各社は、生産量が中程度のハイエンドな民生機器向けの製品用にFPGAの出荷を増やしている。例えば、デジタルカメラ、デジタル・セットトップ・ボックス、ディスプレイ装置(例えばプラズマ・ディスプレイパネルや液晶テレビ)などがある。
 民生機器部門にFPGAを使用した設計に着手するケースが増えているという専門家の指摘もある。その一方、ASICを使用する民生機器の設計については頭打ちとなっている。Xilinx社は、2004年に1万件近い設計実績を記録したと公表している。
 「アジアの家電機器に関する当社の見通しは非常に明るい」と、Xilinx社ワールドワイド・マーケティング担当バイスプレジデントSandeep Vij氏は述べている。「当社のハイエンドFPGAは、韓国のデジタル民生機器において好調な伸びを見せている。日本は、当社の民生機器および通信インフラ向け素子にとって良い市場である。台湾では、ローエンドの民生機器部門における売れ行きが好調である。中国は最も急速に成長している国であり、ハイエンドからローエンドの用途に至るまで、その客層は多岐に渡る」(同氏)。
 Altera社、Xilinx社、米Actel社、米Lattice Semiconductor社のベンダー各社は、値下げ競争に火花を散らしている。また、そのような競争に伴い、現在の主流である130nm〜180nmから90nmプロセス・ノードへの移行を余儀なくされた。この動きがひいてはさらなる値下げへとつながっていくのである。一方、90nmプロセスのFPGAにおけるリーク電流は、今なお深刻な問題として残っている。しかし、価格やクイック・カスタマイズが最優先される特定の民生機器用途において、この問題がFPGAの障害となることはほとんどない。
 Altera社およびXilinx社は、Spartan-3E/Virtex-4(Xilinx社)や「Stratix-2/Cyclone-2」(Altera社)といった最新かつ最重要素子の製造において2005年第4四半期中には、90nmが自社のプロセスの中心になるものと見込んでいる。
 90nm素子に関して、Altera社が強調する点は、提携先のファウンドリ企業である台湾TSMC社において、「Stratix-2」や「Cyclone-2」の生産に12インチ・ウェーハと低誘電体(low-k)を採用していることである。Xilinx社は、台湾UMC社におけるSpartan-3およびVirtex-4の生産にFSG(fluorinated silicate glass)と8インチ・ウェーハを使用している。Lattice社は、上記2社とは異なり、富士通のファウンドリ企業におけるプログラマブル・ロジック「Economy-Plusファミリ」の生産に0.13μmのプロセスを使用している。
 ゲート当たりのコスト引き下げにより、FPGAベンダー各社は、ますますASICベンダーのコスト水準にまで近づいている。Xilinx社は、自社の新製品であるSpartan-3Eにおいて30回ものコスト削減を実施した。1998年の時点で1000ゲート当たり14米ドル45セントだったFPGAのコストは、現在、同じゲート数で46セントにまで下がっている。
 「高柔軟性並びに低コスト性という利点から、ASICではなくFPGAを採用するのにふさわしい最初の分野は、ハイエンドな民生機器部門である」と、Xilinx社の韓国法人であるKorea Xilinx社のフィールド・アプリケーション・エンジニア(FAE)のSoe Wan-Seok氏はそのように語っている。一例を挙げると、韓国の顧客はSpartan-3Eが備える新たなフラッシュ・メモリー機能を歓迎している。このフラッシュ・メモリー機能は、サードパーティ製のSPI(SCSI-3 Parallel Interface)チップやパラレル・フラッシュチップをXilinx社の独自仕様によるPROM素子に依存することなくコンフィギュレーション・メモリーとして使用可能にさせるものである。「このことが、ひいては顧客にとってのさらなるコスト削減となる」と、Soe氏は語っている。
 Altera社およびXilinx社では、「HardCopy-2」や「EasyPath」などのStructured ASICソリューションも提供している。これらはFPGAより低コストで、ASICより少量生産可能な代替手段であり、5000〜10万個の購入を想定している。
 「ローエンドASIC市場が良いビジネスであるとは思っていない。いかなる形であれ、当社はASIC市場に参入するつもりはない。根本的にプログラマビリティにこそ価値があると信じているからだ。プログラマビリティこそ、将来の成長株である。またプログラマビリティこそ、革新が望める分野なのだ」。Vij氏はこのように語っている。「今や、ASICがわれわれを追う立場にある。われわれは、ASICに先駆けて10Gビット/秒の素子を作り上げた。また、ASICよりも早く90nmを実現した」(同氏)。
 「われわれは、民生機器向け素子の分野でASIC/DSP製品に取って代わりつつある」。そう語ることに同意したのは、Altera社プロダクト・プランニング担当バイスプレジデントのRobert Blake氏。「それらは以前から大量生産を担う2大勢力であったが、現在はわれわれにとっての新たな市場になりつつある。例を挙げると、第3世代携帯電話のインフラや医療画像などは、これまでASICやDSPによって実現されてきた。それが、今度はわれわれの素子に切り替わり始めている」。同氏は、そう付け加えた。
 しかし、FPGA事業はこのところ壁に突き当たっているようにも見える。プログラマブル・ロジックは、2004年上半期に好調な売れ行きを見せていたが、在庫の増加により逆転し、同年末には好ましくない状況となっていた。「2004年後半、大部分は通信部門に集中していた顧客が、(われわれからの)素子の購入をきっぱりと停止した。それでも、2004年の第4四半期には、まだOEMなどの民生機器分野における売れ行きが好調だったため、生産も右肩上がりの状態が続いていた。例えば韓国の場合、Cycloneを採用するフラットパネル・ディスプレイが堅調な伸びを見せていた。中国は、当社製素子の数をさらに増やして、民生機器向けの新工場で開発中の製品を基に民生機器を製造している」と、Altera社プロダクト・プランニング担当バイスプレジデントRobert Blake氏は語る。
 「中国やインドといった地域の民生機器部門においては、多くの設計事業が現在急速に増加中か、これから増加しそうな勢いである。これに対し、北米や欧州、日本などでは、これまで長い間続けられてきた技術活動の基盤が維持される傾向にある」。Altera社シニア・プロダクト・マーケティング・マネジャーJohn F. Ector氏は、そのように述べている。そして、その成長は明らかである。Ector氏によれば、Altera社がCycloneおよStratixにおいて抱える顧客は少なくとも5000社に上り、そのうちの45%は同社にとって新規の顧客であるという。
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