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EDN GLOBAL REPORT
July 2005

パワー管理:重大な検討事項
家庭用電子機器の設計では、はるか先まで見据えた電池のパワー管理が重要で、システムレベルでの取り組みが必要になってきている。
 
 
George Lien, EDN Asia/Taiwan
 
 携帯可能な電池式の民生用製品の需要が拡大する一方で、搭載されるICの電力消費もさらに大きくなってきており、電子機器のパワー管理が世界的な問題となってきている。そのため、設計者は適切なパワー管理システムを配備して、エネルギーを節約するための多くの手法を用いなければならない。従来の知識は、電源を中心にエネルギーの節約を考えていたが、携帯型製品の台頭により、よりエネルギー効率 の高いシステム設計が技術者に求められるようになっている。実際には、家庭用電子機器はますます複雑さを増しているので、パワー管理システムも当然複雑になっている。
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 システムレベルのパワー管理アーキテクチャは、やはり電源の管理から始まる。例えば、米Linear Technology社の電池管理ICやシステム電源レギュレータなどの製品では、エネルギーをより効率的に使用する製品設計を可能にしている。Linear社のパワー管理ICは、電池、ACアダプタ、USBまたはイーサネット回線などの複数のソースからのパワーを制御する素子を内蔵している。設計担当者はコントローラにバッテリー充電器およびDC-DCコンバータを組み合わせて、電源サブシステムから最大の効率が得られる製品を生み出している。
 その対極にあるマイクロコントローラは、パワー管理の機能も担っている。例えば、ルネサス テクノロジのマイクロコントローラは、液晶テレビのパワー管理機能として使用されることがよくある。「R8C Tinyシリーズ」は1Mバイトのプログラムメモリ空間があるため、効果的なスタンバイモード操作によって、パワーを最小限に抑えることができる。
 もちろん、Linear Technology社とルネサスが提供するのは、これらの特定のソリューションだけではない。上記の2社のほかにも、多くの企業が包括的なパワー管理システム構築の重要性を強調している。効果的なパワー管理アーキテクチャは、システム設計のすべてのレベルに対応していなければならない。例えばRFレシーバを内蔵したワイヤレス製品について考えてみれば、オン/オフ・スイッチとして機能するリニアRFパワー・コントローラを採用することで、ワイヤレス機能を使用しないときは、エネルギーの節約ができるように設計されてい る。
 また、米Texas Instruments社とルネサスは、オーディオを含む各種サブシステムの高度なパワー管理を可能にするコンポーネントも提供している。例えば、Texas Instruments社は最近、Class-Dステレオ・オーディオ・パワーアンプICの「TPA2012D2」を発表した。これは高い出力効率と低消費電力を可能にしている。設計者は当初、Class-D技術の使用を小型ブックシェルフ・システム向けに考えたが、最近では、Texas Instruments社、ルネサス、米National Semiconductorおよびそのほかの企業が、こうした技術を応用して、PDAや携帯電話機などの小型の製品で高品質なオーディオを実現している。例えば、ルネサスのデジタルアンプはそのようなアプリケーションを対象としたもので、オーディオ品質の向上、サイズの小型化、電池の長寿命化を特徴とするシステムが可能になった。
 高効率のコンポーネントの使用に加え、消費電力を意識している設計者が、多目的で多機能のプログラミング可能なICの使用を増加させている。例えば、日本の大手家電メーカーは、フラッシュベースのMP3プレイヤーの心臓部にマイクロコントローラ「M16C」を採用している。このチップ自体、ワット当たりのMIPSの観点からすれば、非常にエネルギー効率の高いマイクロコントローラと考えられるが、ミュージック・プレイヤーにとっては、パワー制御機能を内蔵したマイクロプロセッサと見ることができる。M16Cは、このパワー管理機能により、競合するマイクロコントローラとの差異化を図っている。
 米Actel社のFPGAは、プログラミング可能な多目的、多機能ICのもう1つの例となる。Actel社のFPGAである「A40MX04」および「A42MX09」は、実際に、米Diamond Multimedia 社(現在は、Digital Networks North America社Rioディビジョン)によって設計された「Rio PMP300」と「Rio PMP500」という最初のMP3プレイヤーの推進力になった。
 こうした初期のMP3プレイヤーは、約180mWの低い消費電力で動作させることが課題だった。Actel A40MX04はその要求を満たし、多くても10mWの消費電力までに抑えることを実現した。さらにFPGAを活用して、オーディオサブシステムを駆動する「Maxim 1705」パワーICを制御できるように設計した。また、使用モードが異なる場合の電力消費を減らし、スタンバイモードではゼロに近い電力消費を実現している。
 パワー管理について語るとき、まず心に浮かぶことはエネルギーの節約である。しかし、エネルギーを節約するには無数の方法があると同様に、脆弱なパワー管理により、エネルギーを無駄にする方法も同じ数ほどある。
 デジタル家電の需要が増大している今日、綿密なパワー管理アーキテクチャを実現するには、システム効率の改善をまず優先すべきと考える。
Class-D デジタル・オーディオは、パワー効率とスペースの利点により、携帯用オーディオ製品にも使用されている
(ルネサス テクノロジ)。
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