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| July 2005 |
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中国における圧縮規格の選択
まだ公式な標準規格になってはいないが、中国のAVSコーデックは、H.264に代わるものとして、チップを含めて支持を集めている。
John Mu, EDN China, Editor in Chief
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次世代のオーディオ/ビデオ圧縮標準規格競争のただ中で、H.264の人気が高まっている。しかし、H.264がすべての市場や、アプリケーションにとって、最適であるとはいえない。例えば、中国で開発されているAVS(Advanced Audio Video Coding Standard in Information Technology)コーデックは、技術と費用対効果の両方をもたらすかもしれない。中国のIP開発チームは、ほかの選択肢と同程度、AVSとH.264の両方に、とても意欲的に取り組んでいる。
H.264が人気を博している主な2つの要因は、ネットワーク伝送中の圧縮効率の高さと、高いジッター耐性である。同画質で比較した場合、H.264の1ストリームに必要なビットレートは、MPEG-2の場合のおよそ36%、H.263の場合の51%、そしてMPEG-4の場合の61%になる。ほかの競争相手であるVC-1(Windows Media 9)は、性能の面ではH.264に匹敵するが、その標準化への進展は、いわばパソコン・アリーナの場外にて、ゆっくりとしたペースで進んでいる。さらに、米Microsoft社内にその誕生起源があるため、多くの企業はVC-1の使用については慎重になっている。
各技術の標準規格化の進展は、新たな標準規格が特定の分野を支配するという機会をもたらしている。ある標準規格がそのような戦いで勝利を収める前に、競争相手は、攻撃的にそのような機会を追い求めてくる。明らかに中国は、AVSの導入に伴って、高解像度ビデオ標準規格化競争の勝利を目指して参入した。AVSワークグループは2002年6月から始動し、現在のところAVS 1.0に取り組んでいる。
AVSワークグループの事務総長、Huang Tiejun氏によると、AVS標準規格は、システムレベルではMPEG-2と互換性を持ち、オーディオ/ビデ
オ圧縮アルゴリズムに関する中国の独自IPとなっている。H.264と比較して、Huang氏は、AVSの最大の強みは簡単に実装できる点にあると考えている。エンコーディングの視点からいえば、H.264はMPEG-2より2倍以上の演算性能を必要とする。同画質で比較すると、AVSは、H.264の場合よりおよそ30%も少ない演算性能で済む、とHuang氏は主張している。
AVSの持つ演算性能の優位性は、スキームが処理する画像の粒状性に起因している。大画面高品位テレビから携帯電話機のようなモバイル端末の小さな画面上で動くすべてのアプリケーション用に、H.264は、4×4ピクセル・マクロブロックを使用して1画像を処理しているが、AVSは8×8ピクセル・マクロブロックを使用している。より大きなブロックは、大画面高解像度アプリケーション上で、AVS性能に悪影響を与えることはないが、そのテクノロジーの支持者たちによると、それはコーディング・アルゴリズムを非常に単純化させる。その上、8×8ブロックは、H.264との間で起こり得る特許紛争を避けられると、AVSグループは主張している。
中国の国産チップ
AVSは公式な中国の国家的標準規格になっていないが、中国のファブレスIC企業はAVS IPとチップの開発に取り組んでいる。2004年9月には、中国科学院の電子計算技術研究所に付属している寧波CAS ICデザイン・センターは、「フェニックスサン第1号」(Phoenix Son 1st)と命名された、AVSのフォーマットをサポートする高解像度デコーディングICを発表した。2005年の3月には、北京に拠点を置くファブレス企業、中国Celestial Semiconductor社が開発した別のAVSデコーディングチップ、「AVS101」は、専門家によって評価されている。AVS101の開発には、中国のハイテク研究開発プログラム(863プログラムとして知られている)から資金提供を受けてきた。明らかに中国は、市場でAVSが受け入れられる可能性を高めるため、IP、チップ、そして最終的にはシステムやオペレーションまでをカバーする終端間(エンドツーエンド)AVS開発チェーンを構築しようとしている。
同時に、AVS標準規格の設定者たちは、安価な技術認可戦略を推し進めることを約束している。噂によると、最終的な認可料は、各AVS単位あたり1中国元(約0.12米ドル)になるかもしれないといわれている。過去に自らの登録商標のIPを持たなかったため、中国のDVDプレーヤー製造業者は、3C Allianceに対して莫大な権利使用料を支払う必要があった。権利使用料は中国の一般電子機器会社にとって著しい障害となってきた。従って、多くはAVSの低認可料戦略が中国市場で受け入れられることを期待している。
国家から助成を受けているほとんどのファブレス企業が、AVSをターゲットとする一方で、ほかの私有のIC設計会社は、H.264により多くの関心を向けている。例えば、上海のFullhan Microelectronics社は、H.264 IPコアの開発に打ち込んでいる。同社のエグゼクティブ・ダイレクターであるYang Xiaoqi氏によると、AVSは、基本的に、H.264標準規格を簡略化したものである。
H.264の支持者たちは、AVSが広く受け入れられる標準規格になるかどうか、そして、特にコンテンツ・オーナーがそのコーデックをサポートするかどうか、疑問視している。結局のところ、コンテンツは世界のそのほかの国々の場合と同様、中国の半導体エリアで起きている
ことをはるかに越えてしまうのである。
Fullhan Microelectronics社は、ASIC IPコア形式の「FH8600」H.264標準定義デコーダをリリースした。30万ゲートのFH8600は、0.18μmプロセスをベースにしている。Fullhan社は高解像度デコーダのコアの開発も手掛けており、2005年の後半までに売り出される予定になって
いる。
AVSの改善
AVSで使われている8×8ピクセル・マクロブロックは演算を簡略化する。しかし、北京に拠点を置くOmniDesign社の社長、Charles Bian氏によれば、それは、標準定義ビデオとモバイル・アプリケーションの分野でAVSの性能を制限している。このため、AVSワークグループは、モバイル・アプリケーション用にAVS-Mフォーマットを考案している。OmniDesign社はAVS標準規格化の推移に特別な注意を払っているが、国内の標準規格の研究開発に関わってはいない。他方、同社は2005年7月に、最初のH.264デコーダICの完成を予定している。OmniDesign社にとって、米国の衛星放送受信用のSTB(set top box)供給会社が最初の顧客になるだろう。「2005年、H.264にとって、STBは実際に大きなアプリケーション市場になるだろう」と、Bian氏は言う。
ベンダーの間では、次世代のオーディオ/ビデオ圧縮標準規格をめぐって意見が分かれており、標準規格に関する議論が終わる気配は今のところない。一部の人々は、さまざまな標準規格が長期間共存するとさえ考えている。従って、複数のフォーマットをサポートするコーデック技術は、多くのIC設計者たちにとって魅力的なオプションである。
設計チームは、複数のコーデックに対するサポートを実現させるため、通常2つのアプローチから1つを選択することができる。その1つは、異なる標準規格をサポートするマルチコーデックコアを1つのASIC上に統合することである。もう1つは、DSPのようなメインプロセッサを使ったソフトデコーディングに頼ることである。前者の場合、特にサポートするコーデック数が増えてしまった場合、明らかにシリコン(ハードウエア)の効率性が良くない。他方、後者の場合、高解像度ストリームを処理する際、高い実施費用、大きな電力消費、それにパフォーマンスに対する制限が生じる。それ)には、あるアプリケーションに特化したハードウエア回路をベースにしたコーデック・プロセッサが含まれている。一般的なCPUやDSPのアーキテクチャとは異なり、このプロセッサはビデオ・コーデック内のメディア処理フロー用に特別に設計されているのだ。あるアプリケーション仕様に特別に設計されたその演算性能は、比較的低い動作周波数(およそ200MHz〜300MHz)で、高解像度エンコーディング/デコーディングをサポートする。同時
に、このプロセッサはプログラミングが可能なため、異なる標準規格をサポートできる。このように、変化する市場の要求に対応することができで、一部の設計者たちは、ASICと標準的なDSPの間に位置する、性能と柔軟性の両方を提供するような、中間的なアプローチを模索している。
OmniDesign社は、そのような中間的なアプローチを選択した。その「M3P」(Multi-Mode Media Processorる。
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