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EDN GLOBAL REPORT
July 2005

エレクトロニクスが自動車の配線網に挑む
際限ないオプションが電気配線システム設計の新しいアプローチを求めている
 
 
Martin O'Brien, 米Mentor Graphics社
 
 近年、自動車へのエレクトロニクス製品の搭載が急増している。現在、エレクトロニクス技術は、安全性や性能、そして乗員の便利さを提供するなどのさまざまな役割を担っている。というのも、自動車メーカーは、購入者のオプションとしてこうした多くのシステムを提供しているため、自動車のプラットフォーム内のEDS(電気配線システム)は、殺到するさまざまな機器構成に対処しなければならないのが現状である。
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 EDSは、数kmの配線によって数千のデバイスピンを相互に接続し、センサーからの信号をアクチュエータおよび各種コントローラへ伝達する神経システムとみることができる。自動車のオプションは、サブシステムの追加や削除を行うことになる。この変更がサブシステムの数や配置・配線および信号の種類、あるいは供給する電力に影響を与える 
 電子部品とEDSは現在の車のコストと重量のかなりの部分を占め、膨大な品質保証のための費用を強いることにもなる。多くの場合、この費用は設計コストを上回るともいわれている。構成の複雑さが増せば、電気系統の厳格な性能試験や、設計上のリスクを軽減するための包括的なFMEA(故障モード影響解析)を実施する自動車メーカーの体力は、ますます減少することになる。 
 こうした理由から、現在のEDS設計のパラダイム(枠組み)を変える必要がある。今日の設計フローは、明確な論理体系を定義するさまざまな異なるツールの使用から始まる。大抵の場合、これらの論理体系は、ほかの要素とは結びつかない独立した関係で展開される最終車とは無関係なことがよくある。 
 OEMや下流にあるほかの企業は、該当する車両の具体的な構造と要求に照らして、別のツールを使用してさまざまなシステムを統合する。設計プロセスの全体を通して、複数の組織によってデータセットの修正と追加が行われ、製品の定義が完成する。改良とオプションにより、車両構成が数十万に膨らみ、設計から製造およびサービスに至るまで、必要な文書の作成が面倒なものになっている。 
 自動車産業は、新しいタイプの統合ソフトウェアを必要としている。今日のEDS設計は20年前の回路基板の設計に似ている。各OEMは独自のベストプラクティス(最良の実施慣行)を発展させてきたが、複雑さの増大に逆らって設計フローを維持していくことは実質的には不可能であることが判明している。さらに、サードパーティの供給業者は、複数のOEMのベストプラクティスに必死になって対応しようとするため、結果的にコストは上昇し、信頼性の低下を招いている。
 まず、この業界は、設計から製造に至るフローの各分野のエンジニアリングチームが、実際のニーズに対応するツールを必要としている。しかし、それだけでは十分とはいえない。アプリケーションは、複雑性を管理する観点から、十分な自動化をもたらすものでなければならない。また、ツールとデータを複数の部門間と企業間で容易に移行できなければならない。ツールはデータの漸進的な質的向上に対応し、データが設計の目的に適合していることを常時検証する必要があるからだ。最後に、EDSデータセットにアクセスしてその解析を行うとき、ツールはさまざまなエンジニアリングチームに以下の3つの基本機能を提供しなければならない。

 ■電気的分析機能により、OEMがコストの削減と信頼性の増大を図り、ブランドイメージを高めることが可能でなければならない。ツールは設計者の机上での分析を可能にし、そこで潜在的な問題の修正が容易に行なわれ、熟練者でないユーザーにも使いやすいものでなければならない。システム・シミュレーションにより、実際の車での物理的な検証に費やされる時間が縮小され、統合化されたFMEAによって製造物責任の問題の特定が容易でなければならない。
 ■自動ダイアグラム作成(図合成)機能により、エンジニアリングチームおよびサービス要員が基礎データに柔軟にアクセスできなければならない。会社の数値データを管理させる特定の人員を選び、そしてサービスやエンジニアリングなどの個々の分野に最適なツールとプロセスを効果的に使用して、データを作成する能力を持つことが絶対必要である。
 ■コストと品質の面から、設計データの共有と再利用が重要である。3次元メカニカルCAD、製品データ管理、製品ライフサイクル管理、企業ライブラリ、企業資源プランニング、サプライヤシステムを含む多数のエンタープライズツールにより、データの交換と移動が可能でなければならない。このためには、本来の意味でのデータ中心の設計(data-centric design)が求められる。この設計では、すべてのアプリケーションが、高度なデータ管理機能によってオーバーレイされる共通の保管場所を使用する。 
 EDS業界はまだまだこれからであるが、現在、新しいツールが運輸産業において生産用の主流ツールとして使用されている。高度な専門知識があるエンジニアリングとデータ管理の専門家が結合することで、ますます重要になる自動車設計プロセスのこの部分の改革が行われているのだ。

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