EDN Global Roundtable 世界各地で活動しているEDNのエキスパートが一堂に会し、それぞれの担当地域において最も重要となる技術と動向について話し合いました。
司 会:
EDN Worldwide Editor at Large Maury Wright
出席者:
Maury Wright, Editor at Large, EDN Worldwide
Graham Prophet, Editor, EDN Europe
Kirtimaya Varma, Editor in Chief, EDN Asia
Tsuguyuki Watanabe, RBIJ Editor at Large, EDN Japan
John Mu, Executive Editor, EDN China
Pradeep Chakraborty, Correspondent, EDN Asia/India
Mike Pan, EDN Asia/Taiwan
Kwon Yong Wook, EDN Asia/Korea
通信編
Wright:
通信は、今もなお世界規模で経済を牽引する重要な要素となっています。北米では、通信は成長部門の1つであり、光ファイバを各家庭のまでつなぐEPON(Ethernet PON)、GPON(Gigabit PON)、BPON(Broadband PON)などの新しい導入方式や、家庭内で装置を接続するWi-Fi(Wireless Fidelity)などのLAN(Local Area Network)技術は、いずれも成長を続けています。さらに、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)もこれらと同様に大きな成功を収めるものと思われます。みなさんの地域において、いま最も注目されている通信技術は何ですか。また、大手ネットワーク・ベンダーは、ルーター/スイッチの設計・構築をそれぞれの地域内で行っていますか。携帯電話基地局についてはどうでしょうか。あるいは、昔ながらの電話はどうですか。さらに、無線LAN(802.11あるいはWi-Fi)や無線ブロードバンド(WiMaxあるいはこれと同等のもの)用の装置についてはどうでしょうか。
Chakraborty:
インドは、設計拠点として急速に台頭しつつあります。また、無線やブロードバンドが大いに流行しています。そして、内外のさまざまな企業が多岐にわたり活動しています。Bangaloreに拠点を置くインドの国内企業Quasar Innovations社は、フル機能のBluetooth対応型GSM(Global System for Mobile Communications)/GPRS(General Packet Radio Service)携帯電話機を他に先駆けて開発したといわれています。韓国LG社においても(インドで)携帯電話機の開発を行っているそうです。ビッグ・ニュースと言えば、フィンランドのNokia社が携帯電話機製造のための完全統合型設備をインドChennai近くのSriperumbudurにオープンさせたことですね。その設備では、GSMとCDMA(Code Division Multiple Access)の両方式の携帯電話機が製造されることになっているそうです。フィンランドのElcoteq社もBangaloreに製造設備を立ち上げ、通信関連製品、中でも無線関連にそのターゲットを絞っています。これだけではありません。スウェーデンのSony Ericsson社も、インドMoser Baer社や韓国LG社と同様に、インドでの携帯電話機の生産を計画しています。韓国Samsung社やそのほかの企業も、それほど出遅れていないと思います。通信会社がさらに10MHzもの周波数帯域を取得したので、インドでは2007年までに2億5000万人の携帯電話人口への対応が可能になると予想されます。ちなみに、2005年2月時点における携帯電話加入者数は5140万人となっています。
次に、さまざまな企業がグローバル市場に向けてGPRS、WCDMA(Wideband CDMA)、MMS(Multimedia Messaging Service)のスタックの開発(インドのSasken社やWipro社)や、WAP(Wireless Application Protocol)ゲートウェイの開発(インドJataayu社)を行っています。さらに、米OATSystems社と米Infosys社が提携し、グローバルなRFID(Radio Frequency Identification)市場のニーズに共同で取り組んでいます。米EPCGlobal社も、インドでのイニシアチブを開始してRFIDアプリケーションに取り組んでいます。Wi-Fi分野では、インドMicrosense社がその方針で大筋を固めています。米Proxim社は、WiMaxのベータ試験の実施を2005年第2四半期に予定しています。シンガポールMobiApps社は、地上波通信用と衛星通信用のチップセット、トランシーバ・モジュールの設計・製造を行っています。また、遠隔監視、資産管理、双方向通信を目的とするアプリケーションに対応したソフトウエア・プラットフォームの設計・製造も同時に行っています。
ここ数年、インドではIPコアの開発が盛んになっています。インドのWipro社やeInfochips社、HCL社、Sasken社および米inSilica社といった企業が、通信分野でIPの開発を行っています。設計サービス企業各社は、IP開発専門のシリコン設計チームを抱えています。
通信分野やネットワーク分野でも動きがあります。米3Com社は、Hyderabadの施設でVoIP(Voice over Internet Protocol)対応製品の開発に専念しているという話です。米LVL7社は、市販レベルのネットワーク用ソフトウエアを提供する大手企業ですが、Hyderabadに開発センターがあり、そこでEthernet/IP(Internet Protocol)装置のベンダー向けの開発を行っているそうです。米Ciena社のイーサネット・プロビジョニング・スイッチは、インドFuturSoft社のレイヤー2プロトコル・スタックを内蔵しています。
一方、スウェーデンEricsson社は最近、基地局を作るために5000万米ドル相当の設備をRajasthanに設置しました。フィンランドNokia社やそのほかの企業も、おそらくインドに基地局の開設を考えていることは間違いありません。